[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/11/1(14:25)]
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お名前: 杏樹
投稿日: 2004/2/22(23:31)
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今日は京都でオフ会がありました。そこでこの問題について話題になりました。
勝手にまとめさせていただきますと…
TOEICは問題の使い回しがあるから、過去問対策である程度の点数は取れる、ということです。実際TOEIC対策教室では数日かけて過去問対策と暗記に重点を絞って「勉強」しているそうです。古川さんの「イメージ記憶」は冗談でしょうけれど、可能かどうかは別にして、過去問を全て記憶できるなら高得点を取ることができる、という理屈は成り立つわけです。(ま、これを真に受けて、イメージ記憶の訓練に励むなら、それはそれでこれからの人生に役には立つこともあるでしょう。記憶力が向上するとか、本が早く読めるとか)。
また、最近は韓国ではTOEICが必ずしも英語力を反映しないことがわかってきて、だんだん使われなくなってきているそうです。しかし日本ではますます盛ん。なぜかといえば、企業で採用や昇進などの判断基準に「便利」だからです。実際の英語力はともかく、一定の点数を決めて「それ以上」としていれば、人事サイドはラクができます。社員の能力を公平に査定するのは大変難しいことです。昇進やリストラを決定するのにどこまで公平な査定が出来るのか。となると、点数が出てくるTOEICは大変便利です。それに人事採用の時も最低点数を設定していれば、応募人数を制限して選びやすくなります。50人面接するより20人面接するほうが楽です。
また「ウチの社員は全員TOEIC700点以上です」と言えばそれが対外的にアピールする材料になります。
その結果、学校の「英文和訳」みたいなことはできるけど、実際に英文マニュアルを活用して機械を操作することができない、つまり現場で役に立たないTOEIC高得点者が増殖しているそうです。
TOEICを自分の英語力を判断するために活用するのは一向にかまいません。
しかし点数を上げることのみを目標にしてしまい、「英語の勉強」とは言えないTOEIC対策が横行するのは困ったことのようです。
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お名前: coomin
投稿日: 2004/2/23(01:21)
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杏樹さん
coominです
TOEICで900点以上あれば少なくとも「英文マニュアルを活用して機械を操作すること」くらいはできると思います。(イメージ記憶で得点した場合は別でしょうが)
要は、730点で海外赴任に十分対応できるとかいったレベル設定の低さに問題があるのでは。
700点では英語の初級レベルにも達していない、というのが実状でしょう。
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お名前: 杏樹
投稿日: 2004/2/23(22:37)
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coominさん、こんにちは。
〉TOEICで900点以上あれば少なくとも「英文マニュアルを活用して機械を操作すること」くらいはできると思います。(イメージ記憶で得点した場合は別でしょうが)
〉要は、730点で海外赴任に十分対応できるとかいったレベル設定の低さに問題があるのでは。
〉700点では英語の初級レベルにも達していない、というのが実状でしょう。
ではTOEICはレベル設定に問題があるということですか。結局TOEICは900点以上でも取らないと、英語ができることにはならない、と。
確かに900点取るとなると、単なるTOIEC対策だけでなく、英語力もベースにないと難しいかもしれませんね。
しかし、「900点以上」を設定してしまうと、対象人員が極端に少なくなってしまって、査定も採用もできなくなるんじゃないですか。
オフ会での話は私自身ではなく他の人が話していることだったんですが、現場で必要なのは「仕事の能力」であって、「高度な英語能力」ではない、ということが言いたかったと思うんです。それを無視して「TOEIC○○点以上」を条件にして人を集めるからおかしくなるんです。
ついでに、英文マニュアルの翻訳を頼むと、プロの翻訳家でも使えない訳をしてくるそうです。専門用語の使い方を知らないで訳すので、文章としては一見まともに見えるのですが、、アニュアルとしては役に立たない。だから英文マニュアルをそのまま読んで使える人が必要なんです。つまり総合的な英語能力よりも、専門的な知識と英文マニュアルをリンクさせられる能力が必要なんだと思います。
それに英語のほうが文章が単純明快で、説明文には向いているようです。日本語はあいまいな表現が多く、マニュアルには向かないようです。料理のレシピでも、日本語の料理の本を使っていた時はわかりにくいことが多くてうまくできなかったのに、英語のレシピを見て料理をするようになると、手順や分量など大変明快で、日本語よりずっとにわかりやすい、という人がいました。そしてその意見に思い切り賛同している人もいました。
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お名前: 古川@SSS http://www.seg.co.jp/
