[掲示板: 〈過去ログ〉オフ会参加募集・報告 -- 最新メッセージID: 14793 // 時刻: 2024/11/2(15:18)]
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お名前: 酒井@イギリス滞在中
投稿日: 2003/5/13(07:04)
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STINGRAYさん、バナナさん、まりあさん、古川さん、
プリンターのことではいろいろありがとうございました。
重くて大きなプリンターをしょってきて、こんなに時間が
かかるとは思いませんでした。でもなんとかきょうやっと
プリンターが使えるようになり、すこし落ち着くと思います。
食事のパターンも決まってきたし、講義の準備も大変は大変だ
けれども、パターンができてきた。うまいコーヒー屋も
見つかったし、あとは出版社と著者に会うのが決まってくれば・・・
プリンターについてだけでも1回分の報告になるのですが、
これはまたいつかにしましょう。きょうは先週の木曜日に
打ちのめされた話・・・ やっと立ち直ってきて報告。
木曜日に Theory of Translation という授業を受け始めました。
先生は62、3かという白髪の品の良い知識を包容力を兼ね備えた
教授であります。
で、打ちのめされたのは知識の量がちがう!
個人的に頭の質がちがうとは思いたくないし、
日本人とイギリス人でちがうはずもないし、
やっとこじつけた知識量のちがいの原因は
英語を読む速さ、その結果として読んだ量のちがい、
ということでした。
日本人の学者の場合、(ぼくは自分を学者だとは思っていません)
たとえばマックス・ウェーバーの著書を何ヶ月かかけて、
独和辞典を引きながら読むのでしょう。そしておぼろげながら
マックス・ウェーバーの言いたいことを解釈して、
どう解釈したかを1本の論文に仕立て上げる。
まあ、戯画化していますが、基本的にそういうことを
何十年もやるのです。
ヨーロッパの学者は同じ本を数週間で読んで、
大事なところだけを自分の考えの肥やしにする。
そうやって何ヶ月かのうちには日本人の学者の3倍とか
5倍くらいの肥やしを仕入れる。
そして夏休みには別荘に行って、じっくり自分の考えをまとめて、
3年に半年、または6年に1年の休暇を使って本を書く。
その間には世界中の友人たちと意見交換をして、内容と文章を
磨いていく・・・
どうにも同じ土俵では相手になりませんね、少なくとも
人文社会科学の分野ではね。
くやしい。
翻訳についてだって、欧米の連中はキリスト教の聖書の
正統性を保ちたいから、すでにもう何百年も議論している。
そこに、ぼくみたいにたかだか数十年(?)わずかな翻訳を
して、そのあいだに考えたことがまとまっていないような人間が
入っていっても、ほとんどなにも言えない!
くやしい。
ぼくはもう年とっていているから、いまからヨーロッパの
学者に対抗するのは無理ですね。
でも、このままじゃいやだから、「快読!」にも書きましたが、
これからの若い人は大学にはいったら欧米の大学生と同じ本を
同じ理解度で読めるようになってほしい。そのために残りの
人生を使うことにしよう。
ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
あー、ショックで頭の中がばらばらみたいだ・・・
やっとこういう風に書けるところまで立ち直ったと思ったのに、
まだ気持ちが整理できてないんだろうなあ・・・
(「どうして?」に書いた大英博物館の衝撃をもっとちゃんと
受け止めていれば、もうちょっとマシだったはずだな・・・
考えてみればそれもがっかりだ・・・)
ふー、この話題、続きを書くかもしれませんね・・・
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617. Re: Down and out in Oxford
お名前: まりあ@SSS
投稿日: 2003/5/13(12:24)
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酒井先生、今日は。 まりあです。
〉重くて大きなプリンターをしょってきて、こんなに時間が
〉かかるとは思いませんでした。でもなんとかきょうやっと
〉プリンターが使えるようになり、すこし落ち着くと思います。
大変でしたね。インターネットを使うとつくづく
英語圏の有利さを感じます。私達はパソコンの能力の4割位を
日本語環境を作るために浪費しているように感じます。SEGの
夏休み特別クラスに、不用になった中古パソコンにでも英語版
Windowsをインストールして、インターネットからフリーソフトを
ダウンロードしたりして遊ぶなど、完全な英語環境でパソコンを
使う講習会が欲しいと投書したことが、SSSとのお付き合いの
始まりでした in reminiscence
〉食事のパターンも決まってきたし、講義の準備も大変は大変だ
〉けれども、パターンができてきた。うまいコーヒー屋も
〉見つかったし、あとは出版社と著者に会うのが決まってくれば・・・
ロンドンにスタバとかプレタマンジェとか、コーヒーショップ
ばっかりで!!でしたが、イギリス人にとって紅茶は日本人のお茶
みたいなもので、家でただで飲むものなんでしょうか?日本でも
緑茶を飲ませるお店は珍しいですからね。
〉ヨーロッパの学者は同じ本を数週間で読んで、
〉大事なところだけを自分の考えの肥やしにする。
〉そうやって何ヶ月かのうちには日本人の学者の3倍とか
〉5倍くらいの肥やしを仕入れる。
〉そして夏休みには別荘に行って、じっくり自分の考えをまとめて、
〉3年に半年、または6年に1年の休暇を使って本を書く。
〉その間には世界中の友人たちと意見交換をして、内容と文章を
〉磨いていく・・・
私は日本の学者と欧米の学者の重厚感の違いはこの休み方に
あるように感じます。CEOなどの経営のトップについても同じように
感じますから...日本人はのべつ幕なし働き過ぎで擦り切れている
んではないでしょうか?
sabbaticalというのはイギリスだけの制度ですか?
