Re: 英語屋さん翻訳家の淘汰される日

[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/11/1(14:21)]

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10471. Re: 英語屋さん翻訳家の淘汰される日

お名前: ちんげん斎
投稿日: 2004/2/26(02:59)

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えーっと、たぶんここから、
第一線でがんばっておられる方にはとても厳しいことを書きます。

耐えられない人は読まないで下さい。
デリケートな人は読むなよ。
2回も書いたからな。文句云っても知らんぞ。知らんからな。

翻訳の話でしたよね。

機械操作のマニュアルや開発がらみのスクリプトの翻訳が使用に耐えないのは、わたしから見て主観的な事実です。

ひどい翻訳がはびこっています。
確かに英語を日本語に翻訳するのは、自分で理解するよりずっと高度なスキルが必要です。

でも、これらは文学的な書物と違って比較的簡単なというか明確な英文で書かれています。
専門的な分野では、英語はともかく中身については翻訳家より利用者の方がずっと詳しいのですから、ほんとはマニュアル程度ならユーザレベルで読めることが望ましいと思います。(そう、翻訳に頼らず自分で読めよ)

物事の進歩は、一世代前では想像もできなかったくらい急展開です。
翻訳されるのを待っていて許されるのは、少なくとも自然科学の分野ではあり得ないないでしょう。(だから翻訳される前に自分で読めよ)

ハリポタの翻訳版が、英語版に遅れて数ヶ月遅れて出版されるのが許されるなんてことは、コンピュータや遺伝子関係などホットな分野では信じられない悠長さです。

医療機器の話になりますが、日本以外の例えばアジアの国々では、
プロのツールとして欧米の製品を使用する人達は、
マニュアルは英語で書いてある当然で、
操作説明に外人がやってくるのは当たり前という世界です。
日本より遅れていると皆さんが思っている国々では、
実はこういったことが普通に行われています。
(日本では、日本人の中からそういう人を養成します。当然時間と費用が発生しますので、この負担は結局ユーザーさんが製品価格の中から支払うことになります)

インドでもパキスタンでも中国でも、プロ向けならば、わざわざその国の人向けにパンフレットや操作マニュアルや学術文献などを翻訳する必要などないのだ。(台湾のポールさんは政府に提出するために中国語のパンフレットが必要なんだと力説してました。日本でも必須なので、わしみたいな業者達がつくっているです)

英語の使用者としては、教育者側にせめて、
1.英語の使用マニュアルが苦労せず読めること。
2.海外からインターナショナルな講師が取扱説明にきても英語で説明を受けて理解できること。
程度の英語力を、できれば高校卒レベル、少なくとも大学卒レベルで身につけることを希望します。(少なくともマニュアルが読める程度の英語は教えてやれよ。現状では、それすらとても期待できんぞ。大丈夫かニッポン)

韓国やシンガポールやフィリピンやインドでは、世界最新鋭の装置を買ったとして母国語のマニュアルや操作説明などあり得ないです。

一般ユーザーレベルでそれくらいの力が有れば、機械の操作マニュアル程度の簡単な英文であれば、翻訳してもらうより、自分で読んだほうがストレートに理解できるので中途半端な翻訳家は自然と淘汰されるでしょう。

わしみたいに海外で開発された製品を、日本のユーザー向けに手厚くサポートして高く売って生活をしている人間も淘汰されるじゃろうけど、それも仕方なかろうて。

そういうベースがあってこそ、一語の読み違いで数億円の違いがでてくる契約書や法的解釈が必要なデリケートな文書とか出版翻訳に付いては、本当に努力をした翻訳家の方々が、それ相当の対価を受け取って正確に翻訳するという価値が生まれるのだと思います。(操作マニュアルの翻訳程度に、翻訳の難しさを知っていたとしてもわしなら1語20円も払えんわい。)

じつは普通の生徒をそういうレベルに導いてくれよというのが、わたくしちんげん斎から英語教育に関わっている人達への希望です。
そうしてこそ本当に努力している翻訳家の人達の値打ちも理解されると思うのです。

別の掲示板のお話になりますが、高専で多読をカリキュラムとして取り入れたというお話は、英語屋さんによる英語屋さんのための英語ではなく、自分でマニュアルや専門書が読む利用者の英語として、とても期待してしまうのです。
 


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10472. 翻訳者がいらなくなる日

お名前: KYO
投稿日: 2004/2/26(06:20)

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久子さん、杏樹さん、ちんげん斎さん

本当に高度な仕事以外ができる翻訳者以外の、「泡沫」翻訳者とでもいえばいいのか、
その人たちの淘汰はすでに進行中だと思います。
久子さんも書いてらっしゃいましたが、
翻訳支援ソフトに原文をかけて前編集と後編集をするような形での翻訳は広まっていて、
機械にかけられない難度の高い仕事しか発注されないようになってきています。

そして、私はごく少数の例外を除いて、翻訳者がいらなくなる日を夢見て、多読を人に勧めています。

よい翻訳をするには非常に高度な力が要りますが、そういう翻訳者が1人いるより、
多読が広まって自分で英文の内容が読みとれる人が100人いるほうがいいと私は思うんです。
だからちんげん斎さんの意見にはまったく賛成です。

英語教師の自分は、翻訳者の自分が失職することを願って、せっせと多読を勧めています。
自分は翻訳者としては泡沫翻訳者以外の何者でもありません。

そもそも、翻訳者の市場って、出版が千人、実務が1万人ぐらいなので、
淘汰が進んでもさほど大きな問題にはならないんではないかしら。
翻訳者の方々からは石投げられそう……。


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