投稿日: 2004/2/23(22:45)
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"杏樹"さん こんにちは 古川です。横レスです。
〉ついでに、英文マニュアルの翻訳を頼むと、プロの翻訳家でも使えない訳をしてくるそうです。専門用語の使い方を知らないで訳すので、文章としては一見まともに見えるのですが、、アニュアルとしては役に立たない。だから英文マニュアルをそのまま読んで使える人が必要なんです。つまり総合的な英語能力よりも、専門的な知識と英文マニュアルをリンクさせられる能力が必要なんだと思います。
はい。その通りだと思います。
〉それに英語のほうが文章が単純明快で、説明文には向いているようです。
> 日本語はあいまいな表現が多く、マニュアルには向かないようです。
これはそんなことはないですよ。日本語でも十分に明確なマニュアルは
かけます。 英語でも、わかりにくいマニュアルもあります。
これは、言語の問題より、書いている人の方の問題だと思います。
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みなさん、こんにちは。
〉しかし、「900点以上」を設定してしまうと、対象人員が極端に少なくなってしまって、査定も採用もできなくなるんじゃないですか。
〉オフ会での話は私自身ではなく他の人が話していることだったんですが、現場で必要なのは「仕事の能力」であって、「高度な英語能力」ではない、ということが言いたかったと思うんです。それを無視して「TOEIC○○点以上」を条件にして人を集めるからおかしくなるんです。
TOEICで仕事をするために必要な英語力が正しく測れると考えている企業って
多いのでしょうか? 杏樹さんの前の発言にあるように、単純に人員を絞る
ためや、査定で差をつけるために使っているだけの会社が多いのではないかと
思います。
少なくとも私の勤務先はそうです。試験対策で頑張れば取れる程度の点数が
目標点になっていますから、上長も「頑張って試験勉強すれば取れる点数だから
頑張れ」とハッパをかけています。ですから会社全体で単純に社員を会社の
掲げた目標に向かって努力したかを確認するために使っているようなものです。
高度な英語力が必要な部門はほんの一部にすぎませんし、実際に海外赴任者を
選ぶときには、「仕事の能力」を重視するので英語能力はあまり問われません。
〉ついでに、英文マニュアルの翻訳を頼むと、プロの翻訳家でも使えない訳をしてくるそうです。専門用語の使い方を知らないで訳すので、文章としては一見まともに見えるのですが、、アニュアルとしては役に立たない。だから英文マニュアルをそのまま読んで使える人が必要なんです。つまり総合的な英語能力よりも、専門的な知識と英文マニュアルをリンクさせられる能力が必要なんだと思います。
マニュアルの作成にはテクニカルライティングという技術が必要です。勤務先の
マニュアル作成部ではそういった教育を実施しています。翻訳されたマニュアルが
使えない代物になってしまう理由はプロの翻訳家でテクニカルライティング技能を
持っている人が少ないためではないでしょうか?
〉それに英語のほうが文章が単純明快で、説明文には向いているようです。日本語はあいまいな表現が多く、マニュアルには向かないようです。料理のレシピでも、日本語の料理の本を使っていた時はわかりにくいことが多くてうまくできなかったのに、英語のレシピを見て料理をするようになると、手順や分量など大変明快で、日本語よりずっとにわかりやすい、という人がいました。そしてその意見に思い切り賛同している人もいました。
日本語も単純明快な記述ができない言語ではありませんし、英語でも曖昧な文章が
あります。これは、古川さんがおっしゃるように書き手の技量しだいだと思います。
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お名前: KYO
投稿日: 2004/2/25(12:31)
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杏樹さん、古川さん、久子さん
お三方の「プロの翻訳家でも使えない翻訳をしてくる」に関わる発言を読ませていただいて、
あー、一般の方々の翻訳者に対する認知度ってまだ低いんだなと思いました。
専門用語もちゃんとしていないマニュアルを納品するような人を、プロの翻訳家とは言いません。
あんまり翻訳料の切り下げが激しくて、きっとプロの人が誰も受けないような低賃金の仕事を
素人に毛の生えたような新米の方が訳されたんじゃないかと思います。
会社でそんな翻訳を納品してくるような翻訳エージェントがいるようでしたら、
すぐに他のエージェントをおさがしください。
プロの翻訳家といえる人は(私もその片隅に居たりするんですが、大概は私には及びもつかない力量をお持ちの方々です)
非常に高度な英語力(TOEICのスコアで計れるようなレベルではありません)
専門分野の高い最新の知識、すぐれた日本語力、調査能力が共存する、
とても卓越した方たちの集団です。
(最近教える仕事が減ったんで翻訳のお仕事を…と思って翻訳者のフォーラムをのぞいたら
あまりにもレベルの高いお話が展開していて、あらためて勉強しなきゃとても仕事はとれないと思いました)
でもこういうレベルの人たちはちゃんとそれに見合った料金を請求されるんですよね。
だから翻訳なんて縦のものを横にするだけでしょうみたいな考え方で低料金しか払われない仕事には
それに見合った人が翻訳するので使えないものが納品されます。
