[掲示板: 〈過去ログ〉音のこと何でも -- 最新メッセージID: 3373 // 時刻: 2024/11/18(12:16)]
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ちんげん斎さんがトマティスについてクールに受け止めてくださってホッとしました。あれを読んだ人が誤解しちゃったら、私はまたミスリードをやってしまったことになると青くなってたんです。
効果があまり感じられない例も書いておきます。わが娘にも実はトマティスをやらせたんですが、彼女の場合は英語に関しては本人はあんまり自覚なし(若い子の場合は耳が変っても自覚がない場合が多いらしい)、ただ日本語を話す時、とてもよく通るいい声がだせるようになりました。普段話してるときは低めのトーンであまり変らないんですが、高校入試の面接練習を家でもちょっとやったとき「いいお声」を使ってみせてくれて、面接官役の私は普段とはあまりの違いに度肝をぬかれてしばらく固まってました。彼女の場合はリラクゼーションとかそういう方面の改善が目的だったので(英語はオマケ)それはそれでいいと思ってます。
私がトレーニングをしたのは1年半ぐらい前で、1年ぐらいは事後トレーニングで朗読をしてきたんですが、ここ半年ぐらいはサボってるので、耳が落ちてる(日本語のほうが低い周波数帯なのでどうしても下に引っぱられるんです)と思います。優先的に使われる周波数帯は気候に左右されるもので、日本に長くいる英語ネイティブの英語は日本の気候に影響されて落ちて、日本人にわかりやすくなるそうです。
実は今は日本人の比較的流暢な人の発音が聞きづらいです。リズムやイントネーションは英語になってるんですが、子音の息が弱すぎてちゃんと聞こえないんです。TOEICのテスト問題を日本語の講師が解説しているCD-ROMを見本として見た時、問題文を読んだネイティブの英語はすんなり聞こえたのに、日本人講師の人の英語(日本人としては相当うまいと思うんですが)同じ英文がよく聞こえなくて、へんだなあと思いました。カタカナ英語の英語発音は、もう日本語の耳で聞きますので、かえって聞けます。でも「あー、どうしてこんなにもろ日本語の音なんだろー」と思いながら聞いてるのも事実かな。
こんなふうな効果があったので、日本人は英語に関しては難聴で英語を習得しようとしているようなもんだと思うようになりました。(しかも日英の音韻システムはものすごくかけ離れているので、かなりひどい難聴)音がちゃんと聞こえない言葉を習い覚える?うへ、こりゃ大変に決まってる。本来なら、まず英語を聞き取れる耳を作る→英語回路を作る→たくさんのinputというのが理想的な道筋だろうに、まず最初がめちゃめちゃ困難ならどうしたらいいのか? トマティスとかを英語耳を作る方法を英語をやる人全員にやらせるなんて今のところ現実的ではないし、ちゃんと英語の発音を変るところまで教えられる人ってごくわずかみたいだし。あー、最初で破綻してる、ものすごくハードルが高いと頭を抱えたんです。
でもSSS多読を知って、文字を読むことから始める、初めのうちは音から入らないなんて何だか邪道と思ってたんですが、英語を聞き取れる耳を作ることが困難なら、その部分をまずスキップしてしまえばいいんじゃないか。訳読法のせいで英語回路ができない人が多いんなら、最初は多読でとにかく始めてしまって楽しんで読む中で作ればいいじゃないか。さらに大部慣れてきた後でシャドーイングで英語の音を入れる。
おお、これは逆転の発想だ!と思うようになりました。英語を聞き取れる耳を作る→英語回路を作る→たくさんのinputの形を逆にいくんです。そうすると実際の困難がすごく軽減されて、英語ができるようになる可能性がものすごく高くなります。だから声を大にして言いたい。
SSS多読ってコロンブスの卵です。すごい。とにかくすごい。
これまで誰もこんな発想をしなかった。酒井先生は大天才です。
ミスリードになりそうなトマティスの話をわざわざ丁寧に書いたのは、ここを言いたかったからなんです。これまでのやり方をクルンと変えてしまうことで、いろんな人が英語が習得できる可能性をすっっごく広げたんですよ、SSS多読は。私は自分で言うのも何ですが、いろんな英語のやり方を自分の身をもって体験してきて、SSSの可能性が他の人以上に実感できるんじゃないかと思ってます。だから今、SSS多読で英語をやっている人ってホントにラッキーなんですよ!
あ、でも量が解決しない問題もあるんじゃないかっていうのは残りますよね。今のところは、個音の発音がどれくらい英語らしくなるかは結局は耳のよさみたいのに帰結するんじゃないかと思ったりはするんですが(細かな音の違いまで聞き取れる耳の人はやはり有利かと)。SSS多読ではそこまで追求しなくてもいいんじゃないか、たくさん聞いたりシャドーイングしたりして改善する部分がたくさんあるんだから、それでOKである、どうしてもそれ以上になりたい人はまた別の手段で追求する手もあると思ってます。あと、発音のしかたのコツみたいなのを別発言でアップするのでそれを読んでみてください。たぶんああいう点を意識化して練習すればかなりよくなるんじゃないかなあ。
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