ロマンスPB読書に疲れたあなたに

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1146. ロマンスPB読書に疲れたあなたに

お名前: パピイ
投稿日: 2008/6/10(20:15)

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ロマンスPBファンのみなさん、こんにちは。
パピイです。

■最初に
この投稿は、普段ロマンスPBを楽しんでいらっしゃる方が、
読み疲れなどを感じられた時に、お勧めする本などの紹介です。

紹介するものは、ロマンスファンなら楽しめると私が感じた本などで、
やさしいロマンス本を紹介するものとは限らないことを、最初にお断りしておきます。

今回は、絵本1冊、GR8冊、映画1本を紹介します。

■絵本
◇ Ella's Big Chance / Shirley Hughes 語数:2,760 ISBN:0099433095
1920年代米国を舞台にした、シンデレラ物語のロマンスです。

♪お勧め理由
絵本の会で紹介を受け、エンディングを聞いてビックリ!
大人が満足できるロマンス絵本なんかないだろうと思っていましたが、
この絵本で考えを改めました。

■GR
◇ Cold Comfort Farm / Stella Gibbons OBW6 語数:31,135
Flora Poste 19歳は、両親を病気で亡くし、友人のMrs. Mary Smilingの世話を受けていましたが、
親戚を頼って、Sussex地方のCold Comfort Farmにやってきます。そこのStarkadder一家は、
癖のある人物ばかりで、暗い雰囲気でした。彼女は陽気で、手際よく、十分な教育も受けており、
一家の改造計画を企てます。

♪お勧め理由
Garwoodの中世スコットランドを舞台にしたロマンスが思い起こされるような展開で、
ホームコメディのようにハッピーエンドですから、ロマンスファンなら楽しめますよ。
会話で多くの方言が出てきますので、ヒストリカルロマンスを読むのにも役に立つことでしょう。
(巻末のSUSSEX DIALECTの頁を先に一読していくと、楽に読めますのでご安心を)

◇ Lorna Doone / R.D. Blackmore PGR4 語数:17,000
1673年大農場主の長男John Riddの父はDoone一家に殺され、12歳にして一家の長となります。
2年後森の奥で、少女Lornaと出会いますが、彼女はDoone一族の女の子でした。
7年後美しく成長した彼女と再び出会い、恋に落ちますが、二人の運命は??

♪お勧め理由
チャールズII世の王位継承問題で不穏な歴史的背景のなかで繰り広げられるロマンス。
衝撃の事実と、激動のエンディングなど、読者を飽きさせません。
PGRの他に、MGR2 9,300語、OBW4 17,024語もあります。

◇ The Horse Whisperer / Nicholas Evans PGR3 語数:20,000
冬山で、13歳の少女Graceは、乗馬中突然の事故に遭い、親友と片足を失います。
彼女の愛馬Pilgrimも重傷を負い凶暴な暴れ馬になってしまいます。
母親でNYの雑誌編集長Annieは、娘と愛馬の心の傷を癒す方法を探るうち、
Horse Whispererと呼ばれるモンタナ州に住むTom Bookerの存在を知ります。
そして断れながらも、長い旅の末、彼のもとに娘と馬を連れて押し掛けるのでした。

♪お勧め理由
心と体に傷を負った少女と馬、仕事に疲れた母親の3者それぞれが再生していくところは感動的です。
またAnnieとBookerの恋は、不倫と言えばそれまでですが、しっとりと描かれています。

◇ Jeeves and Friends / P. G. Wodehouse OBW5 語数:21,535
最初の3編は、1920年代の英国、ちょっと頭の回転が遅く、やたら派手な服を好むBertieは、
valetとしてJeevesを雇います。彼はご主人様の窮地を機転を利かして解決していきます。

後の3編は、穏やかな生活がしたいEarl of Emsworthと、腕は一流だが気難しい庭師のMcAllister、
そして口やかましいConstanceが巻き起こすコメディです。

♪お勧め理由
シニカルな英国的ユーモア満載で楽しめます。
GRとは言え、一般のタドキストの方には、ちょっと回りくどい表現が多いと感じられるでしょうが、
ヒストリカルロマンスを楽しめる方なら苦にならないでしょう。

◇ Northanger Abbey / Jane Austen MMR2 語数:6,900
1802年、Catherine Morlandは、温泉保養地Bathに行き、友人のAllen夫妻の家に滞在します。
そこでHenry Tilneyに出会い恋に落ちます。またThorpe兄妹と親しくなり、妹のIsabellaは、
Catherinの兄Jamesに恋をして・・・

♪お勧め理由
YL1.6程度ですから、PBをお読みのあなたには、少し物足りなくお感じになるでしょうが、
当時のBathの社交場が詳しく描写されており、ヒストリカル・ロマンスで、このあたりの記述が
出てきたときに、ああ、あれねと容易に理解ができますよ。

私は、この本を読む前に、Mary BaloghのSlightly Scandalousを読み終えており、
この中にBathの描写がいろいろ出てきていましたので、なおさらそう感じました。