自分で読んでわかるということと、翻訳をするということにはす〜ごく差があるんです。
英語の神様といわれた同時通訳者の西山千さんがかつて「通訳者は普通の人の3倍の集中力で聞く」とおっしゃいましたが、
翻訳者だったら、読みの深さのレベルって、自分で読んで理解するレベルの何倍に当たるだろう。
翻訳を教えていて気づくのですが、
(私でも教えられるのは地方で他に人がいないからです。都会なら私なんて鼻にも引っ掛けられません)
翻訳だとこんな細かいことまで拘るの? えー、そこまで読みとるの!っていうのが
ごく普通に英語を読んできた人の反応です。
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お名前: 優香
投稿日: 2004/2/25(13:17)
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横から失礼します。優香です。
言い出しっぺなもんで、出てきました。
翻訳のレベルに関しては、納品物レベルならともかく(まあそれも問題なんですが)、一般に書店で売っている専門書レベルでも翻訳は使えないものが多いです。
わたしはしばらく前から、マシンがらみで日本の翻訳書は使っていません。
一応翻訳者として名前を出して、お金をもらっている以上、プロであると認識しているのですが、認識がおかしいでしょうか?
〉専門用語もちゃんとしていないマニュアルを納品するような人を、プロの翻訳家とは言いません。
ということは、出版社はアマチュアに翻訳をさせてその本を売っているわけですね。
そして購入する側にはそれがプロなのかアマなのか判断するすべがない、と。
〉自分で読んでわかるということと、翻訳をするということにはす〜ごく差があるんです。
それはわかります。
自分で理解していることと、人に教えることが異なるのと同じだと考えています。
ですが、少なくともマシン操作や開発がらみのマニュアルに、「行間の深読み」や「こだわり」はいりません。
事実をしっかり、間違いなく、正確に伝えてもらわないと役に立ちません。
教科書どおりの訳を優先して、意味がとおらない翻訳本などざらです。
文体を統一するあまり、日本語が回りくどすぎて意味が捕らえにくかったり、業界独特の言い回しを素直に訳しちゃって意味がとおらなかったり。
〉翻訳だとこんな細かいことまで拘るの? えー、そこまで読みとるの!っていうのが
〉ごく普通に英語を読んできた人の反応です。
翻訳だとこんなに使えないの?なんでこんな文章になるの!っていうのが、使えない翻訳本をあきらめて泣く泣く原文を読んでいる人間の反応です。
現職の方には失礼なことを書いて本当に申し訳ないですが、現場の正直な想いです。
それでもコンピューター関係はまだマシなほうです。
一部の機械関係は本当にひどいですから。
あ〜、これあとで削除するかも。。。
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〉言い出しっぺなもんで、出てきました。
関係ないけど出てきました。
〉〉自分で読んでわかるということと、翻訳をするということにはす〜ごく差があるんです。
これは全く同意します。
簡単なパンフレットなどは自分で翻訳することもあるのですが、意味を取ることより、意味の通る日本語にするほうで四苦八苦です。
しまいには、「これくらいの英文くらい訳さなくても読めよ。」と逆切れするくらいです。
〉〉翻訳だとこんな細かいことまで拘るの? えー、そこまで読みとるの!っていうのが
〉〉ごく普通に英語を読んできた人の反応です。
〉翻訳だとこんなに使えないの?なんでこんな文章になるの!っていうのが、使えない翻訳本をあきらめて泣く泣く原文を読んでいる人間の反応です。
〉現職の方には失礼なことを書いて本当に申し訳ないですが、現場の正直な想いです。
〉それでもコンピューター関係はまだマシなほうです。
〉一部の機械関係は本当にひどいですから。
わしも全くそうだと思う。
お客さんにはいえないが、海外製品の国内サポートをする人間の常識としては、マニュアルは翻訳を読んで意味が通らなければ原文(英文)を読め。というのが鉄則です。
じゃあ、なんで翻訳するのといえば、お客さんへのサービスと膨大なマニュアルの中でどこに必要なことが書いてあるのかを、英語の苦手な我々が探し出すために使ってます。
いまはなくなったのかも知れませんが、JICSTの検索サービスで、
学術文献の要約部分が翻訳されて掲載されていましたが、
まったくひどいもんでした。
結局、翻訳するほうがマニュアルの装置本体のことや、
専門書や学術論文の内容を理解できていないので、
中身のわからない人が、わかるように翻訳できるはずがないと思う。
文学ならいざ知らず、
そういう分野では、英語屋さんには無理だと思う。
わしより専門知識のある英語屋さんがいれば頼みたい。
〉あ〜、これあとで削除するかも。。。
Resつけちゃいました。もう削除できません。(*^_^*)
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お名前: KYO
投稿日: 2004/2/25(17:36)
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優香さん、ちんげん斉さん
それだけ低レベルの翻訳がはびこっているところが、翻訳業界のものすごい問題
だと思います。
優香さんが困ってらっしゃる翻訳書の場合は、出版翻訳ですね。出版翻訳だとやりたい人
がたくさんいて「無料でもいい、お金を出してでもやりたい」という分野もあります。
コンピュータの分野だとどうなんでしょう、そんなにひどいんですか?
