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お名前: パピイ
投稿日: 2007/11/25(00:13)
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みなさま、こんにちは。パピイです。
またまたロマンス本の話題で恐縮ですが(笑)、その報告と読んだ本の紹介をさせていただきます。
■ 最初に
今回の報告は、PB10冊で総語数は1,005,662語、累計で4,021,327語になりました。
今回も前回と同じく、本の紹介をするにあたり、第一章、またはプロローグにのみこだわって紹介し、
後は全体の感想を述べるだけに止めておいて、できるだけネタバレをしないようにと考えました。
最初の章(一部主人公を紹介するために、その後の章を紹介したものもあります)の内容紹介は、
その章を読んだ直後に書いていますので、そのあと物語がどう展開するか全く知らずに書いており、
その後手直しなどしていません。そのため ********** で区切って、読後の感想を書いています。
この紹介方法で、その時感じたワクワク感が、すこしでもみなさんに伝わればうれしいです。
ただ、一冊ずつ読むたびに原稿を書いていますので、投稿文全体の長さを考えていません。その結果
A4換算で10頁と、かなり長文になってしまったことを先にお詫びしておきます。
また前回の報告と同じように Amazon.comのレビュー数と、邦題(翻訳本があれば)を付け加えてあります。
■ 本の紹介 (読んだ順に紹介しています)
◇ Beauty: A Retelling of the Story of Beauty and the Beast / Robin McKinley
語数:69,590 ISBN:0060753102 (224 customer reviews)
タイトルからわかるように、あの「美女と野獣」をヒロインの視線で語った物語です。
ヒロインは3姉妹、Grace、Hope、Honourの末っ子で、母親は亡くなっています。貿易で財をなした父親は、
娘たちにどうしてその名がつけられたのかを説明しますが、5歳の末娘には少し難しかったようで、うんざりしながら
「それならBeautyと言う名前の方がよかった」と言ったことから、Beauty と呼ばれるようになります。ところが年頃に
なっても、上の二人は美人になったのに、Beautyは美しくなりません。
長女は19歳の時、父親も認める船長と恋に落ち、幸せな未来が待ち受けていると思われたのですが、父親の
所有する艦隊が海で遭難するという不幸に見舞われ、長女の彼氏も行方不明となってしまいます。そして、借金の
ため住んでいた豪邸も競売にかけられ、次女の恋人の進言もあって、一家は北の町に引っ越すことになります。
以上が、第一章ですが、ヒーローが登場しませんね。続けて第二章にいきます。
第二章では、新しい家での生活、次女の恋人の家族との交流が描かれていますが、ヒーローは出てきません。
第三章では、新しい家のそばの森は、ひとりで歩いてはいけないと約束させられたことが述べられます。
理由というのは、その森には魔法がかけられており、森の中にお城があり、そこに怪物が棲んでいるというのです。
以上が、パート1 第三章 54頁/325頁でした。
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読み終わっての感想ですが(Amazon.comのレビュー数がとても多くて、期待して読んだからかもしれませんが)
「うーん!?」でした。
まず、「美女と野獣」のリトールド版ですから、先が読めちゃいますし、
私はロマンス本自体がファンタジーと思っていますので、魔法とか出てくるとちょっとね、
あと、読みながらディズニーのアニメが頭の中に浮かんできたのも、マイナス点でしたね。
(もちろん、この作品はアニメの前に(1978年)書かれていますし、例のガストンも出てきません)
おじさんの感想は、ちょっと横に置いておいて、冷静にこの本を語れば、
Beautyが次第にBeastと心を通じ合わせるところなどは、しっかりロマンス本ですし、
約7万語という語数や、ムフフな描写は出てきませんので、PBやロマンス本初心者の方だけでなく、
胸キュンな作品が読みたい方、ファンタジーが好きな方にもお勧めです。
◇ Lion's Lady / Julie Garwood 語数:105,131 ISBN:067173783X
(精霊が愛したプリンセス 60 customer reviews)
1797年米国the Black Hills、ダコタ族のシャーマンは、バッファローの群れに囲まれた白い毛並みの一頭の
マウンテン・ライオンの幻影を見ます。それが何を意味するかは、彼にはわかりませんでした。
同じ頃、族長の娘Merryと息子は、家路についていました。彼女たちは1年前に、急流に流され亡くなったものと
思われていました。実際は、追放された厄介者たちに襲われ、首謀者の復讐のために連れ去られていたのでした。
彼らが、白人の馬車を襲った際、幼い娘Christinaを連れた英国から来た白人女性に助けられ、逃げ出します。
4人で一緒に隠れて生活しますが、彼女は幼い娘を残し、事故で亡くなってしまいます。
白人の子を連れては部族に帰れないと、1年近く隠れ住んでいましたが、大事な息子を夫に返さないわけには
いかず、家路につきます。死んだものと思っていた娘と孫が帰って来たことを喜ぶ族長、妻と息子に会えて喜ぶ夫、
そして部族の人々の前に、白人の女の子が現れます・・・
以上が、プロローグの途中ですが、この章にヒーローは出てきませんので次に行きます。(詳しく書いているよう
