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お名前: パピイ
投稿日: 2008/5/6(19:39)
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みなさま、こんにちは。パピイです。
前回報告から3ケ月も過ぎましたね。(理由は後述)
その報告と読んだ本の紹介をさせていただきます。
■ 最初に
今回の報告は、PB 10冊で総語数は1,002,615語、累計で6,031,942語になりました。
今回も今までと同じく、本の紹介をするにあたり、ヒーローとヒロインの関係がだいたいわかる最初の章のところに
のみこだわって紹介し、後は全体の感想を述べるだけにして、できるだけネタバレをしないようにと考えています。
一冊ずつ読むたびに原稿を書いていますので、投稿文全体の長さを考えていません。その結果
A4換算で11頁と、かなり長文になってしまったことを先にお詫びしておきます。
また前回の報告と同じように Amazon.comのレビュー数と、邦題(翻訳本があれば)を付け加えてあります。
■ 本の紹介 (読んだ順に紹介しています)
◇ Ravished / Amanda Quick 語数:100,000 ISBN:0553293168
(49 customer reviews)
それは悪夢から生み出されたような光景だった。St. Justin子爵、Gideon Westbrookは、その部屋の入口に立ち
あちこちに散らばる骨や、不気味な骸骨、歯や骨などが埋まった石の塊を眺めます。部屋の中央には、机に
向い石に埋もれた骨のスケッチに夢中になっている若い女性がいます。結婚指輪をしていないところを見ると、
今は亡きPomeroy牧師の娘のようです。
彼は父から受け継いだこの領地Upper Biddletonに、あまり関心がありませんでした。部屋に入り、彼女に
挨拶します。彼女は、St. Justin子爵と聞いてほっとします。彼女は彼に手紙を書いて、呼び寄せたのでした。
彼女、Harriet Pomeroyは、お気に入りの化石採掘場である洞穴を、泥棒達が盗品の隠し場所に使っている
ことに気付いたというのです。どうして自分の執事や治安判事にそのことを話さないかとの問いに、彼らは
当てにならないと答えます。さらに深夜、彼女ひとりで浜辺に出て泥棒たちを見張っていると聞いて、彼は
驚き、彼女に手をかけながら、そのような危険な行為はやめるように言います。
その時、悲鳴がドアのところから聞こえます。ハウスキーパーのMrs. Stoneでした。彼女は、ふるえる手で
喉を押さえながら「The Beast of Blackthorne Hall、あなたですね。とうとう帰って来たのですね。なんて
ことを!無垢な女性に手をかけて。Miss Harriet早く逃げなさい。」と言い、こちらを向いたGideonを見て、
気を失います。彼は、Harrietに「だから、わたしが、ここに近づかない理由がわかったろう。」と言います。
以上が、第一章でした。「野獣」という異名を持つ、いわくありげなヒーローと、当時の女性としては
エキセントリックなヒロインのロマンスはどう発展していくのでしょうか。Amanda Quickの作品ですから
ミステリーの部分もあるのでしょうね。
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「美女と野獣」的ストーリーで、Quickらしいミステリー(称賛ではありません)もあり、楽しめました。
Quickの作品は、状況がわかったら後はわりとスラスラ読めるのもいいですね。
ただ化石コレクターという、当時としては少々エキセントリックなヒロインの設定に驚きましたが、
周囲の人たちが「野獣」と称して恐れを抱き、彼の話を聞かない中で、ただひとり最初から彼を信じて
疑わなかったところに、少し違和感がありました。最初は恐れを抱きながらも、だんだんとヒーローに
惹かれて行って…、くらいの方が自然で、よかったと思うのですが。
AARの読者人気投票2007年Top100の中で、Quick作品はこの作品だけですので、人気があるのでしょうが
私にとっては以前読んだMistress、Seductionと比べて、特にという印象は受けませんでした。
◇ By Arrangement / Madeline Hunter 語数:108,000 ISBN:0553582224
(49 customer reviews)
エドワード3世治世(注:在位1327年 - 1377年)のイングランド。Christianaは、騎士Thomas Hollandを伴って、
深夜の街を行きます。「こんな時間に会おうとする商人はあなたの愛人ではないことを信じていますよ、王の
機嫌を損ねたくありませんからね」という彼に、こんな時間にしか彼は自宅にいないのだからと答えます。
彼女は後見人である王から婚約を申し渡されても、結婚適齢期の18歳を過ぎており驚きはしませんでしたが、
相手が心を寄せる騎士Stephan Percyどころか、騎士でも領主でもなく、会ったこともない絹織物商人
David de Abyndonと知り、由緒ある家系の娘のわたしになぜと驚きました。
お目付け役のLady Idoniaによると、相手の商人は老人らしいのです。これは、彼女の両親が亡くなった後、
娘Isabele、いとこのJoanらと一緒にお城に住まわせ、長年面倒を見てきた王の彼女への罰でした。
それというのは、彼女とStephanがベッドで一緒にいるところをIdoniaに見つかってしまったからでした。
Christiana Fitzwarynは、Davidを訪ねてびっくりします。話に聞いていた老人でなく、若くてハンサムな
男性だったからです。彼女は、彼の方から婚約解消を申し出てくれるよう頼むために来たと話し始めます。
彼女の話を聞いた後、彼の方から婚約解消を切り出す理由はないと答える彼に、彼女は他に愛する人がいる
からと付け加えますが、それでも彼は、こんな時世だからと気にもかけません。
彼女は王なり、司教なりに婚約解消を申し出る自由がありますが、できるわけがありません。彼の方も、
王の機嫌を損ねないように婚約解消するにはそれ相応の理由が必要ですが、彼女が処女でないことを公に
されたくありません。婚約の話を聞いてStephanが、結婚前に救いに来てくれるという希望もありますが、
Davidに言わすとその可能性もなさそうです。
彼女は失意の中で家路につきますが、それを眺めるDavidにも、いろいろな考えが頭をよぎります。
王は、彼から購入した物の支払を控え、フランスとの戦いに備える資金を確保するという手段のために、
高貴な妻を与えることにより、支払をその婚礼資金とみなすことで解消しようと考えたのでした。