アマもどきの人にやらせてさらにお金を節約してるんでしょうか。
ちゃんと仕事をする中堅の翻訳者でも、出版の分野では、3ヶ月で500枚の原稿を仕上げて
、印税30万に満たない仕事なんて普通です。
出版翻訳を目指す人の第1の条件:翻訳業で生計を立てる必要がない人ってぐらいですから。
ちんげん斎さんのほうは、これは実務翻訳の分野ですが、
そして個々のフリーランスの翻訳者ではこの問題はあまり解決できないんですね。
エージェントレベルの話になってきます。クライアントさんも災難ですが、
翻訳者側もちゃんと仕事をしてこのレベル!!みたいな低賃金にあえいでます。
すごい買い叩きをされて翻訳なんか、仕事にしてられるか、バカバカしいと、仕事を始めてもやめる人も多いです。
だって原稿用紙1枚訳して¥1000もらえない仕事なんかやってたら、一日に稼げる日銭が1万円〜1万5千円、
切れ目なく仕事がくるわけでないから、ぜいぜい20日稼動として20万から25万、
ボーナスとかないし、税金引かれて社会保険も全部自腹で、かなりの低所得者層になります。
社内で翻訳を処理している会社の場合は、その会社の責任になると思います。
そういうところで翻訳が何かもわからず無理やりさせられてる人がいるんですよね。
そういう方々はプロの翻訳家という範疇に入るのかどうか、その方たちの翻訳が一般に流布しているんですかね。
今は高いお金を払ってエージェントさん経由で外注することができなくなってるんです。
あ、もちろん、立派に仕事をこなされている方も多数存在すると思いますが。
ちゃんとした翻訳者とのコンタクトをお求めなら、とりあえず翻訳フォーラムをのぞいてみてください。http://www.fhonyaku.jp/bbs/
ただの英語屋さんは、社内翻訳では何とか通用する場合もあると思いますが、
フリーランスの翻訳者は、現場の方が驚かれるようなレベルの知識があって始めて
フリーになれるんですけど。たぶん、そういう方に頼めるクライアントさんが減ってるんでしょう。
少なくとも私が知っている翻訳者(たぶん一握りなんでしょうね)はすごい仕事を
ちゃんちゃんとやっている人ばかりなので、クライアントサイドの方々の不満を聞くと
どこでどう、そんなことになるんだと思います。う〜ん、謎です。
そして個々の翻訳者はすごく力の弱い存在なので、組合とかもないし、
自分の仕事をちゃんとする以外には、世にひどい翻訳がはびこっても
クライアントさんの不満を解消のしようがないんです。ごめんなさい。
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KYOさん こんばんは
一部にだけ反応です
〉コンピュータの分野だとどうなんでしょう、そんなにひどいんですか?