ですが、半分も紹介していません。なぜなら、この章だけでも十分面白いからです)
1810年英国ロンドン、Lyonwood侯爵夫人は出産の苦しみのまっただ中にいました。医者のWinters男爵も
呼ばれますが、手のほどこしようがありませんでした。
そこに夫Alexander Michael Philips, the Marquess of Lyonwoodが帰ってきて、苦しむ妻に声をかけますが、
彼女は「Jamesなの? あなたの赤ちゃんが、私を苦しめるの。これは私たちへの罰なのかしら?必要なら夫に
知られないように子供を始末して。」と嘆願し、そのまま亡くなってしまいます。
以上が、第一章です。ところで、成長したヒロインはどうなったのでしょう。
1814年英国ロンドン、Lyonwood侯爵ことLyonは、過去の結婚で傷つき女性への興味を失いつつありましたが、
妹の社交界デビューのエスコートとして、しぶしぶあるパーティに出席します。そこで、Princess Christinaが
来ていることを知らされますが、世情に疎い彼は誰のことかわかりませんでした。
彼女は2か月前にどこからともなく現れ、その美貌と気品で社交界の話題をさらっていたのでした。彼の友人に
よると彼女の父はオーストリア国境近くの公国を治めていたが、革命によりその座を追われたと噂されているらしい、
またPrincessはあだ名で、最初に彼女を見た知人が名づけ、それが一般に広まったとのこと。
そして、二人は出会います。以上が、第2章途中44頁までです。
ヒーローも“ライオン”と呼ばれているところを見ると、二人の関係は、かなり火花を飛ばしそうな予感がします。
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いやあ、面白かったです。(正直に言うと、前回紹介したThe Brideにはちょっと劣りますが。理由は、後述。)
紹介文からわかるように、アメリカインディアンに育てられたが、成長し社交界に現れた時はプリンセスと称される
美貌と気品を持つヒロイン。とんでもない設定と言ってもいいくらいですが、先に「ロマンス本自体がファンタジー
だから、魔法とかでてきてもね」と書きましたように、こういう設定は(大)好きです♪
ロマンス本の面白さのひとつに、ヒーローとヒロインの会話があります。最初に予想した以上に、この物語には、
「The Bride」や「The Wedding」のようなイングランドとスコットランドの文化の違い以上に、アメリカンインディアン
との文化の違いから生じる会話のずれや、行動が独特のユーモラスさを醸し出しています。
例えば「馬に乗っても、鞍が居心地悪い」と言うヒロインを、彼女が馬に乗りなれていないとヒーローは感じますが、
彼女は鞍無しでしか馬に乗ったことがないからで、鞍無しで馬に乗せれば、ヒーローより上手とかね。
さて、The Brideにはちょっと劣ると言った訳ですが、ヒロインの最大の敵(とここでは言っておきましょう)との
対決が最後に待ち構えているのですが、そこが期待したほどでもなかった(私の期待が大きかったってこと?)
ことが、ちょっとだけマイナスでしたね。
おまけ:マウンテン・ライオンが、シャーマンの幻影に出てきますが、これは私たちがよく知っているライオンでなく、
ピューマとかクーガーとか呼ばれ、かつて南北アメリカ大陸に最も広く分布していた大型のネコ科の肉食獣です。
◇ Lord of Scoundrels / Loretta Chase 語数:95,998語 ISBN:0380776162
(101 customer reviews)
1795年5月、Dain侯爵3世とイタリア人女性との間に生まれたSebastianは、母方の家系から褐色の顔と、
黒曜石色の目と、漆黒の髪だけでなく、大きな鼻を受け継ぎ醜いと思われていました。幼いうちに、母親は男と
逃げるし、父親からはうとまれて、寄宿学校に放り込まれ、学友からはいじめを受けます。
大学に進んだ彼は、力よりお金ということを学び賭け事で稼ぎます。稼いだ金の半分は、商売女につぎ込み、
残りの金で競馬馬を購入して、さらに稼ぎます。24歳の時、父の死が知らされ、Dain侯爵4世となり、莫大な
家と土地と、借金を引き継ぎます。商取引の世界に踏み込み破産の危機にあった会社を立て直したこともあり、
父親の借金など造作もないことでした。不要な物や使用人を整理し、家計を立て直した後、パリに向かいます。
以上が、プロローグでしたが、ヒロインが登場しませんので、次に行きます。
1828年3月パリJessica Trentは、愚かな弟のBertramが賭け事で身を滅ぼす前に、彼に悪影響を与えて
いる悪名高きDain侯爵とその取巻きから縁を切らせようと、祖母と一緒にカレーから会いに来ます。
彼女は27歳で、祖母から魅力的な顔立ちと、優雅さを受け継ぎ、亡き父親からは知性、運動能力と、勇気を受け
継ぎ、何をやらせても家族で一番でした。彼女なら、何とかしてくれるだろうと彼の使用人はひそかに期待します。
二人は宝石店で出会いますが、侯爵は彼女を一目見て「Miss Trent」と言ったきり声を失ってしまいます。
また侯爵は、彼女が彼の黒い瞳に魅了されたことに驚きます。普通、若い女性は彼を見て気を失うか、少なくとも
嫌悪感を顕わにするからでした。
以上が、第一章でした。さてこの遊び人と、気の強そうなヒロインとのロマンスはどうなるのでしょうか。
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この作品の感想を述べるとするならば、面白かったと言うより、すごかったと言うほうが正しいでしょうね。