アメリカにもあるの?ビジネスパーソンでも働いてばかりだと
大局観がなくなると感じていますが、学者のように最高に深い思考を
要求される職業では、雑事から解放されてひたすら考えることに
沈潜する期間がないと、吸収した知識が醸成される暇がなく、
受け売りと大差なく感じられるものになってしまうのではないで
しょうか?
〉どうにも同じ土俵では相手になりませんね、少なくとも
〉人文社会科学の分野ではね。
〉くやしい。
人文社会科学がもともとヨーロッパの学問ですから、
仕方のない面もあるのでは?英米人の源氏物語研究家は日本人の
それに太刀打ちできる人いないのでは?
〉翻訳についてだって、欧米の連中はキリスト教の聖書の
〉正統性を保ちたいから、すでにもう何百年も議論している。
〉そこに、ぼくみたいにたかだか数十年(?)わずかな翻訳を
〉して、そのあいだに考えたことがまとまっていないような人間が
〉入っていっても、ほとんどなにも言えない!
〉くやしい。
日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉でも、このままじゃいやだから、「快読!」にも書きましたが、
〉これからの若い人は大学にはいったら欧米の大学生と同じ本を
〉同じ理解度で読めるようになってほしい。そのために残りの
〉人生を使うことにしよう。
日本には翻訳家が多すぎる!東南アジアはもとよりスウェーデン
ノルウェー辺りでも大学院レベルの勉強は母国語で出来ないと聞きます。
日本では、翻訳ばかり読んで英文学の修士論文が書けてしまうし、
最近は英語が学びやすくなって、英語が出来る人が増えるかと思ったら、
英米文学以下の英語使いがハーレクインロマンスとか娯楽小説まで
翻訳するようになってしまった(T_T;)
結局日本人にとって英語が出来る→翻訳家になる
という図式なんでしょうね。だから英語の授業は必ず和訳させる。
SSS式多読が、英語が出来る→英語で自分が学問する という流れを
つくる第一歩となりたいですね(^^*)
〉ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
アジアにはアジアの文明がある。それはヨーロッパ文明とは
異質なだけで、劣っているわけではないということを示せるように
なって欲しいと願っています。
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お名前: バナナ http://www.geocities.jp/mkawachi30s/
投稿日: 2003/5/13(18:20)
------------------------------
〉酒井先生、今日は。 まりあです。
こんにちは、バナナです。
〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
ちょっと気になったんで教えてください。
「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
どんな意味なんです?
ではでは
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お名前: まりあ@SSS
投稿日: 2003/5/14(01:23)
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バナナさん今晩は。まりあです。
〉〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉ちょっと気になったんで教えてください。
〉「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
〉どんな意味なんです?
まず、徹底的に正当性を検証されるのが学問の本質
じゃないかと思うんです、この前提が間違っていたらどーしよー...
それで、日本である本の翻訳が出たとして、みんなその本を
利用することが先で、翻訳そのものを徹底的に検証しないん
じゃないですか?まあ、シェイクスピアの翻訳などでは、
福田恒存訳があーだこーだなんて本もあるようですが...
あとは、とある本の翻訳者が「ここんところ苦労しました」
なんて内輪話をしたり、誰かが「ハリポタのあの部分は誤訳だ!」
と週刊誌などに書いたりでお終いでしょう?
ところがキリスト教者はしつこく翻訳されたものが
原本とパラレルかどうか検証するんだそうです。聖書とか
トマス・アクイナスの神学大全とかパスカルの瞑想録とかの
世界各国語の訳が正当性を保っているかどうか、一生かかって
研究した人がいくらもいるらしい。そしてその成果として、
翻訳とは何をすることか?どうすべきかという方法論も学問に
なっているらしいです。私がミッションスクールに通ったのは
中学までなので、教わったことも中学生レベルですみません。
留学して聖書学を勉強するTORAちゃんに将来もっときちんと
説明して貰えるのでは?
ではでは
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お名前: バナナ http://www.geocities.jp/mkawachi30s/
投稿日: 2003/5/14(08:49)
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〉バナナさん今晩は。まりあです。
おはようございます。
〉〉〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉〉〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉〉ちょっと気になったんで教えてください。
〉〉「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
〉〉どんな意味なんです?
〉 まず、徹底的に正当性を検証されるのが学問の本質
〉じゃないかと思うんです、この前提が間違っていたらどーしよー...
なるほど。ここ分かります。
〉それで、日本である本の翻訳が出たとして、みんなその本を
〉利用することが先で、翻訳そのものを徹底的に検証しないん
〉じゃないですか?まあ、シェイクスピアの翻訳などでは、
〉福田恒存訳があーだこーだなんて本もあるようですが...
〉あとは、とある本の翻訳者が「ここんところ苦労しました」
〉なんて内輪話をしたり、誰かが「ハリポタのあの部分は誤訳だ!」
〉と週刊誌などに書いたりでお終いでしょう?