〉アマもどきの人にやらせてさらにお金を節約してるんでしょうか。
〉ちゃんと仕事をする中堅の翻訳者でも、出版の分野では、3ヶ月で500枚の原稿を仕上げて
〉、印税30万に満たない仕事なんて普通です。
コンピュータ業界では、500枚の翻訳に3ヶ月もかけられないと思います。
最新技術の翻訳の場合、出版されるころには最新ではなくなってしまいますし
速く出せば出すほど売れる可能性が高くなります。
最初に翻訳出版されてくる技術書では理解できない日本語に出くわくことがよく
ありました。このところ最新技術書をあまり読まないのと、原文のほうを読むこと
が多いので最近の傾向についてはちょっと疎くなっています。
とにかくスピードが命なので、まず翻訳ソフトを使って全体を訳し その後で意味が
通じなさそうなところを手直ししているのでは? と疑っています。
本当のところは知りませんが....
また、翻訳に対する対価がとても低いとは聞いていましたが、これほどとは知りません
でした。世間的に翻訳に対する評価/認識が低いのも問題ですね。
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KYOさん
勝手にレスしてすみません。人の話を聞いてカキコミした張本人です。またまた人の話でレスしちゃいます。
〉それだけ低レベルの翻訳がはびこっているところが、翻訳業界のものすごい問題
〉だと思います。
これはア○クの月刊誌でも問題だという記事を読んだことがあります。
〉優香さんが困ってらっしゃる翻訳書の場合は、出版翻訳ですね。出版翻訳だとやりたい人
〉がたくさんいて「無料でもいい、お金を出してでもやりたい」という分野もあります。
〉コンピュータの分野だとどうなんでしょう、そんなにひどいんですか?
優香さんは出版ではなくマシン操作や開発関係のマニュアルのことを言っています。
久子さんが「テクニカルライティング」のことを書いていますが、まさしくそれが問題なのではないでしょうか。単なる英文翻訳ではなく、マシン操作の実際やテクニカルライティングの技法を知らないと、正確な訳ができないのでは。プロの翻訳家はそれだけ大変な努力をしているのかもしれませんが、いくら英語力を磨いても、自分がよく知らない仕事に関する翻訳はできないでしょう?「テクニカルライティング翻訳」というジャンルが確立していないから、とりあえず英語の「翻訳」ができる人に頼むことになるからではないでしょうか。
〉アマもどきの人にやらせてさらにお金を節約してるんでしょうか。
〉ちゃんと仕事をする中堅の翻訳者でも、出版の分野では、3ヶ月で500枚の原稿を仕上げて
〉、印税30万に満たない仕事なんて普通です。
〉出版翻訳を目指す人の第1の条件:翻訳業で生計を立てる必要がない人ってぐらいですから。
卵が先か、鶏が先か、ということになってしまいますが、翻訳業界には「その程度」の仕事しか出来ない人も多いのではないでしょうか。酒井先生の「快読100万語!」の本にも訳文の例があります。なんとなく日本語の文章にはなってますが、原文と照らしあわせると、語順や解釈が微妙にズレてるんです。
外国の小説が苦手、という人の中には翻訳が苦手、という人がいます。翻訳の文章が読みにくいから。多読で原書を読めるようになって、外国の小説を読むようになった人とか。
結局クライアントも翻訳の仕事に対する評価ができないのが問題だと思います。翻訳された文章を見て、それがいい文章なのかそうでないか判断して、いい翻訳にはそれに見合った報酬を支払う、という意識が欠けていると思います。特に出版翻訳、文芸翻訳の場合、KYOさんの言う「行間を読み取る」ような深い洞察力や日本語表現力が必要なのに、「英語がわかればできるんでしょ」ぐらいの認識しかない人が多いのでしょう。学校教育で「英文和訳」中心の勉強をしてきたことで、「英文和訳」をするのが翻訳だと思ってる人が多いでしょう。翻訳がどういうことかよくわからないクライアントが悪いのか、レベルの低い翻訳者が悪いのか、やっぱり両方悪いのか。
とりあえず書き逃げ…
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お名前: ちんげん斎
投稿日: 2004/2/26(02:59)
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えーっと、たぶんここから、
第一線でがんばっておられる方にはとても厳しいことを書きます。
耐えられない人は読まないで下さい。
デリケートな人は読むなよ。
2回も書いたからな。文句云っても知らんぞ。知らんからな。
翻訳の話でしたよね。
機械操作のマニュアルや開発がらみのスクリプトの翻訳が使用に耐えないのは、わたしから見て主観的な事実です。
ひどい翻訳がはびこっています。