人気作品ということで期待して読み始めたのですが、先の紹介文だけからですと、どうして人気なの?でしたが、
ヒロインが侯爵のことを思い「あんなこと」や「こんなこと」を想像し始めたころから盛り上がり、第7章の最後に
ヒロインがとんでもない行動をとったところから俄然面白くなります。ネタバレになりますので、あまり書けませんが、
他にもええっ!?というような、山場、名場面、名言がぎっしり詰まっています。
できることなら「ネタばれトークで語り合いたい」ですね。どこがよかったの?と尋ねると、みなさんそれぞれ違うところ
を挙げられ、それぞれ感想を述べられると思います。ほかの人の感想を聞いて、えっ?そうだったっけと、少し
飛ばしてそこに気付かなかったとしたら、また再読したくなるそんな作品です。かなりsensual and eroticな場面も
ありましたので、数人で集まって、こっそりと楽しみたいですね(笑)
この本を読んだことのある人には、私が何をいいたいのかよくわかってもらえるでしょうが、そうでない人のために
一般的な評価を紹介します。1996年のRITA Best Short Historical 部門受賞、
AAR (All About Romance)サイトの読者人気投票では、1998年第五位、2000年、2004年とも第一位に選ばれ、
先日発表された今年2007年の投票でも三度目の第一位、こんな大大大大〜人気作品なのです。
こんな大人気作品ですが、なぜか邦訳は出ていません。多読をしていたからこそ読めたことに感謝!!×5
◇ An Offer From a Gentleman / Julia Quinn 語数:95,864語 ISBN:0380815583
(もう一度だけ円舞曲(ワルツ)を 129 customer reviews)
Sophie (Sophia) Maria Beckettが、Penwood伯爵の私生児だということは皆が知っていました。
でも彼女が3歳の時、伯爵家の入口に置き去りにされていたところを見つけられた時から、召使たち
からかわいがられていたので、伯爵の言う「古い友人の孤児」ということを信じるふりをしています。
でも二人を見れば、誰でも親子だとすぐにわかりました。彼女は、被後見人として育てられますが、
10歳になった時、伯爵は同世代の二人の女の子をつれた女性と結婚します。継母は、一目で彼女の素性を
見抜き、彼女を嫌い、娘二人に仲良くしないように言いつけます。
彼女が14歳になった時、突然伯爵が40歳の若さで、心臓発作で亡くなってしまいます。嫡子に恵まれなかった
継母に残された遺言は、Sophieが21歳になるまで面倒をみないと年金を3分の1にするというものでした。
彼女はいやいや承諾しますが、Sophieには、遺言の内容すべてを知らせませんでした。
以上がプロローグですが、ヒーローが登場しませんので、続けて第一章に行きます。
1815年5月英国ロンドン、Sophieは召使としてこき使われていました。Bridgerton家の仮面舞踏会に出かける
継母と、連れ子のふたりの身支度にてんてこ舞いして、ホッとしたのもつかの間、Housekeeperは彼女の
腕をつかんで、「時間がないの、早く来て」と彼女をせきたてます。
亡き伯爵の血を受け継ぐ彼女が不当に扱われてきたのに業を煮やした召使たちが、せめて一度だけでもと、
伯爵の亡き母の銀色のドレスでSophieを変身させ仮面舞踏会に送り込もうと計画します。そして継母たち
に見つからないように午前零時には帰るように約束させ、馬車に乗せて送り出します。
以上が、第一章でしたが、まだヒーローが登場しませんね。続けて第二章に行きます。
Benedictは8人兄弟の2番目、爵位こそありませんが、ルックスの良さ、感じのよい振舞い、さらに財産
から結婚市場では大人気。今日も母親の言いつけで、嫌々仮面舞踏会に出席します。そこでSophieに会い
ほかの女性には無い、彼女の幸せと喜びに満ちたオーラに一目で惹かれてしまいます。
ダンスを申し込みますが、彼女は踊り方を知らないと言います。それなら教えてあげようと、一緒に
楽しい時を過ごしますが、午前零時の鐘の音を聞くと、彼女は逃げるように去って行きました。
以上が、第二章、第三章です。さて、リアル(?) シンデレラ物語は、どう展開するのでしょう。
いろいろ書いているようですが、小ネタ満載でここまででも十分楽しめました。ガラスの靴こそ
登場しませんが、ヒーローはどうやって彼女を探し出すのでしょうか。
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Julia Quinnの作品だけあって、スラスラ読めます。シンデレラストーリーもリアルさと追及するとこうなるのかという
展開が面白かったですね。おとぎ話のようには、簡単にはハッピーエンドになりませんし、ロマンス本ですから、
途中からは「人魚姫」かい?という方向に進み、最後まで楽しめました。
本作品で特筆すべきは、母親Violetでした。終りの方では、Benedictがかすんでしまうくらい、いい味出してます。
第一作、二作とも兄と弟に比べて印象が薄かったですが、本作品では、後半までは謎の女性と、ヒロインへの思い
で悩むヒーローとして好印象を与えてくれていたのですが・・・(笑)
この作品は、Julia Quinnの最初の翻訳本にもなっていますが、なぜシリーズの3番目から?という疑問を
前々回の投稿で書きましたが、それを払拭しましたね。第一作、二作のネタばれはありませんし、シンデレラ
ストーリーというなじみ深い物語で、日本の読者をつかむ出版社の作戦は成功したのでは と思います。