ふむふむ
〉 ところがキリスト教者はしつこく翻訳されたものが
〉原本とパラレルかどうか検証するんだそうです。聖書とか
へー!
〉トマス・アクイナスの神学大全とかパスカルの瞑想録とかの
〉世界各国語の訳が正当性を保っているかどうか、一生かかって
〉研究した人がいくらもいるらしい。そしてその成果として、
神学だったらそうなんでしょうねー!
へんな訳=教義からはずれる ってことなんでしょうねー。
で、欧米の昔の学問って協会や神学と切り離せない部分が大きい
のでしょうから、そうなってるんでしょうか?
〉翻訳とは何をすることか?どうすべきかという方法論も学問に
〉なっているらしいです。私がミッションスクールに通ったのは
ぎゃぎゃ!そんな学問もあるんですか!
知らなかったなー!
びっくり!
日本と欧米の、この違いはなんなんですかね?
やっぱりキリスト教とかカソリックの教義とかそういうのが
あるのかないのかの違いなんですかね?あるいは常に他民族
を支配したりされたり、教化したりされたり、の繰返しが
そういう学問を発展させたんですかねー?
学問におけるキリスト教の果たした役割って大きかったのかなー?
こういう学問の歴史の話って面白いですね。
〉中学までなので、教わったことも中学生レベルですみません。
〉留学して聖書学を勉強するTORAちゃんに将来もっときちんと
〉説明して貰えるのでは?
〉ではでは
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まりあさんこんにちわ。ヨクサルです。
〉誰かが「ハリポタのあの部分は誤訳だ!」
〉と週刊誌などに書いたりでお終いでしょう?
私が見たのは月刊誌CAT2月号(4月号からMAGAZINE ALCに名前が変わりました。)の「ゴガク」のツボ(第23回:“翻訳的思考”で英文読みはワンランク
アップする!)のコーナーでハリポタの誤訳が指摘されていました。
ハリポタの誤訳の指摘を目的で書かれたのではなく、
「英文をちゃんと読めるようになるには、多読も精読も両方とも必要です。」
と文頭で説明されています。
「ある一定のレベルに達したら特に翻訳家を志すつもりはなくても“翻訳的思考”
はワンランク上のリーディング力につながる。」とも説明されています。
私の場合今のところ「多読」で作品を楽しみます。
〉留学して聖書学を勉強するTORAちゃんに将来もっときちんと
〉説明して貰えるのでは?
TORAさんのカナダの大学の専攻決まったそうですね。
「聖書学」なんか難しそうですが、欧米文学は「聖書」「ギリシャ神話」が基礎
になったいるのだそうです。研究し甲斐ありそうです。
TORAさんには頑張ってほしいです。
ではではm(__)m
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バナナさん、こんにちは。
〉〉 日本では翻訳は技術であって、学問にはなっていない
〉〉きらいがありますね。特に文学以外の翻訳では。
〉ちょっと気になったんで教えてください。
〉「翻訳が学問」っていうのイメージに合わないんですが..
〉どんな意味なんです?
翻訳と言うと、単に外国語を訳せばいいと思っている人が多いですが、本当は一種の特殊技能なんです。言葉の背後には独自の文化や考え方があり、それをうまく自国語に移し変えるのには相当の技術が必要です。多読をしていて、「これは日本語にはない表現だな」と思うことはありませんか?それをどんな風に日本語として表現するか、おそらく「日本では翻訳は技術」という発言にはそういった意味があると思います。
しかし、技術だけ習得して終わってしまってはいけない、というのが「学問」になるのではないでしょうか。翻訳をするための考え方や取り組み方、テキストの選び方や異なる言語の調整の仕方とか…。
私も具体的に「翻訳の学問」とは何か、を知っているわけではありません。しかし外国語を自然な自国語に移し変えるのはかなり難しいことですので、それが「学問」になるのは充分ありうることだと思います。
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620. Re: Down and out in Oxford
お名前: バナナ
投稿日: 2003/5/13(17:46)
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こんにちは、バナナです。
〉STINGRAYさん、バナナさん、まりあさん、古川さん、
〉プリンターのことではいろいろありがとうございました。
いえいえ、なんとかなってよかったです。
〉食事のパターンも決まってきたし、講義の準備も大変は大変だ
〉けれども、パターンができてきた。うまいコーヒー屋も
〉見つかったし、
おお!口に入れるものがおいしいお店が見つかるって
とっても大切ですもんね。
ちなみにそのコーヒー屋はWEBサイトを立ち上げてないんですかね?
もしあるんだったら、日本にいるみんなも、「おお!こんなコーヒーを
飲んでるのか!」とチェックできるんですが..(チェックしてどうするのか?
っていう疑問はありますがね..ただ、一部にサカイ・フリークなるものが
いないというわけでもないかもしれない..<ここは二重否定の疑問文なんですね
。こういうのが英文でこられたらわかんないなー。日本語でも分かんないもんね>)
〉プリンターについてだけでも1回分の報告になるのですが、
〉これはまたいつかにしましょう。きょうは先週の木曜日に
〉打ちのめされた話・・・ やっと立ち直ってきて報告。
ここで一曲挿入歌
木曜日に打ちのめされてー
金曜日にお部屋にこもりー
チュラチュラチュラチュラチュララー、チュラチュラチュラーラー
月曜日にコーヒー飲んで
火曜日に復活したよー
チュラチュラチュラチュラチュララー、チュラチュラチュラーラー
あんまり才能ないなー。替え歌ランキングに入るかしら?