彼は、相手がどんな女性かどうかは考えてもいませんでした。でも彼女の訪問で、彼女が自分に相応しい
女性であることがわかりました。さらに王のスキャンダルを消そうという企みも知ることができました。
彼は、巨漢の門番Siegのところに行きます。「ことはお済ですか」と言う彼に、「彼らではなかった(?)」
と答えます。「ところで、Lady Alicia(?)の護衛はどうしている」との問いに「後で、彼女をお連れします」
と答えます。さらに、「明日、ある騎士の名を調べてほしいのだが」と頼みます。
以上が、第一章17頁までです。長い紹介になってしまいましたが、それだけ中身が濃いというか、いわく因縁が
いろいろありそうで、ワクワクしますね。これから先が、楽しみです♪
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今まで私が紹介した中世を舞台にしたロマンスは、Garwoodの作品ばかりでしたが、この作品は、イングランドと
フランスを舞台にしています。そのため両国のダークな歴史的関係にともなう、政治や陰謀が背景を彩っています。
ヒーローが若くして成功した商人というかわった設定に、とまどいつつ読み進めて行きましたが、ヒロインの屈強な
騎士である兄や、元カレの騎士にも一歩も引かないところなどで、ただ者ではない雰囲気を漂わせています。
そして後半では、物語が大きく展開して読者の期待を裏切らないロマンスが展開して面白かったです。
18歳で王の庇護のもと、恋人が結婚前には救いに来てくれるとかたくなに信じている世間知らずのヒロインが、
物語の中で精神的に成長していくところもよかったですよ。
◇ As You Desire / Connie Brockway 語数:85,742 ISBN:0440221994
(35 customer reviews)
1890年エジプト、そこは地図にも載らないThe High Desertと呼ばれる砂漠。一目を避けて行動するには好都合の
ところで、深夜奴隷商のキャンプには、ブラックマーケットの商品や、それを取り引きするアラブ人やコプト人が集まって
います。(注釈:イスラム教徒はアラブ人、キリスト教徒(コプト教会)はコプト人で、“エジプト人”という呼称は不適切な
表現とされているそうです) 今夜は、若いブロンドの英国人女性が奴隷として取引されています。
彼女Desdemona Carlistleは、カイロの市場でさらわれ、どこかの残酷な砂漠の族長の慰み者になる運命に怯えて
いましたが、4日経っても誰も助けにくるものもなく、そろそろ退屈な気分に変わりつつあります。彼女の世話をする
少年Rabiが彼女をさらって不愉快な布に包まれ、ラクダに乗せられて・・・と今までのことを振り返ります。
遠くに馬に乗った男が近づいてくるのを見て、彼女は運命を決める男が来たことを感じて、「彼は誰」とRabiに問うと
「あなたを連れに来た」と答えます。男の前に連れ出された彼女は、英国女性のプライドで面と向かい合いますが、
彼は眼にもとまらぬ速さで彼女の手首をつかむと、引き寄せます。彼女は抵抗しようとしますが、空しいだけです。
恐怖を感じた彼女は悲鳴を上げますが、彼の大きな手は彼女の口をふさぎ、壁のような彼の胸に押さえつけられます。
さらにもがき暴れる彼女に、彼は「やめてくれないか」と英国人英語で命令します。その声にぞっとした彼女は抵抗を
止めます。もがきあう間に顔を覆っていた”burkos”が落ちて、彼の顔が表われ、それを見た彼女は驚きと、さらに
激怒を感じて「Harry Braxton(?)私を連れていくなら、殺してやる」と言います。
以上が、第一章でしたが、いまいち わかりせんので次に行きます。
「恐ろしい運命から救ってやったというのに、他に取る態度はないのか」という彼に、「あなたのものになる
以上に恐ろしい運命は考えられないわ」と答えます。彼の腕に抱かれているうちに、ふと以前のような間違い
を犯そうとする(?)気持ちになったことに気づき、夢と現実は違うことを学んだことを思い出します。
さらに、彼女に向ってうっとりしながら結婚してくれと言う彼に、やめて!と彼女はすぐさま答えます。かつて彼に夢中に
なったことを彼女に思い出させる機会を彼は、逃しはしません。その上「助けてやったのに、お礼も言ってくれないの
かい」と言う彼に、そのとおりと思い「私のために、たくさんのお金を払ってくれたのね」と意気消沈して答えます。
彼女はHarryに、そのお金を返すあてがあればと思いますが、彼女の祖父、Sir Robert Carlisleは、英国博物館の
考古物買入部の長で、優秀な考古学者で、ある程度の地位のある官僚でしたが、経営的センスはまるでありません。
祖父の手助けをしてお金を稼ぎ、英国の博物館で職を手に入れることさえできればと考え始めます。
その時、「Brax-stone!」とエジプト人商人が呼ぶ声が聞こえます。彼は突然衣服に手を入れ財布を取り出し、それを
Harryにめがけて投げつけます。彼が片手でつかみ取ると、金貨がこぼれ落ちます。「それを受取って、彼女を返せ」
とエジプト人は言います。どうも彼は、裕福なバイヤーを見つけたようです。彼女は、彼がはした金しか支払っていない
ことを知り怒りますが、双方にいろいろ誤解があったようす。しかし、今は逃げるしかありません。
家に着いた彼女にSir Carlisleは平然と挨拶します。自分の身を心配していなかったかのかと不思議がる彼女は、
Harryの話から、Carlisleに心配かけまいと、彼は彼女が近くの町に行くという手紙をでっち上げていたのでした。
ホッとしたのもつかの間、祖父は彼女の原住民のようなだらしない身なりに顔をしかめます。本当のことを言えない
彼女に代わって、Harryがドレスパーティー用ですよと助言をします。またしても彼に借りが増えました。
以上が、第二章まででしたが、ヴィクトリアン時代のエジプトが舞台という変わった設定の上、多少コミカルな展開も
あり面白いですね。これからの二人のロマンスの行方がとても気になります♪
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Connie Brockwayの作品ですから、英語は他の作品より難しめです。従って他の作品ほど読み切れていない
ことを最初にお断りしておきます (苦笑)
ネタばれになるので詳しく書けませんが、ヒーロー、ヒロインともある才能がありますが、それぞれ暗い過去を背負って
います。読み進みながらそういう点が少しずつ顕わになってくる点では物語は楽しめます。
その上、恋のライバル登場と、遺跡をめぐる陰謀(?)で物語は大きく盛り上がります。紹介文から想像されるように
ふたりは知り合いで、いろいろあってふたりが結ばれるところはかなり熱いです(笑)
AARの読者人気投票2007年Top100で25位ということで、期待して読んでみましたが、それほどでも