◇ Rules of Surrender / Christina Dodd 語数:92,441語 ISBN:0380811979
(異国の子爵と月の令嬢 64 customer reviews)
1939年3月ロンドン、Adorna Ruskin子爵夫人は、名刺を片手に、以前はファッショナブルな通りであったが、
今は少し古びた家を訪ねます。そこは、Miss Setterington’s Distinguished Academy of Governessesという
家庭教師派遣会社でした。先客の伯爵夫人がおりましたので、少し待たされた後責任者に合うことになります。
出て来たMiss Setteringtonを見て、その若さに驚きますが、伯爵夫人も顧客のここなら安心だろうと、二人の
孫たちが外国育ちで、英国流の躾がされていないので教育して欲しい、すこし野蛮な性格のため、強固な道徳心
となにごとにも屈しない気質を持つ家庭教師をお願いしたいと申し入れます。それならふさわしい人がいると
紹介された、若く美しいCharlotteを見てさらにびっくりします。
『まだ話してないことがあるけど、そのうちわかることだし、高い金を払っているのだから』と、心の内で思い帰って
いきます。ドアが閉まった途端、Miss Setteringtonは喜びの声を上げCharlotteに抱きつきます。先ほどまで
伯爵夫人の変装をしていたPamelaもそれに加わり、祝杯の準備を始めます。実は、彼女たちは会社を立ち上げ
たものの、まだお客がいなかったので、早く契約を取るための作戦でした。
以上が、プロローグでしたが、ヒーローが登場しませんので、第一章に行きます。
Ruskin家に馬車で向かう道中、夫人は息子Wynterの話をします。実はCharlotteは彼のことを知っており、
12歳の時恋心を抱いたことがありました。彼は15歳の時、父親を失った悲しみで家出して、アラビア半島で砂漠の
民と一緒に暮らして、二人の子供をもうけたことを話しますが、彼らの父親のことは話題に出てきませんでした。
家に到着したとき、ポーチに、背が高く、肩幅も広く、野性的に長いブロンドの髪の毛を持つ男が立っています。
近づいてみると彼は裸足でした。Charlotteが、どなたかと尋ねると、「私の息子、私を苦しめるために墓場から
帰って来たのよ」と、子爵夫人は答えます。
以上が、第一章でした。さて、Wynter Ruskin子爵と、Charlotteのロマンスはどう発展していくのでしょうか。
また邦訳の「月の令嬢」って何のことでしょう。
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これも「美女と野獣」ものでしたが、面白かったです。特に最後の10数頁で今までの謎(?) も解け、
ハッピーエンディングを迎えますので、なおさら読後感が良かったですね。
でも、長年砂漠の民と暮らしその価値観を大事にする(野蛮人)ヒーローの『あんた、それ本気で言ってるの?』的な
発言を、お堅いヒロインが(やっと得た仕事だからと)一生懸命相手をするところは、笑っていいのか、かわいそうと
感じるべきか、ちょっと悩むところもありました。当然、ラブシーンも激しい(笑)です。
脇役のヒーローの息子と、娘、ともに砂漠育ちと、お母さん、若いころはその美貌で英国中の注目を集めていたとか
が、ヒーローとヒロインのロマンスを盛り上げるのに重要な役割をはたしています。
結局、「月の令嬢」って何のことかわかりませんでした。少なくともヒロインは、伯爵令嬢の生まれですが。
本作品はGoverness Bridesシリーズの全7作の第一作で、物語のなかで二作目のヒロインの仕事の話が
少し出てきて、次回作への期待を持たせています。その本の紹介は、後半で。
◇ Saving Grace / Julie Garwood語数:128,663 ISBN:0671870114
(106 customer reviews)
1200年、イングランドBarnslay修道院、Hallwick司教がキリスト教における序列を修道僧たちに説明します。
守護天使を筆頭に、天使たち、使徒たち、法王、人間たち、動物たちと。ひとりが「女性たちは」と質問します。
司教は「忘れてはおらぬ、一番最期じゃ」と答えます。当時神の教えは、教会を通して伝えられると多くの男性は
信じてきましたが、一部の女性は、もっと分別がありました。そんな女性のひとりが、この物語の主人公です。
以上が、プロローグでしたが、ほとんど紹介になっていないので、第一章に行きます。
1206年イングランド、執事Kelmetは、Lady Johannaに夫Raulf卿の死を伝えなければなりません。
途中でMacKechnie神父に会い、同行を求めます。彼女は夫の死により、三分の一の領地を相続しますが
ジョン王がスコットランドから奪ったMaclaurinの土地も含めて、それは大変な広さです。幼いうちに
結婚した彼女はまだ若く、当然再婚すべきなのですが、不妊症という問題を抱えていました。
彼女は祭壇の前で祈りを終え、王の悪事を証明する書き物を手にします。破棄しようと考えましたが
いつかは正義が下されることもあるだろうと、大理石の厚板の下に隠します。そして、そこから出よう
としたところに、二人がやってきます。神父は、彼女の美しさに、神の創造力のすごさを感じます。
夫の死を告げる言葉に、彼女は「そんな嘘は聞きたくない」と泣き崩れます。介抱しようとする彼らに、
彼女は、間違いなく夫は死んだのねと再確認し、ひとりにしてほしいと告げます。二人が出て行った後、
彼女は神に祈ります。「Thank you, God. Thank you, God. Thank you, God.」