〉木曜日に Theory of Translation という授業を受け始めました。
〉先生は62、3かという白髪の品の良い知識を包容力を兼ね備えた
〉教授であります。
おお!いわゆるひとつの Gentleman ですね
〉で、打ちのめされたのは知識の量がちがう!
〉個人的に頭の質がちがうとは思いたくないし、
〉日本人とイギリス人でちがうはずもないし、
〉やっとこじつけた知識量のちがいの原因は
〉英語を読む速さ、その結果として読んだ量のちがい、
〉ということでした。
おお!つまり、
数学記号の∝(比例する)を元に書くと
読む速さ∝読んだ量∝知識の量
ということですね。もっと詳細に書くと
知識の量=読んだ量×知識処理係数
読んだ量=英語を読む速さ×読みに費やした時間
という数式ですね。
その中で速さが問題と..なるほど
ただ、こう書くと、なんかちがうような気もします。
なんだろ、なんだろ????
〉日本人の学者の場合、(ぼくは自分を学者だとは思っていません)
〉たとえばマックス・ウェーバーの著書を何ヶ月かかけて、
〉独和辞典を引きながら読むのでしょう。そしておぼろげながら
〉マックス・ウェーバーの言いたいことを解釈して、
〉どう解釈したかを1本の論文に仕立て上げる。
〉まあ、戯画化していますが、基本的にそういうことを
〉何十年もやるのです。
そうですね。そんなイメージがあります。
話は変わります。最近ITって言葉がありますよね。
イットじゃないですよ。キングの本の名前でもないですよ。
Infomation Technologyですね。
でITはどんなインパクトがあるかっていうと、
一般的に言われてるのは、「知識の流通を変える」と。
たとえば、今専門家と言われている人たちですが、
なにがありがたいかというと、専門知識を持ってるという
点ですね。流通経路にたとえると問屋さんですね。知識を
卸して売ってくれていると。それの対価を頂いていると。
学者さん(とくに欧米の学問分野の学者さん)にもそんなイメージが
あります。欧米の先端を翻訳して、それを卸して商売しているという。
その構図の中で考えると、構造的に日本の学者さんは
欧米の学者さんに知識量ではかなわないんでしょうねー
さらに今後
・インターネットで距離がなくなり、
・(多分権威も薄くなる。パソコンごしだと、教授だろうが
なんだろうが、画面にあらわれる文章がすべて。
どのくらい偉いんだか、PCの前にいる人には分からない。)
・SSSの多読等で英語/外国語の障壁も低くなったら、
そういう「先生」の存在意義はどんどん小さくなっていくんでしょうねー
〉ヨーロッパの学者は同じ本を数週間で読んで、
〉大事なところだけを自分の考えの肥やしにする。
〉そうやって何ヶ月かのうちには日本人の学者の3倍とか
〉5倍くらいの肥やしを仕入れる。
そうですねー。言葉の基本的なイメージとか、それが語られるバックボーンとか
がわからないと、言葉や文章の意味を取り違えてしまいますもんねー。
そういうレベルでひっかかると、時間がかかりますよねー。
〉そして夏休みには別荘に行って、じっくり自分の考えをまとめて、
〉3年に半年、または6年に1年の休暇を使って本を書く。
〉その間には世界中の友人たちと意見交換をして、内容と文章を
〉磨いていく・・・
〉どうにも同じ土俵では相手になりませんね、少なくとも
〉人文社会科学の分野ではね。
〉くやしい。
〉翻訳についてだって、欧米の連中はキリスト教の聖書の
〉正統性を保ちたいから、すでにもう何百年も議論している。
〉そこに、ぼくみたいにたかだか数十年(?)わずかな翻訳を
〉して、そのあいだに考えたことがまとまっていないような人間が
〉入っていっても、ほとんどなにも言えない!
〉くやしい。
このへんは、TORAさんが将来仇を取ってくれるんじゃないですかね?
〉ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
大切なのひとつ忘れてますよ!
「先生やSSSの方の行動力/フットワークの軽さ」って
とっても大切なんじゃないでしょうか?
ここまで盛り上がってるのは、きっとそういうものの力が大きいんだと思います。
まあ、身近に先生を見ていらっしゃる息子さんなら分かってるんでしょうが...
#実は僕も「フットワーク」強化したいなといっつも思ってるんですね。
だからそういう意味でもSSSのサイトは勉強になります。
〉あー、ショックで頭の中がばらばらみたいだ・・・
〉やっとこういう風に書けるところまで立ち直ったと思ったのに、
〉まだ気持ちが整理できてないんだろうなあ・・・
〉(「どうして?」に書いた大英博物館の衝撃をもっとちゃんと
〉受け止めていれば、もうちょっとマシだったはずだな・・・
〉考えてみればそれもがっかりだ・・・)
〉ふー、この話題、続きを書くかもしれませんね・・・
とっても刺激的で面白かったです。
こういうのを隠さず書かれる、セ・ン・セ・イ・って ス・テ・キ!
ではでは
#話はどーんと変わりますが、先生はデジカメなんか持ってってないですか?
もってらっしゃったら、Timさんの写真とか、大学の写真とかそいうの
取って頂いて、メールとかいただけたらうれしーな!
