[掲示板: 〈過去ログ〉英語で趣味を楽しむ -- 最新メッセージID: 1605 // 時刻: 2024/12/29(17:29)]
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297. Re: [杏樹さんへ] 狄仁傑シリーズ登場キャラのカタカナ読みを教えて下さい。
お名前: 杏樹
投稿日: 2004/9/12(23:03)
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derfelさん、こんにちは。
〉世界史堂の庵主様、今晩は。
なんか、新しい名前が出来てる…
〉 掲題にも書きましたが、狄仁傑シリーズ登場キャラのカタカナ読みを教えて下さい。訳本を探し出して読んで下さいと言われたら、その通りなんですが、大昔と違って、基本的に訳本は買わないことにしてるので、お手数ですが宜しくお願いします。
〉 対象の本は The Chinese gold murderers (中国黄金殺人事件)です。
〉 主人公の県知事 狄仁傑(Dee Jen-djieh)は、ディー・レンチェ らしいとwebを見て判りました。
これは現在の標準のローマ字表記ではありませんね。
狄仁傑はDi Ren jieでティー・レンチエ
でも英語でそんな本が出てるとは。陳舜臣も唐時代のミステリーを書いてますけど。
〉・Hou Liang (洪亮?)
Houで姓になるのはIMEパッドでも出ませんでした。后におおざとで「こう」と読みます。Liangは亮でいいでしょう。
〉・Ma Joong (馬栄or馬隆?)
Maは馬、Joongというつづりはウェード式ローマ字にもないつづりですので不明。
栄か容あたりでしょう。
〉・Chiao Tai (喬泰or晁泰?)
喬泰でよさそうです。
的中率高いですよ。
さて、中国語のローマ字表記についてお伝えしておきます。
現在では「ピンイン」という標準表記が定められいます。習慣的な表記や、この表記が採用される以前の本などから、外国ではこのピンインからはずれた表記も行われますが、固有名詞などは次第にピンイン表記に変わってきています。たとえば「北京」は古い表記ではPekingですが、Beijingというピンイン表記に置き換えられてきています。
このピンイン表記は、中国語を勉強する人が必ずテキストで出会う「音韻表」に全てまとめられています。音韻表は日本語の五十音図と同じ原理で、母音と子音を縦・横に配列したものです。中国語の方が音がはるかに多いので、日本語の五十音図よりも何倍も大きな表です。これを見れば母音と子音の相関関係が全てわかるようになっています。
ピンインは「読み方にクセがある」とかきましたが、これは中国語の音が他の言葉にないものが多く、それをローマ字表記に当てはめようとしても適当な音がないため、独自の法則を決める必要があるからです。ウェード式ローマ字はさらに独特の記号や独特のつづり方を考案していますが、現在ではピンイン表記が一番合理的で、対外的にも推進されている表記です。今の中国語学習者は全てこのピンインで読み方を覚えます。こちらもピンイン表記の方が音がわかって漢字も推測できてありがたいです。中国語を習ったことがないとどう読むかわかりにくでしょうけれど、中国語の音は習ったことがない人には発音が出来ない音が多いので、正確に読むのはあきらめた方がいいです。
ついでに中国語の標準語について…
現在の中国で共通語として定められている「普通話」は、清代の「北京官話」がもとになっています。北京官話はその通り官僚言葉、お役所言葉です。方言の差の激しい中国では、色々な地方からやってきて官僚になる人が互いに通じ合うよう、北京方言を元に作られました。一種の人工語ともいえます。ですから母音と子音の相関関係もきっちり体系化されているのです。
このとき発音を表すために「注音字母」という記号が考案されました。基本的に母音と子音の組合せを表します。ピンイン表記はこの母音と子音の組み合わせをローマ字にあてはめたものです。
それでは…。
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