ヒストリカル ロマンス 初心者の方へ

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788. ヒストリカル ロマンス 初心者の方へ

お名前: 久子
投稿日: 2006/10/7(12:49)

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ここの掲示板でよいかどうかわかりませんし
多読的に 用語集とか 用語解説は 邪道かな とも思いますが、
独特の用語を覚えるまで、冊数を重ねるのは 大変だと思います。

最近、ヒストリカル ロマンスに興味を持つ人が多いようなので
初心者向けに あまり他では見かけなさそうな用語をまとめて見ました。

注意!!
面倒なので、辞書で確認などしてません。
私がこれまで 本を読んで このように理解した という内容ですから
間違っている、少々ずれているかもしれませんので 悪しからず。 (~_~;)
この程度の、理解でも楽しめるという参考程度でお願いします。

気に入った作家が、19世紀初頭のイングランドを舞台に書く人が多いので
その他の時代のことは分かりません。

spinster
和製英語のオールドミスにあたりますが、「上流階級の適齢期を過ぎた未婚女性」を指します。
二十歳過ぎあたりからでしょうか?

17,8歳で社交界にデビュー(家柄、資産が釣り合った結婚相手を見つけるため)して、
20歳くらいまでに結婚が決まらないと、まあ 「行き遅れ」ってことになります。

あとは、田舎に住んでいるてロンドンに来る資金力もなく、近所に同程度の家が少ない、
独身男性が居ないなんてなると、こうなってしまいがち。
親から莫大な資産を受け継いだので、結婚しなくても生活していける女性は、変な男に
引っかかるくらいなら と独身を選ぶこともあり
(あくまで、ロマンス小説ではですよ。実際のところは知りません。)

で、ちょっとしたことで、spinster となってしまったヒロインが素敵な人に出会って
というのが定番の設定です。

chaperon
これ、もともとはフランス語なのか チャペロン ではなく シャペロン と発音するようです。

社交界に未婚の女性が出るときの付き添う既婚女性のこと。
普通は母親やしかるべき親族の女性が付き添います。行儀作法の監督や、悪い男に
引っかからないような監視役といったところでしょうか。

まあ、いきなり都会に出てきた17,8歳の女の子が一人で居るのは今でも危ないといえば、
危ないですけど... 男と二人で居るだけで ふしだらな女の子 の烙印を押されて
誰も相手にしてもらえなくなってしまうらしいので、お目付け役は必須ですね。
そうなってしまうと、相手の男が独身なら結婚すれば世間は黙りますが、既婚者だと
どうにもならないので、それこそ spinster になるしかないということに。

男の方も、札束が服着ていると思っているので 必死なので注意するには越したことが
ないでしょう。ロマンス小説では、変な男にどこかに連れ込まれそうになったときに
助けてもらったのが知り合うきっかけとか、二人で居るところを見つかって結婚する
ハメに という展開が結構あります。

Governess
良家の子女,主に女の子のための住み込み家庭教師のようなものです。

Companion
良家の女性相手の有給の話し相手。
本を朗読したり、ちょっとした頼まれごとをやったりします。

courtesan
有名人? としては 椿姫のビオレッタがこれだったはず。
頻繁には出てきませんが、適当な訳語がないように思います。

他に、whore,harlot も似た意味ですが、使い分けているようなので、
ニュアンスが異なるのでしょう。

大きな意味では、夜の女性ってことです。
ロマンスでは、たまに不幸な身の上からこうなってしまったヒロインが出てきます。
ビオレッタと違ってHappy end が救いですが、よくよく考えると この先 二人は
幸せに暮らせるのか、世間にやられてしまうのでは? と思うケースもあり

Mistress
男性からみた 愛人 のこと お手当てや待遇についてきちんと契約をするもののようです。
小さい家(といってもそれなりの)、その家を維持する為に必要なだけの使用人、
自由に使える専用の馬車、服にアクセサリーなどを男性側が用意します。男性の
経済力によって、内容は異なってくるのと思います。