以上が、第一章ですが、ヒーローが登場しませんね。続けて第二章にいきます。
1207年スコットランド、ハイランド(州)、英国人Nicholasは重苦しい気持ちで、領主McBainに会い
に行きます。彼は以前彼らと一緒に戦ったことがあり、傷ついた彼を介抱したことで貸しを返したと
考えていたMcBainは「ここには帰ってくるなと、言っただろう」と刀を抜き、一戦交わります。
戦いの中でNicholasは、McBainに妹Johannaと結婚してくれないかと申し出ます。驚く彼に、
ジョン英国王が、彼女がある秘密を知っているのではないかと疑い、忠臣のWilliam卿と再婚させ、
支配下に置こうとしていること、またこの地は彼女が相続したので、この結婚により新たな争いが
始まる可能性があることなどを話します。
McBainは、Johannaと結婚すれば、彼女の所領も手に入るし、すでに息子は一人いるし、多少頑固
そうな女でも我慢しようと決心します。
以上が、第二章でした。おそらくGarwoodの作品らしく、野蛮に見えるが実は優しい心の持ち主の俺様
ヒーローが、愛らしいヒロインにメロメロになるというパターンで展開するでしょうが、ジョン王の
秘密をつかんでいるというヒロインが、どんな運命をたどるのでしょうか、楽しみです。
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全体としては予想通りのパターンではありましたが、ヒロインが最初はすごく臆病だったのですが、
嫁ぎ先の領民は、ある歴史的背景から二つの氏族から構成されているため暗黙の決めごとがあることや、
いくつかの事件を経てヒロインが成長し、自分の価値観から納得いかない事態を改善しようと腕をふるう
ようになるところも面白かったです。そして最後の山場 ジョン王の一派と対決では、すかっとする
終わり方でとっても満足しました。
このイングランド王は、歴史的には「ジョン失地王」とも呼ばれ、この物語の8年後、1215年 例の
マグナカルタを認めた王です。この本の中でも、それを匂わす発言もあり、陰謀も歴史的事実を絡めて
いますので、その点もちょっと面白かったです。
エピローグは、プロローグを受けた形で書いてあり、最後の一行が笑えますので、最後まで読みましょう。
ところで、本分の最後にShe was his saving grace.という文も出てきますが、
タイトルの「Saving Grace」とは何でしょう。ネットのCambridgeを調べると、
a good quality that something or someone has which stops them from being completely bad
日本語で端的に説明できる単語はなさそうですね。
◇ Rules of Engagement / Christina Dodd 語数:93,667語 ISBN:0380811987
(39 customer reviews)・・・Governess Bridesシリーズの第二作です。
今日はひと月の内で最良の給料日。雨が降りいつもより早く暗くなっているロンドンの住宅街を、家庭教師を職業に
しているMiss Pamela Lockhartは、仕事の苦労が報われて、心はずんでスキップしながら家路を急ぎます。
突然、スカートが引っぱられます。なにかに引っかかったのでは?と見ると、男が「財布をよこせ」と、手にナイフを持って立っていました。思わずバッグをつかむ彼女に、男のナイフの切っ先は、彼女のコルセットを突き抜けて…
同じ頃、Miss Hannah Setteringtonは、18歳の少女の面接をしています。そこに突然のDevon Mathewes、
Kerrich伯爵が訪ねてきます。彼の不作法な態度にHannahはむっとしますが、そこを押さえて要件を
聞くと「家庭教師を必要としている」と言います。男やもめと察し「お子様は、何人ですか」と尋ねると
「子供はいない」と答えます。面食らう彼女に、彼は「こどもひとりも、ついでに必要だ」と言います。
以上が、第一章でしたが、いまいち設定がよくわかりませんので第二章に行きます。
銀行家でもある伯爵の狙いはこうでした。彼の祖父が設立し、苦労の末に得た銀行の評判を彼のせいで落とした
くない。そのためにも、人徳あるひとと見られるために、孤児をひきとり面倒を見ることにした。Hannahは、社交界と
ヴィクトリア女王の目を欺こうという計画にあきれて、断ろうとします。
伯爵は、フルタイムで家庭教師をしているたった一人も結婚でやめてしまい大きな収入源がなくなることなど内情を
よく知っており、現金を見せ、さらに高額な必要経費や給金も提示します。ただ、家庭教師の条件として、周囲から
羨望を集めない容貌で、現実的に物事を考える、年配の女性がよいというのです。そんな女性なら結婚願望も
なく、ハンサムな自分に希望ももたないし、我が家で失恋にため息をつく女性も見なくてすむと言います。
期限を言って伯爵が帰ったあと、隣で話を聞いていたPamelaがこの仕事を引き受けると申し出ます。
無理しなくいいのよと言うHannahに、彼女は女王陛下や若き日の伯爵に会ったという秘密を話します。
また老婦人が残して行った服を着て、年配の女性のようなメイクをすれば若い私でも伯爵の要望に合わ
せてみせるといいます。その時、様子が変だなと感じたHannahに、Pamelaは背中の傷を見せます。
当座の資金を奪われた彼女らに、選択の余地はありませんでした。
以上が、第二章です。傲慢なヒーローと、ブス&ふけメイクで挑むヒロイン(ほんとは美女)のロマンスは
どう展開するのでしょう。