なかったです。まだまだ読解力が足りないのか、それとも好みが合わないのか、翻訳が出たら買ってみても
いいかなとちょっと思いました。(>情けない)
◇ By Possession / Madeline Hunter 語数:103,000 ISBN:0553582216
(47 customer reviews)
1324年、Addisは、巫女から昼間に呼び出され驚きます。いつもは夜ですが、彼女の父親の馬を世話する彼が、
人目を避けて彼女と一緒にいることが知れたら、命はないかも知れません。彼女と一緒にいると、人間的に扱われる
温かみが思い出され、恐怖を押さえて森の外れに出かけます。彼女は一頭の馬を連れていました。
彼が奴隷にされた最初の年、彼女は彼の仕事ぶりをしばしば見に来て、そのうち彼に簡単な会話ができるように言葉を
教えました。彼女は、彼が騎士ではないかと疑っていたのでした。いつもと違う様子に驚く彼に、川辺の薬草を取りに
行くから手伝うようにと布をかけたカゴを持たせ、川に着いたところで驚くべきことを話し始めます。
チュートン騎士団率いるバルト十字軍を止めるため、ローマ法王が彼女たちの王に改宗を迫っており、王は拒絶する
だろうから、また戦が始まるだろうというのです。話を聞きながら、彼は奴隷になった6年前の戦を思い出します。
ここで待つようにと指示し、彼女Eufemiaは歩いて行きます。カゴを忘れていると声をかけますが聞こえないようです。
自分の周りに馬とカゴしかないことに気付いた彼は、心の中にこみ上げるものを感じ、布を取りのけます。そこには、
2本の短剣、パン、塩漬けの豚肉と彼女の黄金の腕輪がありました。自分のために必要以上な危険を冒した彼女を
思い、馬に乗った彼は、もう一度彼女の方を見て、さよならを言い去って行きます。
以上が、プロローグでした。よく知らない北方十字軍の話に戸惑いつつ(苦笑)、次に行きます。
1326年、イングランドWiltshire州、Moiraは不安を感じて外を眺めると、朝もやの中を男たちがこちらに
向かってくるのが見えたので、Brianに隠れるように命じます。男たちは家に入り込み、少年はどこだと
彼女に問いただします。息子などいないとしらを切る彼女に、「知っているはずだ」と後方から新しい声が
聞こえます。それは少年の叔父、Raymond Orrickでした。
時が来たので、迎えに来たとRaymondは説明します。彼の妹Claireが死ぬ直前に、彼女の息子をMoiraに
託していたのでした。連れて帰れば危険で、ここの方が安全だと主張する彼女に、もう一人の男が命令口調で
尋ねます。その男の顔を見た彼女は、息が止まるほど驚きます。彼は8年前に死んだと思われていた少年の
父親Addis de Valenceだったからです。
彼女の顔をじっくり見た彼は、彼女がRaymondの父Bernard Orrickの女であった農奴Edithの娘である
ことを思い出します。「You are little Moira, Claire’s shadow.」という彼の声に、彼女はホッとし、喜びを
感じますが、一方で彼女の息子でもないBrianを永遠に失うという悲しみの気持ちも湧き上がってきます。
彼が少年を連れて行こうとした時、狼狽したように彼女を見つめる息子を見て、Moiraも連れてくるように、
命令します。
DarwendonにあるAddisの領地は、Claireの持参金でした。今でこそ彼女のことを考えない彼ですが、
自由の身になってからの2年間は、しばしば思い出していました。でもその思いが帰国を遅らせていました。
帰国した理由を、Eufemiaなら、彼の魂が待ち受けているものを知ったからだというでしょう。
Raymondによると、Addisの父Patrickが亡くなった時、Barrowburghの家を離れ、Hawkesfordの家に
帰って来た、そしてAddisの義理の弟Simonが父親の土地を奪った時、Brainは彼にとって脅威となり、
Claireが亡くなった時、危険を避けるために召使のMoiraが彼を引き取って世話をしてきたというのです。
さらにMoiraが住んでいた家と土地は、BernardがEdithに与えたもので、死後彼女が相続したのです。
彼女によると、Bernardは死の床でEdithとその子孫を自由の身にしたというのですが、証人の神父が
いなくなったため証拠はありません。またBarrowburghの土地も、Simonが王を操るDespensers一族に
とりいっており簡単に取り戻せそうもありません。
Moiraは2度結婚しました。最初の男は、老人で結婚の祝宴直後に亡くなり、二番目は年老いていなかった
のですが1ヶ月は生きたとか。そして彼女はVirgin Widowと呼ばれ、彼女の裸体が彼らの心臓を止めたと
噂され、誰も結婚しようとしないのです。8年間ですっかり大人の女性に成長した彼女を見て、Addisは
なるほどと納得します。
いろいろ命令するAddisに、自分は自由の身だとMoiraは主張します。さらにRaymondの相手をしろと
の命令を断固はねのけ、毅然として彼に向き合います。その眼と向き合って、始めて自分がよそ者でない
ことを感じたAddisでした。
以上が、第一章でした。いい設定ですね〜♪妻を亡くしたヒーローと、農奴のヒロイン、そしてお互いが
溺愛する少年を間に入れてふたりのロマンスはどう発展していくのでしょうか。
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前の紹介本より少し前のエドワード2世治世のイングランドを舞台にしています。歴史的背景をうまく
物語に取り入れているようです。(読後に、ネットで調べてわかりました。まあ、知らなくても楽しめる
ということですね)
さて、身分違いの壁をどう乗り越えていくのかが、この作品の大事なポイントになりますが、
最初は権力でなんとかしようとしていたヒーローですが、恋のライバル登場で、二人が結ばれるまでは
ドキドキハラハラします。そして結ばれたからといって安心できず、とても切ない物語が展開します。
あまり書くとネタバレになりますのが、もう残り数頁になっても…。
思わず、この本最後が落丁じゃないのかと心配したのも事実です。
そのため、せめてエピローグぐらい書いてよね!と思いました。
ヒーローは奴隷の体験(<農奴より身分が低い)をしていることや、ヒロインの母親は、領主の愛人であった
ため、自分は絶対そうなりたくないと決意している芯の強さが、物語に深みを与えています。
◇ Nobody's Baby but Mine / Susan Elizabeth Phillips 語数:111,998 ISBN:0380782340
(131 customer reviews あなたがいたから) ・・・・Chicago Stars物の三作目