どんな人がなるか っていうと 女優や歌手 Working Class (労働者階級ってのかな?)
または、没落した貴族や上流階級の人 のようです。

これに対して、Lover というのが 今ひとつ良く分かっていないです。19世紀イングランドの
上流社会では、女性が恋人の男性を指している というところまでかな。
例えば、公爵夫人が俳優とお付き合いしている場合、この俳優は公爵夫人のLover と呼ばれますが、
Mistress のように契約を結んでいるのかどうかまでは不明。

chaperon、Governess、Companion は、良家の女性が 生活に困って働かなければならないときに
それほど対面が崩れない範囲のお仕事です。

courtesan、Mistress というのは、対面はボロボロですが、上の3つの仕事は紹介状や推薦状が
ないとなれない(もちろん人柄、評判、教養がなけいとダメ)ため、天涯孤独で推薦状を書いて
くれるような人がいない、前の雇い主がイジワルで 紹介状なしで解雇 した なんてなってしまうと
あとは、maid になるか この手の職業になってしまいます。

valet

上流社会の男性の身の回りの世話をする男性のことらしい。
仕事内容
・服の着脱の手伝い
・ブーツの脱ぎはきの手伝い
・髭剃り、整髪
・風呂の準備
・その他、細々した主人の用事

いかに主人を流行にのったカッコの良い姿にするかが腕の見せ所のようです。
常に主人の身近にいるので何でも知っていて、友達ではないけれど 良く理解してくれる人、
信頼できる人 といったか描かれ方をしていことが多いです。

あんなにピッタリした服や,ブーツを身につけるの大変だなと思っていたのですが、
着付けの人がいるんですねー。

besot & smite
どちらも過去分詞が良く出てきます。
意味は似てていて、ちょっと古い言い方だと「くびったけ」、くだけた言い方だと
「メロメロ」 まあ、普通にいうと「夢中」とか「恋焦がれる」とかかな。

besotted
smitten

besotted は、自分がそうであるときに、自分のこととしてつかうけど、smitten を
自分を主語にして使ったのは 見た記憶がないです。単に物覚えが悪いからかもしれませんが....

beau
ヒストリカル特有かどうかは知りませんが、適当な日本語が見つからない言葉です。
もちろん辞書には載ってますから訳語もありますが、なんというか今ひとつしっくり来ません。

本から受ける印象では、ある女性が憎からず思っている男性のこと
今のところ良く知っている人またはお友達止まりなので、はっきり決めていないけれど
ゆくゆくは結婚してもいいなぁ って思っている感じ。
もう少し違った意味で使われている場合もありますが、私が読んだ本だとこの意味で
使われていることが多かったです。

類語辞典によると
boyfriend,sweetheart,lover,fiance,dandy,fop,suitor など並んでます。
suitor もヒストリカルには良く出てきます。うーん、でも使い分けているので
意味合いが少々異なると思います。どちらかというと男性の方がその女性のことを好きな
印象が強いです。

betroth

正式に婚約を発表することのようです。
19世紀イングランドの上流社会では、結婚は家と家の結びつき 双方の一族の繁栄を求めるものです。
愛だの恋だのとは無縁で通常はきちんと手順を踏んでとなります。

これを省いて、さっさと結婚するには Special License が必要。
Canterbury大司教による結婚特別許可証です。

家族の反対があると Special License を手に入れることも難しいです。そんな二人のためにも
方法はあります Scotland とイングランドの国境近くの Gretna Green まで行けば、
イングランドの法律に縛られること無く結婚できます。
駆け落ちの地ですね。比ゆ的に、駆け落ち の意味でも使われます。

ロマンス本では、普通にいくことは少ないので、Special License を手に入れる とか、
これから Gretna Green へ行く とかが頻繁にあります。 このあたり、翻訳本を読んでいない人は、
いったい何のことやら分かりにくいと思います。

Wall Flower
19世紀イングランドの上流階級では、女性は生活力のある夫を捕まえるのが至上命題です。

絶対的な条件は、悪い評判がないこと、そして結婚の条件として有利なのは、この3つらしい。
・とっても美人
・実家がとても資産家(でも、商売で稼いだ金だといまいち)
・由緒ある家柄

男性側も、自分に欠けているものを持っている女性を選らぶというのが基本。
基本的に優先されるのは 「お金」かな。
当然、壁の花 どれかが致命的に欠けていると 舞踏会でだれもダンスに誘わないので こうなります。

もっと あったと思うのですが.... 私的には、最近 普通の語彙に見えつつあるので (笑
大体このあたりを知っていると、読むのがぐっと楽になるかな? と思います。


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