[掲示板: 〈過去ログ〉英語で趣味を楽しむ -- 最新メッセージID: 1605 // 時刻: 2024/12/27(17:56)]
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165. Re: 世界史クラブ活動報告 (予定変更で)ORT編(上)ver.1.0 長いです
お名前: 杏樹
投稿日: 2004/5/22(22:49)
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akoさん、こんにちは。
ORT編、力作お疲れ様でした。ORTも世界史的な視点で見ることができるんですね。私が多読を始めた頃はORTは開発されてなくて、多読セットにもなかったので、未読のまま来てしまいました。でもこれを読むとORTも読みたくなってきました。
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〉■ORTステージ1■
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〉読んだシリーズ…全18冊(6冊×3シリーズ)
〉Kipper Stories ・ Frist Words ・ Biff and Chip Stories
〉◆Biff and Chip Stories シリーズから◆
〉「The Hedgehog 」(総語数2語)
〉どの文化圏でも、幼児・小学生が読む本に出てくる動物は、
〉その土地で頻繁に見る生き物だと思います。
〉日本では見慣れない動物が、英米では当たり前に人里近くにいることを知り、
〉世界地理(自然地誌)の違いを実感しました。
〉「他国を知る」とき、自然環境の違いにも目を向けると、
〉異文化理解が奥行きの深いものになると思います。
〉◆Biff and Chip Stories シリーズから◆
〉「The Apple」(総語数2語)
〉非常に背の高いリンゴの木が登場しますが、リンゴの木は、旧約聖書の冒頭に出てくる点で、
〉欧米文化の基底にある重要な植物です。
〉キリスト教家庭の子どもの場合は、教会で、リンゴの木が登場する物語に接することも多いでしょう。
〉英語圏の文学作品に、隠喩として象徴的に登場することも多いリンゴですが、
〉このような幼少期から馴染んでいるのかと、改めて驚きました。
総語数2語の本でもこれだけのものを得ることができるんですね。
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〉■ORTステージ1+■
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〉読んだシリーズ 全18冊(6冊×3シリーズ)
〉First Sentences ・ More First Sentences Pack A ・ First Phonics
〉◆ More First Sentences Pack A シリーズから◆
〉「Look After Me」(総語数約40語)
〉主人公の子どもたちが、自分たちよりももっと小さな子を預かって、一緒に遊ぶ楽しいお話です。
〉小さい子は黒人の女の子です。早い段階から、人種の違う子どもが登場し、
〉皆でかわいがって一緒に遊ぶって素敵。
〉akoには、黒人との混血の甥がいるので他人事とは思えませんでした。
〉ORTで育つ子どもたちが大人になる世界を想像していると、幸せな気持ちになります。
日本人には単一民族幻想がありますから、多人種交流が当たり前のように存在しているという感覚がもっと生まれたらいいなと思います。
〉◆First Phonicsシリーズから◆
〉「The Mud Pie」(総語数約40語)
〉非常に単純な理由です。子どもの時にママゴトで遊んだ、泥まんじゅうとか泥団子、
〉英米文化では、pieがお団子とかおまんじゅうってことなんだ。わー楽しい!
そういえば、平野敬一の「マザーグースの世界」という本にもアップルパイとアメリカ人の関係などが書いてありました。パイってそれだけ身近で親しみのある食べ物なんですね。
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〉■ORTステージ2■
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〉読んだシリーズ 全36冊(6冊×6シリーズ)
〉Trunk Stories・More Stories Pack A ・More Stories Pack B
〉Wrens ・ More Wrens ・ First Phonics
〉◆ More Stories Pack A シリーズから◆
〉「The Baby-sitter」 (総語数約60語)
〉パパとママはオシャレして夜のお出かけ。家には学生さん(?)のベビーシッターが来ます。
〉さて、子どもたち、大人しくしていられるのか? とっても楽しい夜のお話です。
〉ところで、日本ではこのようなことは日常的かどうか、akoの生活に子どもはいませんのでよく知りません。
〉今、小学生や幼稚園児のいらっしゃるご家庭の方は、どのように読まれるでしょう。
〉あくまで異文化として、善悪の価値判断は別にして、イギリスの日常の事実として知りました。
欧米では夫婦が夜ドレスアップして劇場やパーティーに行く文化があります。酒井先生の「どうして英語が使えない?」という本に「evening」は「夕方」ではない、という話がありました。eveningは大人が社交を楽しむ時間なんだと思います。イブニング・ドレスは夜の盛装。
男は接待で夜の街へ繰り出し、女は家で家事、子育て、という日本と違って、欧米では夫婦単位で行動することが多いようです。
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〉■ORTステージ3■
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〉読んだシリーズ 全30冊(6冊×5シリーズ) まだ未読あり。
〉Trunk Stories ・ More Stories Pack A ・ More Stories Pack B
〉Wrens ・ First Phonics
〉◆ First Phonics シリーズから◆
〉「The Steel Band」(約60語)
〉皆の学校にプロのバンドが来ます。何とカリブ海のミュージシャンたちなんです!