Chicago Starsのチームメイト3人は、、Cal Bonnerの36歳の誕生日プレゼントとして「女」を与えようと考え、
行きつけのスポーツ・バーのホステスJodie Pulanskiに、お相手を探して欲しいと頼みます。Calは、「Bomber」と
異名を持つ優秀なクォーターバックで、彼女が幾度もアタックしても相手にしてもらえませんでした。
チームのグルーピーでもあり、女性を世話することがこの店のウリでもあり、ある見返りに承諾します。ただしCalは
以前の彼女と別れて以来、周辺にいる女性には興味がなくなったようで、10日以内に「Classyなお相手」を探し
出すことになりますが、彼女の知り合いにそのような女性はだれひとりいませんでした。
それから二日後、両親の実家に泊まった彼女は、前夜のパーティの酔いがさめないので、コーヒーを飲もうとしますが、
棚に有ったのはカフェイン抜き。隣に住むJane Darlington博士にコーヒーをもらいに出かけます。彼女との会話から
今日がJaneの34歳の誕生日で、彼女は14歳で大学に入学し、20歳で博士号を取った物理学者のようです。
ふさぎこんでいる様子にさらに話を聞くと、今の境遇を幸せと感じていないなく、6年間付き合った恋人とも別れたが、
未練はない、でも「結婚には興味がないが、自分の子供」が欲しいと願っているようです。シングル・マザーなんて
珍しくもない時代、経済的にも問題のない彼女にとって、一番の問題は父親をだれにするかでした。
子供にだけは、自分のような境遇で育ってほしくない彼女にとって、周囲は高学歴の男性だけ。見知らぬ男では
健康状態に不安がある。Jodieは、Chicago Starsの試合を見たいためテレビを点けますと、Cal Bonnerが
インタビューされています。それを見ていたJaneは、彼のような男性が見つけられば と言います。
アメフトに興味のないJaneにとって、Calが誰かは知りませんでしたが、理想の父親に思えました。それを聞いて
あきれるJodieでしたが、「Classyなお相手」探し中の彼女にとって、Janeはよい候補者のようです。そして、
彼女に説明し、JaneはCalの病歴書が入手できればと了承します。
以上が、第一章でしたが、ヒーローの説明が少ないので、次に行きます。
Janeは、Calの家まで送ってくれるフットボールプレイヤーに会うためにJodieの店に来ますが、急に気分が悪く
なってトイレに駆け込みます。この数日間Jodieと一緒に今までの自分と違う、化粧方法、ヘアスタイル、着る物とか
を変えて準備をして当日を迎えたのですが、過去のことを思い出して、急に怖気づいたのでした。
Jodieが持ってきた得体のしれない(遠視の彼女はメガネ無しではよく見えません)薬をビール流し込んで落ち着きを
取り戻し、迎えにきた巨漢に会います。名前と年を聞かれて、ネオンサインの文字からRose Bud、26と答えます。
男はJodieに元カノと違うタイプでCalのお気に召すだろう、少し年増なことを気にしないでくれるといいのだけれど
と言います。そして太いピンクのリボンを取り出し、彼女の首に結び、バースディ・プレゼントらしくみせます。
そのころCalは、3人の友人たちと家で遊んでいました。ドアベルが鳴り、頼んだピザかなと3人の友人が受け取りに
行きます。Janeを見た3人は満足し、ハッピーバースディを歌いながら、彼女をCalのところに連れて行きます。
彼女は生身のCalを見てびっくりします。テレビでは、ただの田舎者でしたが、目前の男は戦士そのものです。
彼女がバースディ・プレゼントと聞いて、Calは売春婦など要らない、誰か彼女が欲しければ、ステーキと交換しようと
言います。友人たちは、彼女はそんじょそこらの娼婦ではない。大枚はたいて雇った高級娼婦だと説明します。
彼女は、それらの会話を聞いて怒りに駆られます。何とかしなければ、理想の父親が手に入れられないと思い、
「やめて! 私は、ここに独占契約で来ているのよ。契約は、Mr. Bonnerだけに、私の技術を披露することに
なっているの。だから、わたしたち二人にしてくれない」と3人を追い出します。
以上が、第二章でした。天才といっていいほどのヒロイン登場。ユニークな設定ですね♪
さてこの先どんなロマンスが展開するのでしょうか。
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全二作は最初の展開がかったるかったのですが、本作ではいきなりヒロインのとんでもない行動に驚かされました。
そして題名から容易に想像できるように、Janeは目的を果たして妊娠し、それを知ったCalがという展開で、
物語は進みます。
あまり書くとネタばれになりますが、CalはJaneが想像した男性と異なり、ふたりが丁々発止のやりとりでロマンスが
展開していき、とても面白かったです。またCalの家族問題も物語に深みを与えているところも良かったですよ。
シリーズ物の常として、前作のヒーローBobby Tom Dentonも登場し、その後の幸せな暮らしがわかるところも
よかったですし、本作でCalのライバルとして登場するKevinは、第5作のヒーローのようで、期待が持てます。
◇ Passion / Lisa Valdez 語数:99,906 ISBN:0425203972
(87 customer reviews パッション)
1824年7月12日、Lucida Margarita Hawkmoreは、親友のAbigailに興奮しながら手紙を書きます。
そこには彼女が身ごもったこと、父親は夫のGeorgeではなく、最近雇った若い庭師であることを。さらに、自分のことを
非難しないで欲しい、今は新しい愛人Fentworth卿にぞっこんなのだからと。Hawkmore家には嫡男を生んで
あげたているから、夫はこの子は自分の子として育ててくれることを認めさせたのよ。このことは夫とあなた、二人だけが
知っている秘密なの。最後に、この手紙は読んだら焼き捨ててね。
以上が、プロローグの2頁でしたが、とんでもない始まりにとまどいつつ、次に行きます。
1851年5月4日、ロンドン 水晶宮、Passion Elizabeth Dareは、彼女の胸を押さえている男の手を見つめます。
誰にも見られてはいません、周囲はヤシの木の鉢を転倒させた3人のいたずら小僧たちを取り押さえるのと、
失神した年配の貴婦人の解放でそれどころではなかったのです。彼女は、その男によって倒れて来たヤシの木
から危ないところを助けられたのでした。彼女は、いとこのCharlotteに会うためにここで待っていたのでした。
青い瞳を持つ謎の男。彼女は胸のときめきを感じながらも、男のもとから立ち去り隣の展示室に行き、振り返って見ると
彼はそこに立ち止ったままで、自分を追いかけてくるものと思っていましたので、ちょっと失望感を感じます。そして、