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第二章までですと、変装なんかすぐに見破られて、ヒロインの美しさにヒーローがメロメロになって という予想が
立ちますよね。でも変装がばれないうちから彼女に惹かれて、自分はどうしたのだろうと伯爵が悩むところから
ロマンスは展開していきます。また選ばれた孤児が☆☆☆だったり、銀行ではある疑惑があったり、ある高貴な方が
伯爵の秘密つかんでいたりなど、いろいろなエピソードがうまく絡み合い、さらに最後の最後まで気を持たせる
展開でとても楽しめました。
引き取った孤児や、特に伯爵の祖父は重要な役割をはたしていますし、さらにヴィクトリア女王(21歳で、
結婚したばかり)も登場し、物語を華やかに面白くしています。
どうでもいい話ですが、最初にタイトルを見たとき、ええっ「交戦規則」と驚きました。アクション、特に戦争映画で
この言葉が出てきますし、TVドラマ スタートレック・ディープスペース・ナインでは、このタイトルのエピソードが
実際にあり、軍法会議にかけられる軍人の話となっています。
◇ Heaven, Texas / Susan Elizabeth Phillips 語数:119,874語 ISBN:0380776847
(ロマンティック・ヘヴン 85 customer reviews)
冒頭「ボディガードなんて、くそくらえだ」と、アメフトChicago Starsの元スター選手Bobby Tom Dentonは、
友人でもある弁護士のAikensに向かって言います。ひざの怪我のため33歳で引退することになった彼は、
そのハンサムな容貌と、微笑みで女性をとりこにする魅力で、映画俳優として再出発することになりました。
彼の故郷でもあり、希望で決まったロケ地Teralosa、テキサス州に撮影隊が待っているのに彼が現れないので
映画会社が人を派遣することになったのです。それはボディガードではなく、Gracie Snowという女性でした。
彼女(30歳)は初めて重要な仕事を任され、意気込んで夜9時半にミシガン湖のほとりにある彼の家を訪ねます。
家の中では、なにか怪しげなパーティをやっており、彼女は余興に呼ばれたストリッパーと間違われ服を脱がされ
そうになります。なんとかBobby Tomに近づき個室で話があるからと言うと、彼は別のことを期待しているようです。
さらに彼の友人が近づいてきて「この子も、妊娠していないことを願うよ」と言います。
以上が第一章でしたが、これではなんですので第二章に行きます。
書斎は、アメフト界での彼の功績をたたえる神殿のようです。ただ彼女が頭にくることに、彼は彼女がストリッパー
ではないことを見抜いており、さらに「夜の仕事をするなら、服を脱ぐよりコンビニの店員にでもなることを考えた方が
いいよ」などと言います。彼のキラースマイルにめげず、翌日午後のフライトで現地に飛ばないと、訴訟問題に発展
するからとなんとか説き伏せ、11時にピックアップするからと言い残し帰ります。
彼の突然の同意に疑問を感じた彼女は、翌朝8時に彼の家に行きます。案の定、年代物の赤いサンダーバードが
出てきたので、車で行く手をふさぎます。契約を破るのねと言う彼女に、彼は車で一人で行くことにしたと告げます。
同乗させてくれればお礼をすると言う彼女に、具体的に何してくれるのかと彼は聞きます。彼女はあれこれ考えを
めぐらします。(この間のやり取りは、大変面白いです) で結局、じゃましないかぎり同乗が認められました。
以上が第二章でしたが、まだ話が盛り上がらないので第三章に行きます。
道中で、彼はある酒場に立ち寄ります。そこで彼女は、彼の交友関係や、家族のことなどを少し知ることになります。
また深夜彼がチェックインしたホテルの部屋に入れてと押し掛け、アダルトビデオを一緒に見たりします。彼女は
当然のことながら、道中で彼の魅力に惹かれ妄想を抱きます。彼も、一緒に旅を続けることはまんざらでもない
ようですが、彼女は彼のタイプではないからと、翌朝別れる決心をします。
以上が、第三章62頁まででした。さてこの後、二人のロマンスはどう展開していくのでしょうか。淡々と話が進んで
いますね。他で紹介しているヒストリカルロマンスでは、とっくに大きな展開があるのですけどね。
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前回紹介した「It Had to Be You」と同じく初めのころは展開がかったるかったのですが、80頁過ぎた頃、
ちっとも協力的でないヒーローのせいで、ヒロインが解雇されてしまい、ある人物が登場したころから物語は大きく
展開します。そして終盤では、大喧嘩あり、大告白あり、(大)懇願ありと思いっきり盛り上がります。
読後が爽快なのは、いいですね。ただ最後の実質2頁は余分ではと思いますが、作者は最後の半頁が
書きたかったのでしょうね。
タイトルのHeavenと、物語が展開するTeralosaとの関係ですが、前者が昔の地名で、後者が現在の地名という
設定になっています。どうしてそんな名前が付けられて、後で変更されたのかは第三章で説明されています。
◇ Romancing Mister Bridgerton / Julia Quinn 語数:98,198語 ISBN:0380820846
(175 customer reviews)
1812年4月ロンドン、16歳の誕生日を二日後に控えたPenelope Fetheringtonは、Hyde Parkを母と姉二人、
Bridgerton子爵夫人親娘と散歩していました。二人の男が馬で疾走して来るのに気付きます。その時、