◇ The Woman in White / Wilkie Collins OBW6 YL5.5 語数:31,883
1849年7月、絵画教師のWalter Hartrightは、深夜にロンドン郊外の母親の家から帰る途中、
白衣の女に呼び止められ、ロンドンへの道を聞かれます。彼女は、彼が職を得てこれから
行くところに詳しいし、准男爵を恐れているようです。彼女が立ち去った後、馬車がやってきて
彼女が精神病院からの脱走者であることを知り驚きます。
この出会いがMarian、Laura姉妹、Sir Percival、イタリア人Count Foscoを巻き込んだ
サスペンス、ロマンス、ミステリーに発展します。

♪お勧め理由
1860年に出版されベストセラーになった作品ですから、リージェンシーのヒーロー、ヒロインが晩年に
楽しんだのかもと想像しながら読むのもロマンス読者ならではの楽しみ方でしょうね。

◇ The African Queen / C. S. Forester OBW4 語数:15,000
Rose Sayerは、敬愛する宣教師の兄と、アフリカ中央のドイツ領で約10年布教活動をしていました。
1914年第一次世界大戦が始まり、ドイツ軍の進撃により、兄は志半ばで亡くなります。
彼女は、兄の最期の言葉で復讐を決意しますが、女性一人ではなすすべもありません。
そこに川を往来する小さな蒸気船「The African Queen」の船長Charlie Allnuttが現れます。
彼女は彼を説得して…。

♪お勧め理由
以前「海の男/ホーンブロワーシリーズ」などの海洋冒険小説で有名なC・S・フォレスターの作品なので、
アクションを期待して読んだら、ちょっとがっかりした経験がありました。

でも今回、ロマンスファンの目で再読すると、ロマンスとしても十分面白いことがわかりました。
もちろん、ロマンス作家が書いたものではありませんから、純粋にロマンス本として読むと、
いろいろケチをつけたくなるところもあることは、お断りしておきます(笑)

またこの作品は、キャサリン・ヘプバーンとハンフリー・ボガート主演で映画(1951年)になっており、
書店で500円DVDとして販売されていましたので、購入して楽しみました。
(こちらの方が、GRよりロマンスっぽいです♪)

◇ The Mistress of Spices / Chitra Banerjee Divakaruni MMR6 語数:21,500
南国生まれのヒロインは、幼少の頃から特殊な能力があり、盗人を見つけたり、
洪水の危機を知らせたりすることができました。能力を聞きつけた海賊が、
彼女を誘拐しますが、特殊能力を使って海賊たちを牛耳って首領になります。
そのうち、神秘のIsland of Spicesの噂を聞き、出かけて行くところから、
人生が大きく変わります。その島で香辛料を使った魔術を習得した後、
米国西海岸を舞台に新しい生活が始まります。

♪お勧め理由
神秘的な香辛料魔術(魔法ではありません)が、ファンタジックで物語を華やかにしています。
ヒロインの心の内に芽生えた恋心がどうなるのか、ロマンス読者なら十分楽しめますよ。

■映画
◇ ジェイン・オースティンの読書会   原題「The Jane Austen Book Club」
「オースティンは、人生の最高の解毒剤」が持論で、離婚歴6回の中年女性バーナデットは
愛犬を失った友人ジョスリンを励まそうと、読書会を企画します。
恋に踏み込めない独身主義のジョスリン、離婚を言い渡されたシルヴィア、
夫との価値観の違いに悩むプルーディーなど、会のメンバーたちは複雑な悩みを抱えています。
そこにSFファンで、ロマンス初心者の男性グリッグも加わり…

♪お勧め理由
ジェイン・オースティンの小説になぞらえて読書会で、さまざまな文学的意見が取り交されます。
回を重ねるにつれ、だんだんと皆の本音が出てきて、小説の登場人物の誰かが自分と重なり、
本について語っているのか、自分の悩みを語っているのか…。

おもわず原作を読んでみたくなります。英語の原文はちょっとつらそうなので、
GRならばということで、婉曲的な本の紹介です(笑)

映画として一言。機械に振り回される現代生活を映し出す、オープニング映像が良かったです。

注) オースティンのタイトルの翻訳は、いろいろな題名になっていることがあります。
 先に紹介した、Northanger Abbeyは、邦訳のキネマ旬報社版では「ノーサンガー・アベイ」、
 映画の字幕では「ノーサンガー僧院」となっています。

お詫び) 関東地区での上映は、今月始めに終わったようです。
 この投稿を読んで、見たいと思われたみなさん申し訳ありません。

■最後に
以前500万語報告のスレッドで、『さっき思いつたのですが、「ロマンス読書に疲れたあなたに」と
題した投稿ネタを考えました』と書きました。そのレスで、期待していますとのお言葉をいただき、
第一段をまとめてみました。

私の読み疲れ度にもよりますが(苦笑)、第二段もあるかも知れません。
では、みなさんHappy Reading!


▼返答


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