ちょっと補足

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/11/1(19:19)]

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10594. ちょっと補足

お名前: KYO
投稿日: 2004/3/7(22:22)

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いろんな方がいろんなことを書いてくださっているので、
まだまだ考え中なんですが、
古川さんの書いてらっしゃることで若干気になる点があったので。

〉あと、本質的にすべての言語にそんなに差があるとは思えません。
〉ある言語なら、少ない語彙で十分に文がわかるというのも
〉信じられないです。

この調査の数値の意味は、最初に書きましたが「基本語の語彙調査に基づいて、
上位n番目までの語彙では一般的なコミュニケーションにおける語の、
何パーセントを占めるかということを数値にした」ものです。
英語、フランス語、スペイン語はモスクワの言語学研究所がおこなった調査報告、
中国語については中国北京言語学院言語教学研究所、朝鮮語については韓国文教部、
日本語については国立国語研究所などの資料に基づいたものだそうです。

結局はこの調査の値からどんなことを読みとるかということなんでしょうね。
言葉の構造が違い、語の捉え方も違うのですから、機械的に数値を捉える
ようなことは確かに危険だと思います。ある種の傾向を読み取ること
ができるぐらいに考えるべきだと私も思います。

〉単語が少ない言語があるとそれば、一つの単語
〉の意味が複雑なはずで、

つまり、ここで原著の著者が言いたかったのは、日本語のカバー率が低いことが意味するのは、
日本語というのが非常に具体的・個別的な内容をもった単語が多く、
そのために単語をたくさん覚える必要がある言語だということでした。
逆に言えば、仏語を筆頭にして、英語も日本語の較べれば抽象度が高い、
一つの単語のカバーする概念が広いということだと私は思います。
それを複雑と見るのは、個別具体的な意味分けをしている日本語の観点からの見方になるのではないでしょうか。
よく引き合いに出されるbrotherという単語は、日本語の兄弟の両方の意味を持ちますけれど、でもこれは複雑ってことではないのでは。
中国語には親戚関係を表す言葉がたくさんあるそうですが、
日本人から見て「おじさん」という言葉はとても複雑な意味を持つかというとそうではないですよね。
単語の意味の括り方が大きいか小さいかってことですよね。
さらに言えば、言語によってその言語話者の興味のあるものが細かな分類をされます。
日本人だったら魚、英語なら家畜、イヌイットなら雪。
そして言語によっては例えばいろいろな魚を表す個別具体的な単語はあっても
魚を総称する言葉がない言葉があるそうです。
あるいは色について、明るい色、暗い色という区別しかない言語。
でもその言語を話す人たちに色見本を見せて区別させるとちゃんとできるようになるのだそうです。
個別具体的な語彙を持つ分野も言語によって変ってくる。
言語の在り様ってさまざまで、言語によるそういった差を読みとるのも私にはおもしろいことだと思うんですね。
「基本的に言語による差がそんなにあるとは思えない」
というのは、言語には普遍的な部分があるという点であたっていると思いますが、
普遍的でない部分もたくさんあると思います。
この数値からそういった言語の語彙の全体的な傾向を見ることができるだろうってことなんですよね、言いたかったのは。

〉単語の組み合わせでいろいろな意味を表して
〉いる可能性が大だと思います。

こっちは慣用句、イディオムの問題ですよね。
英語は、phrasal verbが非常にたくさんありますから、
これが日本人にとっては結構泣きどころになると思います。
映画とか、雑誌とかが一見単語は難しくないように見えるのに、
なかなかわかりにくいのはこいつらがチョロチョロするせいだと私は睨んでます。
コンピューターが言語を理解できない一つの大きな理由がこれだそうです。
 
こういういろんな誤差を含んでいるし、やり方がでんでんばらばらでは、
そんなこと調べても意味がないですよと言われれば確かにそうかもしれません。
でもある種の傾向が見えるだろうって私には期待があるんですけれど。

そして、そもそも元の発言で私が意図していたのは、語彙が少ないから読めないと思う人に、
(タドキストにはあまりいないかもしれませんが、一般の英語学習者はこう思ってる人って多いはずです)
「語彙の問題は読めない原因ではない、むしろ他のことが問題なのだ」
ということをしっかりわかってもらえないかな、
そういうことがある種データ的、あるいは経験的なお話で出てこないかなと思ったからだったんですが、
何か誤解されているような気がするのは私の気のせい? 

矛盾したことを言っているのかもしれません。
まだ自分では気がついていないので、そうだったらごめんなさい。
でもこういう食い違いを何とか理解しようと努力するところで、
自分が新たな発見をするというのをすでに経験しているので、
むしろこれはいいことなんだと思います。
古川さんの発言に思わず反応して書いてしまったので、
ちょっと時間を置いた方がいいんだろうなと思いつつ、アップします。


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[♪] 10615. Re: ちょっと補足

お名前: 酒井@SSS
投稿日: 2004/3/8(01:25)

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KYOさん、(何度目かの)こんばんは!

〉結局はこの調査の値からどんなことを読みとるかということなんで
しょうね。
〉言葉の構造が違い、語の捉え方も違うのですから、機械的に数値を
捉えるようなことは確かに危険だと思います。ある種の傾向を読み取る
ことができるぐらいに考えるべきだと私も思います。

ぼくも同じような調査結果を「快読!」で引用しています。
ぼくが読みとったことは「だからやさしい英語で書かれた本を
たくさん読もう!」ということでした。

ロシアの研究所の人が日本語は個別的具体的な内容を持った単語
が多いと書いているという話は興味深く読みました。ぼくは
どちらかというと英語の方が個別的具体的に表現するように
思っていたので、とても参考になります。

語のレベルでは日本語の方が個別的具体的で、
違うレベルでは英語の方が個別的具体的なのかな?
よくわからん・・・


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