そばにあった時計の振子を、ぼおっと眺めていると、自分に触れるものを感じます。彼でした。
その後、激情の渦に呑み込まれたふたりは、人目につかない展示場の隅で、激しくお互いを求め合います。
以上が、第一章でしたが、プロローグに引き続き、ちょっと驚きの展開です。
水晶宮の外で、「Miss Charlotte Lawrenceはどうだった?」と弟のMatthewに問われ、Markは会えなかったと
答えます。時計を見ながら、「Rosalindとのお茶に遅れそうだ」という弟と一緒に、馬車に乗って家に向かいます。
その道中Markは今日の出来事を弟に話します。名前も、どこの誰かも知らないという兄の話に、顔をしかめて、
彼女は若かったのかいとの問いに、ラベンダー色の服を着て、二の腕に黒いリボンを着けていたことを思い出して、
彼女が若い未亡人であったことを悟ります。
廊下のベンチに腰をおろし、Passionは、男のくれたハンカチを見つめます。そこにはMのイニシアルがありました。
そこに叔母のMathilda Dareがやってきたので、ハンカチをポケットに隠します。彼女の顔を見て、なにかあったの
かいと問う叔母に、彼女は、事故の話だけします。ハンカチを触りながら、彼にもう一度会いたいと願うのでした。
その頃Markも、彼女にもう一度会いたいと願っていたのでした。執事が、伯爵夫人がお待ちですというのを聞いて、
気が沈みます。今一番会いたくないのが母親でした。Lucida Hawkmoreは、ここの家について不満を述べた後、
Miss Lawrenceのことを尋ねます。会えなかったと答える彼に、そんなはずはと言う母親に向って、明日Abigail
Lawrenceに会って、手紙と交換に多額の金で話をつけるからと答えます。
かつて親友だと信じていた間違いに気付いたLucidaは、Abigailと縁を切りますが、娘に爵位ある夫をと願う彼女は、
例の手紙をネタに脅迫していたのでした。Markは母のためでなく、弟のためにこの秘密を隠し通したかったのです。
この秘密がバレると、Matthewは愛するRosalindとの結婚は、破談になることがわかっていたからです。
ひとりになってMarkは、水晶宮で会った彼女のことを考えます。きっかけを作ってくれたいたずらっ子たちを思い
神に感謝します。これは大変奇妙なことでした。ことが済めば立ち去って、二度と会わないというのが通例でしたが、
今度だけは、とんでもない間違いをしでかしたように感じます。
“M” for mistake? そんなことはないと彼女は思いこもうとします。そしてハンカチを胸に当て、生きていることを
実感します。結婚してから3年間、愛のない夫と生活。子供でもいれば、少しは違ったのかもしれません。夫の死でも
涙を流さなかったのに、今日は泣いたのでした。そう、彼が長年忘れていた夢を満たしてくれたのでした。彼のことを
思い出しながら、あんなことやこんなことを考え、明日彼にもう一度会えるかもしれないと水晶宮に行くこと決心します。
以上が、第二章まででした。通常は詳細にこだわって紹介するのですが、官能小説のような描写が続きますので
かなり押さえて紹介しています(笑) さて、MarkとPassionのロマンスはどう展開していくのでしょうか。最近邦訳が
出版されましたが、帯に「官能と清純」の文字があります。官能と清純が両立する物語とは?大変興味が惹かれます♪
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読み終わりましたが、どう感想を書いてよいのやら(笑)
まず、エピローグはユーモアも感じさせてくれて読後感は爽快です。
それというのも、後半ヒーローが真の愛に気付きながらも弟のために自分を犠牲にしようとし、またヒロインも・・・
と切ないロマンスが展開し、最後にハッピーエンドを迎えるからです。
一方、200頁過ぎ(約3分の2)までは、数頁ごとに官能小説のような激しい描写が続きます。その過程で二人の愛が
高まって行きますので、無駄にエロチックな描写が続くのではないのですが・・・ それに伴い、知っていることが
自慢できないような語彙がたくさん身につきます(笑) 名詞の“come”など、他では見たこともありませんからね。
以前にも紹介したAAR (All About Romance)サイトで、Best 2005 Romance Novels読者人気投票では、
最優秀新人、Most Luscious Love Story(もっとも官能的ってことかな)、Guiltiest Pleasure を受賞した一方、
Worst Readと、Purple-est Prose(極度に修辞がかった表現が多いってことらしい)を受賞した話題作です。
最初の「官能」の部分をどう乗り切るかで(笑)、この本の評価が決まるのでしょうね。
私はこの作品に★5つつけても良いと思いますが、万人にはお勧めしません(爆)
本の終りに次回作「Patience」の抜粋が載っており、この作品のスピンオフであることを窺わせますが、いつ出版される
のでしょう?Amazon.jpでは今年5月発売予定となっていますが、Amazon.comには表示されていません。
◇ Miss Wonderful / Loretta Chase 語数:100,424 ISBN:0425194833
(25 customer reviews) The Carsington brothers シリーズ第一作
1817年晩秋のロンドン、Hargate伯爵は5人の息子を持っていたが、下の三人は女の子の方が良かったのに
と感じていた。当時、貴族の男の子は私立の学校そして大学へ行かせるのが一般的で、女の子なら家庭で
教育すれば十分で、それにかかる費用は大変なもので、さらに職を探してやらなくはなりません。
うえの二人は結婚しており、伯爵の現在の悩みは三男29歳になるAlistair Carsingtonです。彼は、毎日
毎日仕立屋や、靴屋や、帽子屋などの請求書を持って現れます。Alistairは呼出され父親の書斎に来ます。
そこには「Episodes of Stupidity」と題された書類があり、惚れっぽい彼が起こした恋愛での数々の
失敗と、そのたびに父親が尻拭いしてきたことを思い出させます。伯爵は「金の話をしたくはないが、
弟たちのことを思うと、これ以上避けては通れない。」と話し始めます。
Alistairは友人のGordmorに、父親のからの話をします。それは、裕福な相続人を見つけて結婚しろと
いうものでした。父親が選んだ女性ならともかく、忌まわしい思い出がたくさんある彼にとって、
それは耐えられません。さもなければ生活費を稼ぐ道を、6ヶ月後の5月1日まで探せというのです。
できなければ彼のために、弟たちの財産を処分して金を作るしかないと。優秀な政治家でもある伯爵は、