確かに英語を日本語に翻訳するのは、自分で理解するよりずっと高度なスキルが必要です。
でも、これらは文学的な書物と違って比較的簡単なというか明確な英文で書かれています。
専門的な分野では、英語はともかく中身については翻訳家より利用者の方がずっと詳しいのですから、ほんとはマニュアル程度ならユーザレベルで読めることが望ましいと思います。(そう、翻訳に頼らず自分で読めよ)
物事の進歩は、一世代前では想像もできなかったくらい急展開です。
翻訳されるのを待っていて許されるのは、少なくとも自然科学の分野ではあり得ないないでしょう。(だから翻訳される前に自分で読めよ)
ハリポタの翻訳版が、英語版に遅れて数ヶ月遅れて出版されるのが許されるなんてことは、コンピュータや遺伝子関係などホットな分野では信じられない悠長さです。
医療機器の話になりますが、日本以外の例えばアジアの国々では、
プロのツールとして欧米の製品を使用する人達は、
マニュアルは英語で書いてある当然で、
操作説明に外人がやってくるのは当たり前という世界です。
日本より遅れていると皆さんが思っている国々では、
実はこういったことが普通に行われています。
(日本では、日本人の中からそういう人を養成します。当然時間と費用が発生しますので、この負担は結局ユーザーさんが製品価格の中から支払うことになります)
インドでもパキスタンでも中国でも、プロ向けならば、わざわざその国の人向けにパンフレットや操作マニュアルや学術文献などを翻訳する必要などないのだ。(台湾のポールさんは政府に提出するために中国語のパンフレットが必要なんだと力説してました。日本でも必須なので、わしみたいな業者達がつくっているです)
英語の使用者としては、教育者側にせめて、
1.英語の使用マニュアルが苦労せず読めること。
2.海外からインターナショナルな講師が取扱説明にきても英語で説明を受けて理解できること。
程度の英語力を、できれば高校卒レベル、少なくとも大学卒レベルで身につけることを希望します。(少なくともマニュアルが読める程度の英語は教えてやれよ。現状では、それすらとても期待できんぞ。大丈夫かニッポン)
韓国やシンガポールやフィリピンやインドでは、世界最新鋭の装置を買ったとして母国語のマニュアルや操作説明などあり得ないです。
一般ユーザーレベルでそれくらいの力が有れば、機械の操作マニュアル程度の簡単な英文であれば、翻訳してもらうより、自分で読んだほうがストレートに理解できるので中途半端な翻訳家は自然と淘汰されるでしょう。
わしみたいに海外で開発された製品を、日本のユーザー向けに手厚くサポートして高く売って生活をしている人間も淘汰されるじゃろうけど、それも仕方なかろうて。
そういうベースがあってこそ、一語の読み違いで数億円の違いがでてくる契約書や法的解釈が必要なデリケートな文書とか出版翻訳に付いては、本当に努力をした翻訳家の方々が、それ相当の対価を受け取って正確に翻訳するという価値が生まれるのだと思います。(操作マニュアルの翻訳程度に、翻訳の難しさを知っていたとしてもわしなら1語20円も払えんわい。)
じつは普通の生徒をそういうレベルに導いてくれよというのが、わたくしちんげん斎から英語教育に関わっている人達への希望です。
そうしてこそ本当に努力している翻訳家の人達の値打ちも理解されると思うのです。
別の掲示板のお話になりますが、高専で多読をカリキュラムとして取り入れたというお話は、英語屋さんによる英語屋さんのための英語ではなく、自分でマニュアルや専門書が読む利用者の英語として、とても期待してしまうのです。
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久子さん、杏樹さん、ちんげん斎さん
本当に高度な仕事以外ができる翻訳者以外の、「泡沫」翻訳者とでもいえばいいのか、
その人たちの淘汰はすでに進行中だと思います。
久子さんも書いてらっしゃいましたが、
翻訳支援ソフトに原文をかけて前編集と後編集をするような形での翻訳は広まっていて、
機械にかけられない難度の高い仕事しか発注されないようになってきています。
そして、私はごく少数の例外を除いて、翻訳者がいらなくなる日を夢見て、多読を人に勧めています。
よい翻訳をするには非常に高度な力が要りますが、そういう翻訳者が1人いるより、
多読が広まって自分で英文の内容が読みとれる人が100人いるほうがいいと私は思うんです。
だからちんげん斎さんの意見にはまったく賛成です。
英語教師の自分は、翻訳者の自分が失職することを願って、せっせと多読を勧めています。
自分は翻訳者としては泡沫翻訳者以外の何者でもありません。
そもそも、翻訳者の市場って、出版が千人、実務が1万人ぐらいなので、
淘汰が進んでもさほど大きな問題にはならないんではないかしら。
翻訳者の方々からは石投げられそう……。