[掲示板: 〈過去ログ〉本のこと何でも -- 最新メッセージID: 3237 // 時刻: 2024/12/25(16:06)]
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wkempffさんが110万語報告で読んだという「Rebecca」。
ずーっと昔に日本語で読み、ヒッチコックの映画も見て、ミュージカルも見ていたので喜んでレスをつけたら、ぜひ読んでくださいとおすすめされました。
…なので、読んでしまいました。
もう、読めるかどうか大丈夫か、とかいう心配はしませんでしたね。まさか「レベッカ」を原書で読むとは思いませんでしたが、いきなりおすすめされていきなり読む、なんてことをやってしまいました。
最初の方は読みにくかったです。まずヒロインの夢から始まって、現実と夢の境がよくわかりません。忘れているところが多いとはいえ、内容は知ってますので、これはラストの出来事の後の時点だということはわかっているんですが。そうでないともっと何のことかわからなかったかもしれません。
そうしていつのまにかモンテ・カルロの回想に入っていて、そこも混乱しそうになりました。
でもそこからは時間軸に従って記述が進んでいくので、だんだん読みやすくなって行きました。
このヒロイン、想像力が豊かでどんどん想像が広がっていったりするのですが、おそらく一人称なので自分が見たことしか書けない分、想像ということにして記述を補っているのかもしれません。また、妙に描写が微に入り細にわたっていてしんどいところもありました。
でも最後の方になると謎解きが始まって、いったい真実はいかに!?と興味を引かれてどんどん読んでいきました。
ラストはいきなり終わってしまってビックリするんですが、ここからもう一度最初の2章を読むと見事につながるんですね。
結局それほど難しいと思わないで読んでしまいました。
wkempffさんが難解な言葉として挙げていたDresden shepherdessという言葉が出てきたときに「これか」と思いました。確かにこれは意味不明だなと思いました。それで、検索してみたらいくつか磁器人形が出てきました。
中国から渡ってきた磁器は長らくヨーロッパ人の憧れでした。試行錯誤の末に、マイセン磁器が誕生します。マイセンは今も磁器の高級ブランドです。マイセンはドレスデンにあります。なので、これはマイセン磁器のことだと思っていいのかもしれません。マイセン磁器ではフィギュアもたくさん作られています。マイセン磁器の羊飼い娘のフィギュア、ということなのでしょう。おそらく貴族の屋敷ではそういったものがよく飾られているので、「ああいう恰好をしたらどう?」みたいな感じで言われたのかと思います。
それで、原書を読んでわかったのですが、ヒロインはお金持ちの夫人のcompanionだったのです。これは、ヒストリカル・ロマンスでよく見たことがありますが、落ちぶれた貴族の娘が生活していく手段として、他の貴族の夫人の話し相手やお出かけのお供を務めるのです。それで、はたと気が付いたのですが、ヒロインは両親を亡くしたためMrs.Van Hopperのcompanionをしていますが、maidではないんですね。つまり階級としては使用人ではないのです。なので、Maximとは「身分違い」というほど落差があるわけではないのではないかと。ただ年齢差があること、Manderleyのように有名な貴族のお屋敷の女主人を務めるには若すぎる、経験不足だというだけで。
真実が明らかになるにつれて、あんなに自信なさげにしていた、Rebeccaの影におびえていたヒロインはしっかりとしていきます。それはやはりもともと使用人階級ではなかった、そこそこの身分のある出身だったからかもしれません。なにしろイギリスですから、階級の違いははっきりしていますからね。
それで、「Rebecca」がこれだけスムーズに読めたので、ふと思いついたことが。
一応イギリスの貴族の世界で、そうした世界特有の言葉も出て来るし、それでヒストリカル・ロマンスのことを思い出したんです。ひょっとして、前に飛ばしまくって、やっとの思いで読んでいたヒストリカル・ロマンスも今ならもっと楽に読めるかも?
その時に買い込んで、結局積んだままになっている本がいくつかあるので引っ張り出してみました。
で、結局いつまでも英語の本を読んでいます。
Land of Storiesをいきなり読み始めたら、いもづる式で積んであったファンタジーをずるずる読んでいき、落ち着いたのでフランス語に戻ったのですが、Land of Storiesの最終巻が出たのでそちらに走り、そして「Rebecca」に引っかかり…。
フランス語も中国語も進みません。英語の語数ばかり稼いでいます。
♪計画通り~う~ま~く~運ぶわけはない~
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