彼の弱みを巧みに利用します。話を聞いた友人は、運河の話(?) をしたいと言います。
以上が、プロローグでしたが、ヒロインが登場していませんので次に行きます。
1816年2月英国ダービーシャー州、使用人のJosephがMirabel Oldridgeの行く手をふさぎます。彼女は、
最近31歳になったばかりとは思えないほど若く見えます。彼は、ある紳士が旦那様に会に来たと告げます。
彼女は、父親に代わって家を切り盛りしており、使用人は問題があると彼女に相談しにくるのでした。
その紳士は、Mr. Carsingtonと名乗っておりと聞いて、Hargate伯爵家の苗字であることを思い出します。
執事はワーテルローの英雄をないがしろにはできないと、居間に待たせているというのです。
田舎生活に魅力を感じないAlistairは、こんな所に、まして真冬にいたくありませんでした。Mirabelの
顔立ちを見て、いつもの悪い癖が出ようとしましたが、友人に、自分が役に立ち、信頼できるところを
見せないと、弟たちは…と、なんとか自分の仕事を思い出します。さらに帽子を脱ぐのに手を貸して、
彼女を身近に感じてまた後悔し、早く立ち去らねばと思います。
主人がいないのなら出直してきますという彼に、あなたが植物学者でない限り父はお会いしませんよと
彼女は告げます。彼はある計画に対して至急という手紙をもらったと反論します。それは運河新設計画に
関するもので、地主たちは反対しており、大地主である彼女の父親に誤解を解く為に来たと答えます。
それならば、父親を探しに行きましょうと、彼女は植物園のような、庭に案内します。庭師のひとりが
主人は最近高地の苔に興味を持っており、ある場所に行っていると答えます。そこは彼の宿のすぐそばで、
苦労してやって来たのにとがっかりする彼に、Mr. Oldridgeが帰って来て、夕食を一緒にと誘います。
15年前母親が死んだ後、植物に没頭し他の事には興味がない父親と領地の世話をしてきていた彼女もまた、
彼を身近に感じて、ドキドキしていました。彼は、社交界にデビューした時に出会った紳士たちを思い
起こさせますが、どうせ私たちのことを田舎者と見下しているだろうと想像します。
以上が、第一章でした。さて、AlistairとMirabelのロマンスはどう発展していくのでしょうか。
同じ作者の「Lord of Scoundrels」が相当良かったので、このシリーズも期待しています。
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家を切盛りするのに忙しくて婚期を逃したMirabelは、装いには無頓着。一方Alisterは、いわゆる伊達男。
運河計画をめぐって対立するうちに…でロマンスは展開していきますが、ファッションとかヘアスタイルで
もめるところがユーモラスに描かれているところは好印象でした。
二人が結ばれるところまでは盛り上がり、その後ちょっとダレ気味でしたが、最後の方で…
Hargate伯爵の残りの2人の息子の物語にも期待が持たされる終わり方でした♪
そうそう、従者のCreweがなかなかいい味出していまたね。
◇ Dancing At Midnight / Julia Quinn 語数:96,469 ISBN:0380780755
(44 customer reviews)
1816年英国Oxfordshire、Arabella Blydonは、もう少しで雨が降り出しそうな寒空の下、木の幹に体を持たせ、
冬物語(The Winter’s Tale)を読んでいます。彼女は6か月前にシェークスピアの作品 終わりよければすべてよし
(All's Well That Ends Well)からアルファベット順に読み始め、これが最後の作品となります。
その時、男の声が聞こえ、びっくりして振り向きます。彼女は、そばに立っている男に向って、ここはAshbourne公爵、
私のいとこの土地ですよと言うと、君こそ不法に侵入しているよ、境界線は向こうだよと答えます。彼女は非を認め、
名を名乗ると、彼はJohn、Lord Blackwoodと自己紹介し、シェークスピアの作品の話をします。
彼は足を引きずっており、半島戦争で傷を負ったのかしらと彼女は思います。雨になりそうだから帰ろうとする彼女に、
彼は2マイル以上歩いて帰るうちにずぶ濡れになりそうだと言います。馬に乗ってこなかったの?と問う彼女に、
自分の足を使う方が楽しいと答えます。
彼女は降り出した雨の中、Westonbirtにたどり着きます。そこは、彼女の米国生まれのいとこEmmaが数か月前に
結婚したAshbourne公爵の家でした。シーズンは終わっていましたが、来シーズンまた結婚市場のロンドンに行くと
思うとため息が出ます。おめでたのEmmaと夫のAlexの幸せいっぱいの夫婦を見ていると、心底愛せる男でない
限りは落ち着くことができないと感じていました。
Belleは、今日出会った男のことを話すと、Alexはその男を知っているというのです。それも一緒に戦った仲として。
Emmaは、それならJohnを夕食に招こうと提案し、Alexは直接会って招待を申し出ようと言います。というのは、
自分の命を救ってくれた男にぜひ会いたいというのです。Johnにはいろいろ秘密がありそうで、Belleが予想していた
のんびりした田舎暮らしではなさそうです。
以上が、第一章でした。聡明でブルーストッキングなBellaと、なにやら戦争で心も体も傷ついたJohnのロマンスは
どう展開するのでしょうか。この本は、時系列的にはSplendid (未紹介)、Minx (500万語報告で紹介済み)の
間の物語のようですね。Minxでは、BellaとAlexは新婚でしたから。
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やはりJulia Quinnの作品です。コミカルな展開もあり、文章も読みやすく、Minxを先に読んでいるため、
ここがあそこにつながるのねなどと、ほくそ笑みながら楽しく読めました。
後半では、Johnの秘密に絡む謎の男の登場で、はらはらする場面もありますよ。
◇ A Well Pleasured Lady / Christina Dodd 語数:85,067 ISBN:0380790890
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1793年スコットランド、Sebastian Durant、Viscount Whitfieldを迎えるための料理の準備は順調に進んでいた。
その時「いらっしゃいました」の声に、皆は一斉に声を落としMary Rottensonの方を向きます。彼女は
「みなのもの準備御苦労。そのまま仕事をつづけなさい」と言い、お茶の盆を手にして女主人のところに