風のいたずらか彼女の帽子が飛ばされ、一方の男の顔を覆ってしまい、彼は泥の中に落馬します。
慌てて駆け寄る彼女に、当然怒っていると思っていた彼は泥を払いながら立ち上がり、彼女に笑いながら、
「僕としたことがうまくいかなかったね」と語りかけます。この瞬間、彼女は彼に恋をしました。
お詫びの言葉を述べる彼女の言葉をさえぎり、連れの若い女性に彼は声をかけます。彼は彼女の兄、
Colin Bridgertonでした。幼い彼女でも、彼が将来夫となる可能性は無いということはわかっていました。
翌年彼女は社交界にデビューします。また社交界のゴシップ新聞Lady Whistledown Society Ppapersが
週3回発行され始めた年でもありました。最初の2週間は無料でしたが、その後法外な料金を要求する
ようになりましたが、その頃には皆それ無しではやっていけなくなっていたのでした。
記事の中でたびたび彼女の衣装は酷評されますが、社交界では、Lady Bridgertonはやさしくしてくれ
ますし、同い年の娘Eloiseとは友達となり家に招かれることもあります。チャーミングなColinにも会う
ことが出来て、ますます彼への恋心は募ります。
5度目のシーズンを迎える頃には、恋心を抱いたまま、別の人に嫁ぐことなど考えられなくなってきます。
ある日、ちょうどBridgerton家から出ようとした時、兄弟3人の話し声が聞こえてきました。玄関に
着いたときColinの「僕は絶対Penelopeとは結婚しないぞ」という言葉が聞き取れます。驚く彼女の声に
3人は彼女に気づきます。彼女は、彼に向かって「私は結婚してくれって頼んだ覚えはないわよ」と
言い残し、長男Anthonyに付き添われ失意のうちに帰っていきます。
翌日このことが記事に載り、もし彼女が兄弟誰かと挙式をあげることがあれば、この世の終わりだとさえ
書かれます。それから7年が過ぎ彼女は28歳になっています。一方Colinは外遊ばかりしており、たまに
出会っても態度はよそよそしいだけでした。報われない恋は、一筋縄ではいかないものですが、彼女は
それに慣れてきていました。
以上がプロローグでしたが、ふたりのロマンスは、これからどう発展していくのでしょうか。
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初恋から、何年も慕い続けるヒロイン、そしてあきらめかけた時…。前3作では、少し太めだの、服のセンスが悪い
などと言われてきた彼女が、実は知的で感受性が強く、芯も強い女性であったということで、彼女の魅力で読ませる
作品ですが、一方その魅力に惹かれながら、その気持ちがなんだろと悩むヒーロー。この二人の葛藤が、ロマンス
を盛り上げ楽しめます。
この物語には別のプロットがあります。10年以上謎だったLady Whistledownが誰だろうという謎解きです。
社交界で「誰?」という謎解きが盛り上がり、みなが知り合いや家族を疑ったりしていく中で、いろいろ
登場人物たちのことがわかっていく過程が物語を面白くしています。
献辞に、Lisa KleypasとStephane Laurensの作品の登場人物を使用させていただいたことへのお礼が
書かれています。Laurensは読んだことがないのですが、Kleypasの方は「Dreaming of You」の
ヒロインに関連する物が第一章で小道具として使われているのは気づいたのですが、他にもあるのかな?
知っていなければ楽しめないわけではありませんが、読者サービスとしてはちょっとうれしかったです。
◇ Slightly Married / Mary Balogh 語数:106,236語 ISBN:0440241049
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1814年4月フランス、Toulouse、英国軍はナポレオン軍との戦いに勝利しつつあり、砲撃の音は止んでいましたが
あたりは死傷者でいっぱいでした。Colonel Bedwynは、撃たれたCaptain Morrisに助けの手を差し出します。
彼は最後の頼みを聞いて欲しいと言います。2年前の戦いで、命を助けたられたことがあったBedwynは、なんでも
すると約束します。頼みとは、自分の遺言「喪に服さず、喪服を着ないで欲しい」を、彼の妹に直接知らせてくれ、
また、彼女を守ることを約束してくれというものでした。
固く誓うと言うBedwynの言葉を聞いて、Morrisは息を引き取ります。約束はしたものの、彼女に会ったこともなく
どこに住んでいるかも知りません。また、何から、あるいは誰から彼女を守るのかさえわかりませんでした。ただ、
彼の最後の言葉「No matter what!」の3語が彼の耳にこだまします。
以上が、プロローグでしたが、ヒロインの説明がほとんどないので次に行きます。
1814年英国オックスフォードシャー州Ringwood領、Eve Morrisは亡き父の弟の未亡人Mariと、二人の子供
たちと一緒に住んでいます。5月の朝谷間で、子供たちと花摘みをしている時、家庭教師の親子を見ながら、少し
うらやましく感じます。
でも、あと一週間もすれば父親の喪も明け、そしてJohn(?)が帰ってくれば、恋していることも世間に公表できるし、
ナポレオンは降伏したと聞いているので、兄のPercyももうすぐ帰ってくるだろうから、また幸せな日々が戻って
くるからと自分を慰めます。そこに鍛冶屋のCharlieが、訪ねてきた人がいるからと呼びに来ます。彼は赤い軍服を
着ていると聞いて、上り坂も苦にせず急いで帰ります。
そこに待っていたのは兄ではなく、彼の上司のColonel Lord Aiden Bedwynということを知り、また彼の軍の正装