SSSのみんなに見えるようなところにアップするような作業も厭いませんよ。
#将来、「酒井先生、イギリス道中」っていう本を書くときの材料にも
なるし...
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624. Re: Down and out in Oxford
お名前: ヨクサル
投稿日: 2003/5/13(19:42)
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酒井先生の貴重なお話有難う御座います。ヨクサルです。
イギリスに行ったこと無いわたしにとって先生のイギリス報告楽しみにしています。
プリンタ使えるようになってよかったですね。アメリカの大学では
論文はパソコンで作ったものじゃないと不可ときいています。
イギリスの大学もそうなんですか?
美味しいコーヒー屋見つけられたそうですね。イギリス=紅茶のイメージ
だったので・・・固定観念の強い私ですみませんm(__)m
私はコーヒーも紅茶も好きですm(__)m
>プリンターについてだけでも1回分の報告になるのですが、
これはまたいつかにしましょう。きょうは先週の木曜日に
打ちのめされた話・・・ やっと立ち直ってきて報告。
>木曜日に Theory of Translation という授業を受け始めました。
先生は62、3かという白髪の品の良い知識を包容力を兼ね備えた
教授であります。
>で、打ちのめされたのは知識の量がちがう!
個人的に頭の質がちがうとは思いたくないし、
日本人とイギリス人でちがうはずもないし、
やっとこじつけた知識量のちがいの原因は
英語を読む速さ、その結果として読んだ量のちがい、
ということでした。
翻訳の講義教えられた教授はもしかしたら「速読術」マスターされているの
かもしれませんね。それか飛ばし読みが上手とか・・・(^^ゞ
さすがイギリスの大学!!教授のレベル高そうですね。
>ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
日本人は自国のこと知らなさ過ぎだと思います。
アメリカに語学留学した時、日本の事聞かれて答えられなくて恥ずかしい
思いをしました。英語力が無くて答えられなかっただけではなく、
日本の歴史・文化も勉強しないといけないと痛感しました。
乏しい英語力でも日本の歴史・文化の知識があればそれなりに説明できたかも
しれません。
講義の準備・論文作成・出版社の方とか作家の方にお会いするのにお忙しい
と思いますが、お体に気をつけてくださいね。m(__)m
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628. Re: Down and out in Oxford
お名前: samats
投稿日: 2003/5/14(00:34)
------------------------------
酒井先生、こんにちは。samatsです。
いつも貴重なお話をありがとうございます。
今回の先生の投稿はとても興味深かったです。
〉>ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
私は今息子に国語と算数と英語をしっかりやろうね、と
言い聞かせて子育てしています。
数学は論理的思考の原点、英語はたくさんの情報を獲得する手段、
国語は母語としての基本からです。
酒井先生の言葉と似ていてちょっとうれしかったです。
それとヨクサルさんの
〉日本人は自国のこと知らなさ過ぎだと思います。
〉アメリカに語学留学した時、日本の事聞かれて答えられなくて恥ずかしい
〉思いをしました。英語力が無くて答えられなかっただけではなく、
〉日本の歴史・文化も勉強しないといけないと痛感しました。
〉乏しい英語力でも日本の歴史・文化の知識があればそれなりに説明できたかも
〉しれません。
は大賛成です。私もそう思います。
子供が社会科で日本のことを勉強するときは他国の人に
日本のことを理解してもらうためにも知っておこうね、
と話そうと思いました。
自分が子供の頃、そんな発想なく単なる暗記科目でいやでいやで
仕方ありませんでした。学習の目的がきちんとあれば
勉強って楽しいと思います。
最後になりましたが、酒井先生、お体には気をつけて
イギリス生活エンジョイしてくださいね!
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630. Re: Down and out in Oxford
お名前: バナナ http://www.geocities.jp/mkawachi30s/
投稿日: 2003/5/14(08:29)
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〉酒井先生、こんにちは。samatsです。
こんにちは、バナナです
〉子供が社会科で日本のことを勉強するときは他国の人に
〉日本のことを理解してもらうためにも知っておこうね、
〉と話そうと思いました。
〉自分が子供の頃、そんな発想なく単なる暗記科目でいやでいやで
〉仕方ありませんでした。学習の目的がきちんとあれば
〉勉強って楽しいと思います。
なるほどー。そうですね。
僕も子供にはそう伝えとこう。
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632. Re: Down and out in Oxford
お名前: ヨクサル
投稿日: 2003/5/14(10:58)
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〉酒井先生、こんにちは。samatsです。
samatsさんこんにちわ。ヨクサルです。
〉私は今息子に国語と算数と英語をしっかりやろうね、と
〉言い聞かせて子育てしています。
〉数学は論理的思考の原点、英語はたくさんの情報を獲得する手段、
〉国語は母語としての基本からです。
〉酒井先生の言葉と似ていてちょっとうれしかったです。
〉子供が社会科で日本のことを勉強するときは他国の人に
〉日本のことを理解してもらうためにも知っておこうね、
〉と話そうと思いました。
〉自分が子供の頃、そんな発想なく単なる暗記科目でいやでいやで
〉仕方ありませんでした。学習の目的がきちんとあれば
〉勉強って楽しいと思います。
わたしも賛成です。日本の歴史・文化の知識、英語上達も大事ですが
一番大事な事は日本語をしっかり勉強する事だと思います。
酒井先生が日本の古典・中国の古典もしっかり学んだほうがいいと
おっしゃっていたのも賛成ですし、古典だけでなくジャンル関係なく
新聞とかどんなジャンルでもいいからたくさんの本を読んで
日本語にふれることは今後いろんな事を学ぶ上の基礎なんだなと
つくづく思いました。samatsさんの息子さんは小学生でしょうか?