向かいながら、10年前には、こんな領地で大人数を仕切る仕事をするとは想像もしなかったことを思い出します。
実はMaryは、Sussex州のCharles Fairchildの娘Guinevere Maryでしたが、10年前に姿を消して、今は
Lady Valeryの所でHousekeeperとして働き、Mary Rottensonと名乗っていたのです。そのことは女主人も
感づいていましたが、働き始めた時、年齢を20歳と言っていましたが、実は16歳だったのでした。
Valeryは、SebastianのGodmotherです。彼女によると、彼は彼女でなくMaryを訪ねて来たというのです。
というのは、Charles Fairchildの娘にしかできないことを頼みに来たのだそうです。なぜわざわざロンドンからと、
彼女はいぶかしがっていると、彼が入ってきて久しぶりの対面をします。その間、Maryは召使たちに夕食を予定通り
準備するよう指示します。
お茶を入れている彼女のところに、Load Whitfieldが近づいてきますが、立場上目を合わせないままお茶を
差し出します。彼が伸ばした右手には、アザがありました。彼女は、彼が自分を人殺し(?)と特定できる
男であること知りますが、長年のHousekeeper職の訓練で、狼狽を表情に表わしませんでした。
以上が、第一章でしたが、いまいちよくわからないので、次に進みます。
最後に彼に庭で会った夜、馬小屋からのあかりは、ほの暗く、彼女は、服に着いた血痕や手の汚れに彼が気付いて
いないことを祈っていました。眼を合わせることができなかった彼女は、その時に、彼の手のアザを知ったのです。
素知らぬ顔でお茶を注ぐ彼女は、お前のことを覚えていると言う彼に、ドキッとします。その後の会話の中で、
Charles Fairchildの娘として知っているだけだったので、ホッとします。そしてSebastianは、要件を説明します。
聡明で、美しく政治を司る人たちの愛人であった女性がおり、彼らの政治にいろいろ知恵を授けたりしていたが、
それらのことを日記にしたためていました。そして、その日記が盗まれたというのです。当然、それが世間に知れれば
その女性も傷ついてしまうので、彼女は買い戻そうとしますが、盗人がそうやすやすと返してくれるとは思えません。
Maryの「その日記は、もしやあなたのでは」との問いに、Lady Valeryは「Yes」と答えます。
フランス革命があって以来、同じような惨劇が英国でも起きるかもしれない。もしその日記の内容が公表されればと、
Sebastianは危惧しているのです。Maryの、それが自分とどんな関係がとの問いに、日記の在りかを追うと、
Fairchild家にたどり着いたと、彼は答えます。「私が盗んで、父に送ったとでも言うの?」との怒りに、Lady Valeryは
フランス大使が宴会の時に、他のものと一緒に盗んだらしいと答えます。盗んだ者に、その日記の価値が
わからないことを期待し、しばらく経って安心していたところに、脅迫状が来たと彼女は言います。
そしてSebastianは、Maryにある提案をします。Fairchild家で開かれる、権力者が多数招かれるパーティで、
日記の取引が行われるのに違いない。自分は招待されていないので、そこに忍び込み、日記を探す間、皆の注意を
惹きつけるのがMaryの役目で、婚約者として一緒に行って欲しいと言うのでした。Maryには、絶対彼が
脅しをかけて、断れなくしているものと感じています。
以上が、第二章でしたが、もう少し付け加えます。
「ばかなことを言わないでください」とのMaryの反論に、Lady Valeryは「確かにそうかもしれないが、
彼の話を聞いてみましょう。『私たち』の主要な目的は、日記を取り戻すことにあるのだから」と言います。
で、結局Lady Valeryがchaperoneとして同行することになります。彼が「Maryの名誉を汚すとでも思って
いるのですか」と問うと、Lady Valeryは「お前が彼女を誘惑するのではと心配している」と答えます。
以上が、第三章でした。なかなか良い設定で、この先がとても楽しみです。
ヒロインの過去も気になりますが、Lady Valeryも気になるキャラクターですね♪
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読み終わりましたが、いまいち物足りません。
というのは、設定はとてもよく、脇役たちの個性もいろいろで、とてもよかったのですが、肝心のロマンスが・・・??
長年のHousekeeper職の経験(これがたびたび、斜体文字で書かれ、ピリッといい味出しています)から
自分の感情をコントロールする力のあるヒロインが、恋に落ちていくところが、いまいち唐突な感じがして
違和感がありました。(私が、十分読めていないせいかもしれませんが)
そうそう、タイトルもなんか変なですね。
167ページに、このタイトルの由来になりそうなことが書いてありましたが、私には???でした。
ロマンスを除けば(笑)、ヒロインの過去や、日記のありかなどかなり楽しめました。
◇ Slightly Scandalous / Mary Balogh 語数:112,000 ISBN:0440241111
(45 customer reviews)
Lady Frayja Bedwynは、寝る前にとても不機嫌で、侍女のAliceに下がるように言いつけます。彼女らは、
BathのLady Holt-Barronの家に行く旅の途中です。AliceはFrayjaの兄の公爵から、目的地に着くまで、
日夜そばを離れないように指示を受けていましたが、気むずかしいFrayjaが相手では従うしかありません。
この旅は、彼女にとってワクワクするようなものではなく、彼女の心を紛らわすためのものでした。というのは、一度は
お互い恋に落ちたKitが結婚した相手Laurenが、第一子の出産間近で、とても近くにいたくなかったからでした。
公爵の妹であるFrayjaの旅ですから、馬車の宿もそれ相当の物を使用していたのですが、あいにく秋祭りの
時期で、このあたりではよい宿が見つからず、二流の宿で、鍵のかからない部屋で彼女は付添もなしで、
ひとりで寝ることになります。寝付けない25歳の彼女は、結婚のことをちょっと考えます。兄弟たちは
「結婚は、終身刑だ」と、よく口にしますが、四人の兄弟のうち二人は、最近結婚したばかりです。
深夜、Frayjaは物音に目が覚めます。見渡すと、そばに見も知らぬ男が立っています。「出て行きなさい」と
言っても男はかくまって欲しいと、衣装箪笥に隠れます。同時に宿屋の主人と年配の紳士が、入って来て
「ここに男が入ってきたはずだ」と言います。普段の生活では、ありえないことで憤慨した彼女は、二人を
なんとか追い出します。すると箪笥から出てきた男は「面白い余興だった。ほんとに君は、侯爵の妹かい?