から、彼女は即座に事情を理解します。彼は彼女に、Captain Morrisの戦死の状況と遺言を伝えます。さらに
彼女を守ることを約束したが、今日はショックを受けているだろうから、明日出直して来た時に、何をすればよいか
教えてほしいと言い、宿に帰っていきます。
以上が第一章でしたが、これではなんですので第二章に行きます。
居心地の悪い宿の中で、Aidenは約束を果たすためにはいつまでかかるのだろうと考えます。翌朝、訪ねた彼に
直接訪ねて来てくれただけで十分で、彼の助けなどいらないと彼女は告げます。しかし最後の力を振り絞って、
約束を取り付けたMorrisのことを考えると放ってはおけません。さらに事情を聞くと、この土地は彼女が父親から
受け継ぎ別段金に困ってはいなさそうです。別れの挨拶をし、立ち去っていく彼は、気まずい思いを抱えています。
8年間仕えてきた部下が風邪で寝込み部屋で食事が取れず、彼は階下に降りてきて昼食をとります。彼のことは
村中に広まっており、宿主他の村人が話しかけてきます。その話の中で、彼女は慈善家で、学校を作ったり、
産婆を彼女の費用負担で村に迎え入れたり、二人の子供は養子として育てていることを聞かされます。
しかし、亡き父親から土地を受け継いだものの、それは1年間だけで、その後兄に譲渡されるはずだったけれど、
死んでしまったため、いとこのCecilに譲渡されることになっていることを知ります。彼は、なぜ彼女はこのことを
だまっていたのかといぶかしがります。そのため、翌朝故郷に向かって出立する気にはなりませんでした。
以上が第二章でした。いろいろ問題を抱えながらも、自分で何とかやっていこうという自立心のありそうなヒロインと、
軍役が長く、部下との誓いに囚われているヒーローとのロマンスは、この先どう展開していくのでしょうか。ヒロインの
元彼(?) はどうからんでくるのでしょうか。いっぱい紹介文を書いた割には、さっぱり先が読めません。
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前回紹介した「A Summer to Remember」から始まったシリーズの第一作です。
ヒーローは、18歳で入隊し12年間の軍役生活で、無口で感情を表に出しません。この後、ヒロインの窮状を
救うため形ばかりの結婚をします。そして自宅に帰って行ってしまいます。(ここまでは、全然盛り上がりません)
ところが、ヒーローは公爵家の次男で、兄の現公爵が独身のため、場合によってはヒロインは公爵夫人になる
可能性あるから、女王様を含めて世間にお披露目せねばというところから物語は大きく展開します。
ロマンスですから、形だけの結婚から真の結婚へと発展していきます。田舎育ちで、あまり外見に気を使わなかった
ヒロインが華麗に変身していき、一緒に踊る過程で二人の愛が始まって行きます。そして元彼(?)や、ある女性の
出現やらでお互い嫉妬心もかきたてられ、ある事件が起きたところで、やっとヒーローが「love」と呼びかける…。
ここまでで、4分の3が過ぎます。というくらい、他の作品のようにはロマンスはなかなか発展していきません。
でも私は、このゆっくりさ加減が、しっとりといい感じを出していると思います。この物語の中では、義務と名誉に
生きる人間味のあまり感じられない兄のBewcastle公爵が、その「義務と名誉に生きる」やりかたで、いい味
出しているのも面白かったですね。(シリーズ最終巻では、彼がヒーローだそうですが、どんなロマンスが
展開するのか、今からとても楽しみです)
■最後に
今回もたくさんの面白い本に出会えました。
AAR (All About Romance)サイト[url:http://www.likesbooks.com/]の読者人気投票のことを書いていますが、
これは読者からの投票で、「Top 100 Romances」を決めるものです。その結果を読むと結構人気作品を読んで
いることがわかります。2007年のランキングの内、21冊は読んでおり(まだ40冊しか読んでいないのに)、
かなりの確率で人気作品を読んでいたようですね。道理で、面白い本がたくさんあったわけだ(笑)
また未読で18冊持っていますので、これからも楽しめそうです。そうそう、GRでしか読んだことありませんが、
古典のPride and Prejudice、Jane Eyre、Persuasionもランクインしています。
途中でTVドラマ スタートレックのことを書きました。この作品当然SFということになっていますが、異星人どうしの
ロマンスがいろいろ登場します。(もちろん、人間どうしもありますし、生物でない者?の恋もあります)
生物学的にはどうだろうという疑問を脇に置いて、価値観が異なる異文化間のロマンスはかなり楽しめました。
私がロマンス本に抵抗がなかっただけでなく、素直に楽しめるのは、実はこういう背景があったからなのかも
しれませんね。スタトレファンのそこのあなた!ロマンスも楽しめるかもよ(笑)
と書いてきて、知らなくてもよかったことに、今気が付きました(笑)
それは、異星人=(中には)人間以上の能力を持つ人 たちのロマンスが楽しめる
⇒ パラノーマルも楽しめるかもしれない ということです。
ヒストリカルを主食に、コンテンポラリーをおやつにロマンス本を楽しんできていますが、
この先どうなることやら。現在約50冊の未読本があるので、約1年は安泰のはず・・・
では、次回折り返しの500万語報告は、来年2月の初めごろになりそうです。
Happy Reading!
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