もしそうでしたら遊びたい盛りだから、なんで勉強しなくちゃいけない
のか今理解していなくても、ご両親が楽しんで多読法されている姿をみ
ていたら、息子さんはきっと理解してくれると思います。
子供は大人が一生懸命仕事したり勉強している姿ってかっこよく見えますもの。
親子一緒に多読法も楽しいでしょうね。
と、まあ偉そうな事書きましたが今は多読法が楽しいので日本語の本読むのを
サボっています(^^ゞ映画の原作を日本語に翻訳した本はよく読んでいましたが
原書で読めるようになりたいので今のところは英語中心の勉強させてくださいm(__)m
日本語でも英語でもHAPPY READING!!!
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625. Re: Down and out in Oxford
お名前: マリコ@SSS http://www.seg.co.jp/sss
投稿日: 2003/5/13(20:59)
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酒井先生、まだお元気そうですね。ってこれは牛乳を飲む前の話か・・・
〉木曜日に Theory of Translation という授業を受け始めました。
〉先生は62、3かという白髪の品の良い知識を包容力を兼ね備えた
〉教授であります。
〉で、打ちのめされたのは知識の量がちがう!
〉個人的に頭の質がちがうとは思いたくないし、
〉日本人とイギリス人でちがうはずもないし、
〉やっとこじつけた知識量のちがいの原因は
〉英語を読む速さ、その結果として読んだ量のちがい、
〉ということでした。
この話を聞いて、研究をするためには、英語ができないとスタート地点にたてない。
その英語ができるようになるために、わたしたちは相当な時間を使っているのです。
アメリカでいっしょに研究していたロシア人が、話し合いの中で
「あなたたちはラッキー言っていました。
〉ヨーロッパの学者は同じ本を数週間で読んで、
〉大事なところだけを自分の考えの肥やしにする。
〉そうやって何ヶ月かのうちには日本人の学者の3倍とか
〉5倍くらいの肥やしを仕入れる。
〉そして夏休みには別荘に行って、じっくり自分の考えをまとめて、
〉3年に半年、または6年に1年の休暇を使って本を書く。
〉その間には世界中の友人たちと意見交換をして、内容と文章を
〉磨いていく・・・
〉どうにも同じ土俵では相手になりませんね、少なくとも
〉人文社会科学の分野ではね。
〉くやしい。
酒井先生がこういうふうにまじめに感情をだすことって珍しいですね。
先生のくやしい気持ちが伝わってくるようです。
留学した日本人はおそらくだれもが感じることじゃないかと思います。
〉ぼくはもう年とっていているから、いまからヨーロッパの
〉学者に対抗するのは無理ですね。
若い人を育てることにエネルギーを注ぎましょう。
〉でも、このままじゃいやだから、「快読!」にも書きましたが、
〉これからの若い人は大学にはいったら欧米の大学生と同じ本を
〉同じ理解度で読めるようになってほしい。そのために残りの
〉人生を使うことにしよう。
そうそう。
〉ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
そうとうショックだったみたいですね。
むすこさんに仇をとってもらいましょう。
〉あー、ショックで頭の中がばらばらみたいだ・・・
〉やっとこういう風に書けるところまで立ち直ったと思ったのに、
〉まだ気持ちが整理できてないんだろうなあ・・・
〉(「どうして?」に書いた大英博物館の衝撃をもっとちゃんと
〉受け止めていれば、もうちょっとマシだったはずだな・・・
〉考えてみればそれもがっかりだ・・・)
いくらでも愚痴をおっしゃってください。
しゃべっているうちに、考えがまとまってくるでしょう。
気持ちも整理できてくるものです。
〉ふー、この話題、続きを書くかもしれませんね・・・
どうぞ。どうぞ。
お待ちしています。
ところで、牛乳は飲むときににおいはしなかったんですか?
今から水分をしっかりとって、脱水にならないようにしてくださいネ。
クスリ持ってます?
ビフィズス菌の入った整腸剤などあれば、先にのんでおいてください。
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637. Re: Down and out in Oxford
お名前: 杏樹
投稿日: 2003/5/15(00:58)
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ショックを受けている酒井先生にどう言えばいいのかと思いますが…。
〉で、打ちのめされたのは知識の量がちがう!