こんな宿で、次女もつけずに」と言います。「出て行きなさい」と言う彼女に、彼はいきなり頭を下げて、
彼女の唇を奪います。びっくりした彼女は、彼の鼻に一撃喰らわせます。
「今この部屋から出て行くところを見られると、きみの名誉が傷つくよ」さらに「年配の紳士とその孫娘の
策略に、ひっかかったのさ。かわいそうとは思ってくれないのか」と言いますが、彼女は悲鳴を上げます。
男は、窓から逃げ出すはめになります。その声を聞いた宿主、紳士、さらにAliceが部屋に駆けつけます。
Freyiaは、ねずみがいたのよと説明し、三人を部屋から追い出します。彼女は、寝間着姿の上、裸足で、さらに髪が
乱れているのに気がつき、ベッドの端に腰を下ろして、声をあげて笑います。これほど楽しいことは久々でしたから。
以上が、第一章でしたが、ヒーローの説明がほとんどないので、次に行きます。
Joshua Moore, Marquess of Hallmereは、Bathに住む数年ぶりに会う祖母で未亡人のLady Potfordの家に
たどり着きます。ドアを開けた召使の顔は一転して、軽蔑の表情に変わります。Hallmereと名乗って、やっと取り
次いでもらえます。Joshuaの姿は、まるで徹夜で乱痴気騒ぎをしてきたようでしたから。二人の会話から、彼は、
ナポレオンとの戦争が終わり、英国に帰って来たとたん、叔父が亡くなり、爵位と領地を手に入れたようです。
Lady Holt-Barronの娘CharlotteとFreyiaは、Bathの有名な社交場The Pump Room (注釈:温泉場の
鉱泉水飲み場)にいます。Charlotteは、同じ年頃の友達ができてとても喜びます。爵位を持つ人の関係者の
到着は、この小さい社交界をにぎわせますが、翌日は、Marquess of Hallmereが来たとのうわさが広がります。
次の日、人前に出たくない彼女は、手紙を書くからと閉じこもっていましたが、9月初めの素敵な日でしたので、散歩に
出かけます。遠くまで来てしまった彼女は、昔の家庭教師の家が近いことに気づき、訪ねますが、冷たく扱われます。
もちろん、非はFreyiaにあったのです。彼女は、教師の教えに素直に従わない彼女は、何人もの教師を辞めさせて
いました。一方、この教師が開いた学校が、経済的な危機に陥っていると聞き、匿名で援助をしていたのでした。
実はこの先生が好きだったんだと感じている時、悲鳴が聞こえ、とっさに彼女は、そちらに向かって駆け出します。
すると紳士が、給仕女を捕まえ、茂みに連れ込もうとしているのが見え「彼女を放しなさい」と声をかけます。彼が驚いた
拍子に、なんとか女は逃げ出すことができました。Freyiaは、そのまま駆け寄り、男の鼻に一撃喰らわせます。
「このやさしいふるまいで、思い出した。あの時の君か!?」との声に、「そう私よ。あの時、隠れている場所を教えなく
て今後悔しているの」と答えます。いろいろ口論の末、彼は立ち去ります。
Joshuaは、彼女はいったい、どこの誰だろうとクスクス笑いながら歩いています。先日会ったときから、時々思い出して
いました。彼女は、美人でも可愛いわけではありませんし、もちろん醜いわけではありません、そう魅力的と言った方が
よいでしょう。望んで得た爵位でもなく、責任だけ増えて困惑していましたので、領地を離れBathに来ていましたが、
彼女のおかげで、退屈を紛らわすことができそうと感じています。
以上が、第二章まででしたが、気が強いわりには、心やさしいヒロインと、女癖の悪そうなヒーローですね。
これからの二人のロマンスの行方がとても楽しみです♪
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前回の紹介で「『A Summer to Remember』では、あまりよい印象を受けなかった彼女が、どんな素敵なヒロインに
なるのかとても楽しみです♪」と書きましたが、やはりMary Baloghの作品ですね、とても良かったです。
今まで読んできたMary Baloghの作品は、しっとり系でしたが、紹介文からもわかるように、二人の出会いは
かなりユーモラスです。気が強いヒロインだからこそなのかもしれませんが、とても楽しめました。
あまり書くとネタばれになりますが、JoshuaとFreyiaがたどる運命は、「A Summer to Remember」の
KitとLaurenの関係が思い出されて、物語に深みを与えているように感じました。
■最後に
前回の報告で、「酒井先生のブログで、「読み疲れ」というのがありましたが、ふとそうかなと感じることが
あります。そこで、これからやさしい児童書を間に入れて読書を進めて行こうと思いました。」
と書きました。そのためなのか、他にやりたいことが一杯あるためか、実際少し読書ペースが落ちています。
そこで、やさしい本を読もうと、A to Z Misteriesを読み始め、GRの再読を始めました。
ついでに、「ロマンスPB読書に疲れたあなたに」と題した投稿ネタを書き始めました(笑)
もちろんA to Z Misteriesの紹介ではありません。
ロマンス読者なら楽しめるだろうと思われるPBよりやさしい本を、紹介しようというものです。
少しまとまりましたら、投稿しますね。
では、ロマンスファンのみなさん、Happy Reading!
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