〉個人的に頭の質がちがうとは思いたくないし、
〉日本人とイギリス人でちがうはずもないし、
〉やっとこじつけた知識量のちがいの原因は
〉英語を読む速さ、その結果として読んだ量のちがい、
〉ということでした。
酒井先生のおっしゃることはわかります。確かにそういう部分もあるでしょう。おそらく日本の受験勉強的な勉強を大学に持ち込み、学者になってもそのまま来ている人もいるでしょう。
でもそこまで悲観することはないと思うのです。
ショックが大きいのは、酒井先生が英語の先生だからかもしれません。だって、イギリス人は生まれた時から英語に囲まれ英語を使って生活しているんですから、イギリスへ行けば読書量や知識量が違うのは当たり前ですよね。「そんな問題ではない」と言われるかもしれませんが、私の専門分野に照らし合わせるとまた違った見方ができます。
英語の先生は英語そのものが研究対象ですが、私の専門である歴史では、外国語は「手段」です。先日の迎撃オフ会に行く前に会っていたのは、古代ペルシア史が専門の先生でした。私が多読法で英語を読む練習をしている話をすると、その先生は英語は不自由なく読めるということでした。また、発掘でよくイランへ行きますし、専門分野でもありますのでペルシア語もできます。一応東洋史の範疇なので中国語も少しできます。つまり研究を進めるために外国語の文献を読む必要があるから読むわけで、外国語そのものを研究するわけではありません。
また、大学の時の西洋史の先生も英語の文献を読むのは「当たり前」だということでした。しかし歴史の文献は読めるけど、文学作品は読めないといっていました。目的に特化した外国語の使い方をしているわけです。
ですから、歴史の場合ですが、外国語の文献を読むのは必要な情報を得るためなので、辞書を駆使してあーだ、こーだ、何ヶ月もかかって解釈しているとは限らないのです。歴史の論文では参考文献のところに外国語の文献がたくさん載っています。私はそれを見ると、英語が読めないからとても専門の研究者にはなれないなあと思います。
東洋史ですと漢文史料も読まなくてはなりませんし、歴史学者はものすごい量の文献を読んでいますよ。歴史は文献を読む学問です。特に東洋史では日本人は漢文研究の歴史が長く、研究の蓄積がありますので西洋人より絶対有利です。
〉翻訳についてだって、欧米の連中はキリスト教の聖書の
〉正統性を保ちたいから、すでにもう何百年も議論している。
〉そこに、ぼくみたいにたかだか数十年(?)わずかな翻訳を
〉して、そのあいだに考えたことがまとまっていないような人間が
〉入っていっても、ほとんどなにも言えない!
〉くやしい。
やっぱりそれは「英語」だからでしょう。漢文の解釈なら日本人は千数百年もの蓄積がありますよ。「翻訳」ではなく「読み下し」という方法ですが、意味をわかって読んできたんです。
〉でも、このままじゃいやだから、「快読!」にも書きましたが、
〉これからの若い人は大学にはいったら欧米の大学生と同じ本を
〉同じ理解度で読めるようになってほしい。そのために残りの
〉人生を使うことにしよう。
これは賛成。
原書をどんどん読める学生が増えるべきでしょう。
私は学生時代は自分は英語が読めるようにはならないと思っていました。さっきの西洋史の先生の授業で英語の文献を読まされましたが、ぜんぜんわかりませんでした。自分の専門は東洋史だから別に英語が読めなくてもいいや、と思いきや、そうはいきませんでした。カロシュティー文書の解読と翻訳が英語で行われていたのです。私は英語のほうを読むのはあきらめて、日本の学者がそれを読んで書いた本を読んで済ませました。多読でPBが読めるようになったら歴史の文献も読めるかな?本当はドイツ語の「古代クチャ」が読みたかったけど、ドイツ語はとても、とても…。でも、今ではもう古い文献ですし、最近は中国での研究も進んでいるし、中国語の最新研究が読めたらいいか、という気持ちになっています。
〉ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
古典は大切です。漢文が受験科目からはずされ、授業をしない高校もできてるそうですが、東洋史専攻の私としては嘆かわしいことこの上ありません。
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640. Re: Down and out in Oxford
お名前: 古川@SSS
投稿日: 2003/5/15(12:14)
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ショックを受けている酒井先生にどう言えばいいのかと思いますが…。
〉〉で、打ちのめされたのは知識の量がちがう!
〉〉個人的に頭の質がちがうとは思いたくないし、
〉〉日本人とイギリス人でちがうはずもないし、
〉〉やっとこじつけた知識量のちがいの原因は
〉〉英語を読む速さ、その結果として読んだ量のちがい、
〉〉ということでした。
数学なんかだと、日本人の研究者と欧米の研究者で
知識量が違う というようなことは全く無いです。
〉〉翻訳についてだって、欧米の連中はキリスト教の聖書の
〉〉正統性を保ちたいから、すでにもう何百年も議論している。
〉〉そこに、ぼくみたいにたかだか数十年(?)わずかな翻訳を
〉〉して、そのあいだに考えたことがまとまっていないような人間が
〉〉入っていっても、ほとんどなにも言えない!
〉〉くやしい。
〉やっぱりそれは「英語」だからでしょう。漢文の解釈なら日本人は千数百年もの蓄積がありますよ。「翻訳」ではなく「読み下し」という方法ですが、意味をわかって読んできたんです。
はい。杏樹さんのいうとおりだと思います。
翻訳の一般論はともかく、英語を日本語にきちんと翻訳できる英米人は
ほんの一握りでしょう。であるからこそ、酒井先生がオックスフォードに
呼ばれたのだと思います。
〉〉ぼくは息子に、英語と、日本の古典と、中国の古典をやっときなさい。
〉〉それであと「書くこと」がちゃんとできれば欧米に負けないからと
〉〉言ってるんです。(勝ち負けなんて、いつも言ったことないのに・・・)
〉〉ちょっとこだわりすぎかなあ・・・
まず、日本語できちんと書けることが必要ですね。
日本の教育では、「日本語で議論すること」
「日本語で書くこと」が、そもそも軽視されてますからね。
〉古典は大切です。漢文が受験科目からはずされ、
> 授業をしない高校もできてるそうですが、
> 東洋史専攻の私としては嘆かわしいことこの上ありません。
古典は大切ですが、授業や試験で強制することにどれだけ
意味があるかは疑問です。
理系の人にも魅力的な 漢文の授業や
文系の人にも魅力的な 数学の授業が
高校でなされるべく、教師は努力すべきだと思うけど、
実際にそうでないことが多い以上、
文系の人に「つならない数学」を強要したり
理系の人に「つまらない漢文」を強要したからといって
教養が身に付くとは思えません。
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お名前: ぷぷ http://www.hpmix.com/home/pupu/
投稿日: 2003/5/15(10:21)
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酒井先生、みなさま、こんにちは。
大学が教育学部で、そこでドイツで発生したフリースクールに興味を持ったので、
当時少しドイツの一般の教育制度を調べました。
そこで驚いたのが、ドイツではたとえば公立小学校で、マラソンも縄跳びも
水泳もしない!!
すご〜〜くびっくりしませんか??
ドイツで普通に大人になったひとには、縄跳びしたことがないひと、たくさん
いるんですよ。マラソンしたことがないひとも。泳げないひとも。
ドイツでは小学校といえど、学校は勉強をするところなのです。
そして高学年でもお昼に家に帰ってきて、それからスポーツをしたい子どもは
地区のスポーツクラブにいくのです。少しだけ球技の授業があることはあります。
でも体育の授業数が圧倒的に日本にくらべて少ないです。
あと生活指導も学校はしません。教師は一歩学校からでた生徒がタバコを吸って
いても、注意する「権利」を持ちません。「義務」ではなく「権利」を
持たないのです。
ついでに言うと、性教育も学校ではしません。
そーいうことは家庭の仕事なのです。性教育に関しては、ホームドクターの
ところに思春期前の子どもを連れていって、説明してもらったりする
そうです。もちろん親も一緒に話をします。そーいうことを子どもに教える
責任の第一は、親にあるので。
例えばその代わり、文系の大学に行こうと思えば、大学入学時点で
つまり高校卒業の時点で、すでに3カ国語くらいできて当たり前です。
たとえば、英語、フランス語、ラテン語、ロシア語あたりの、新聞が
読めて、会話もできて、ある程度の自分の意見をまとめた文章が書けて
当たり前なのです。そうでないと、大学に入学できないのです。
学校はなにをするところなのか、という前提が全然違います。
勉強とはなにかとか、学問とはなにかとか。
ああ、ひさしぶりにこの問題を考えていたら、熱くなってしまいました(^^:
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641. Re: Down and out in Oxford
お名前: GENKO(TSU)
投稿日: 2003/5/15(13:27)
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酒井先生、こんにちは
たいへん興味深いお話をありがとうございます。
とっても考えさせられました。
ちょっと話がそれるかもしれませんが、最近考えている事と重複する部分もあり
ちょっと、書かせてください。
イラク戦争がありました。僕の中では何が何でも戦争反対ですが、
それは何故、きっと日本人気質?、それともそんな教育を受けたから?
小泉さんは戦争賛成を表明しました。僕は子供に説明できませんでした。
僕は戦争を肯定する教育を受けていないし、子供も同じだと思います。
僕の受けてきた教育っていったい何だったのかと思いました。
やはり知識のための教育、使うための教育っていうより、他人より
少しでも差別化するためのものであって、本当に現実世界で使えるもの?
化石みたいな知識ばかり詰め込んで、本当に使える知識を持ち得ない
日本の高学歴社会って、まるで、英語を中学校、高校の6年間の教育を
受けてもPBも読めないって現実と重なってしまいます。
大学の授業を日本語の教科書で受けれるのは日本の文化レベルが高い
ともいえる。でも、日本語化したとたんに別のものになる可能性もある。
化石化して長期にわたって古い知識が使われ続ける可能性もある。
生きた知識を扱うためには、生きた言語を使わなければだめって事
なんでしょうね。
僕のとりあえずできることって、子供の多読とシャドーイングさせること
です。
がんばれ、日本!
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656. Re: Down and out in Oxford
お名前: 酒井@イギリス滞在中
投稿日: 2003/5/18(03:57)
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みなさん、ほんとにありがとう!
こんなにたくさん、返信してくださって、感激です。
(このところ感激関係がおおいなあ・・・)
杏樹さんの東洋史の話、
ぷぷさんたちのドイツの学校の話
・・・
お礼ついでに、ぼくの夢をちょっとばかり・・・
多読で世界の人がいろいろな言葉を使えるようになること
そして、多読とおなじように「一人一人」が自分の好奇心で
数学でも理科でも社会でも、なんでも獲得していけるようになること
この二つですね、当面。
ありがとうございました。
ちゅらちゅらちゅらちゅらちゅらちゅら・・・・の応援歌にも
かかわらずまだすっかり回復してはいませんが、
みなさんと一緒に楽しくやっていけば、
夢にちかづけるかもしれないと思います。
どのくらいこの掲示板のみなさんに感謝しているか、
それはまだまだ先にならないとわかっていただけないかも
しれませんが、そのうちきっと、わかっていただけると思います。
ありがとー!