〉(いいなぁ、ブエナビスタ・ソシアルクラブ…)←す、すみません、ORTと関係ありません。
〉ラテンアメリカの音楽が、日常の風景に出てくるなんて、イギリスの子どもたちは羨ましいな〜。
〉オルケスタ・デ・ラ・ルスのスペイン語の歌なんか、意味不明でも楽しいし〜(これもORTと関係なし。ごめんなさい)
〉ちなみに、アメリカに行ったことがある方はよくご存知と思いますが、
〉アメリカでは、地域によっては相当スペイン語が通用します。
〉ラテン文化は南米だけのものではありませんよね。
いいですねー、ラテン。最近はアメリカではヒスパニック系の人が増えて英語が通じないこともあるとか。カリブ海も近いですし。ニューヨークからハバナへ女の子を誘って食事に行くこともできる(出典がわかる人がいるのか?)。
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〉■ORTステージ4■
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〉読んだシリーズ 全30冊(6冊×5シリーズ)
〉Trunk Stories
〉More Stories Pack A ・ More Stories Pack B
〉More Spallows ・ Fireflies
〉特定の本ではなく、シリーズごとでまとめます。
〉◆Trunk Stories◆(6冊の総語数924語)
〉学校が舞台のお話に、(たぶん)中国系のクラスメートが登場します。
〉漢字かモンゴル文字か、よくわかりませんが、アジア系文字の本を持っているんです。
〉シリーズ内のどの本かは、読む方のお楽しみ、としますね。
中国!モンゴル!
お楽しみ、などと言われるとますます読まなくてはいけない気持ちになってしまいます。
〉◆More Stories Pack B◆(6冊の総語数978語)
〉インド系の隣人が登場します。
〉肌の色や髪の毛などからもアジア系ということはすぐわかります。
〉子どもの名前と、室内の壁の装飾品から、インド系だと思われます。
〉(100%確信がありませんので知ってる方、教えて下さい)
〉またこのシリーズには、学校行事に中国の旧正月が登場します!
〉生徒とお母さんにも中国系の人がいます。どんなお正月行事をするんでしょうね?!
パキスタンだったとは。
中国の旧正月といい、本当にORTって国際色豊かなんですね。
〉◆More Spallows◆(6冊の総語数403語)
〉全体としてイスラム系の登場人物のお話です。
〉子どもの名前から、すぐに中東系とわかりした。また、モスク、食べ物、家族の服装からもわかります。
〉現在、欧州は明らかにイスラム系、中東系住民が増えていますので、非常に現実的な配慮だと感心してしまいました。
〉さすがにステージ4。多文化の並存した、素晴らしいシリーズです。
すばらしい。イスラムは日本人にとってもナゾなので、ORTが入門になるといいですね。
〉◆Fireflies◆(6冊の総語数1170語)
〉キッパーたちのお話から離れ、完全に1冊1冊独立した内容で、日本的な科目名で言うと、算数や地理、生物、家庭科です。
〉世界史クラブで紹介するのは、「World Instrument」(140語)・「Grandad and Me」(130語)の2冊。
〉前者は、世界の楽器の紹介と同時に、世界旅行気分。
〉後者は、おじいさんと孫が、それぞれの時代を比べた写真が並びます。
〉車などは一目で時代の違いがわかって、まさに歴史を感じる1冊。
こういうシリーズがあるんですか!おもしろそう!
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〉■ORTステージ5■
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〉読んだシリーズ 全24冊(6冊×4シリーズ)
〉Trunk Stories ・ More Stories Pack A ・ More Stories Pack B ・ Fireflies
〉◆Trunk Stories◆(6冊の総語数1841語)
〉さすがにステージ5。多彩です。
〉このステージからはマジックキーが大活躍。言わばドラえもんのどこでもドアのような不思議な力をもったキー。これが光ると、Kipper たちは、自由自在にタイムとラベル、テレポーテーション。空想が現実になる夢のようなキーなんです。このおかげで、中世の城へは行くわ、一時代前の海賊たちとは出会うわ、次々と、「ナントカカントカAdventure」が繰り出され、時代をこえたアドベンチャーこそ世界史のお楽しみだっ!て感じです。
〉イラストを見ているだけで、楽しい世界史マンガを読んでいる気分。
うわ〜〜〜、それはすごい!こんなシリーズを知らずにいたなんて不覚です。
〉日本でも、信長・秀吉時代が人気があるのと同じですね。
〉海賊を日本に当てはめるとしたら、倭寇かな、瀬戸内海の村上水軍かな。
〉村上水軍は「賊」ではないと思いますが。
〉なおイギリスで海賊が一番活躍したのは、エリザベス1世(16世紀。シェイクスピアの)時代。
〉彼らの海賊行為は、「民間人の非合法戦闘行為」ではなく、女王公認だったんですよぉ〜。
〉不思議なことに、日本でも人気の信長・秀吉時代と、まったく同時代なんです。
〉歴史って面白いでしょぉぉぉ(ダメかな、こういう誘い方は)
いえいえ、充分おもしろい!…って、私が言ってもだめか…。でも倭寇が同じぐらいの時代っておもしろいですね。
私もエリザベス女王とフランシス・ドレーク→「七つの黄金郷」の発想です。
〉◆More Stories Pack A シリーズから◆
〉「Underground Adventure」(292語)
〉地底の洞窟に住む小人たちが出てきます。小人たちというのはゲルマン民族の文化です。
〉ゲルマン民族の故郷である北欧やドイツから、イギリスに伝わったものでしょう。
〉小人たちを示す英語は、ドイツ語に同じもの(スペルが少し違います)があるんですよ。
〉ドイツでは、森の小人たちは、人が寝ている間に掃除やお皿洗いをしてくれる、人間の味方。
〉だからヨーロッパ中で愛される存在になったのかな。悪い小人が出てくる絵本ってあるのかな。
日本語で「小人」と言っても、英語にはいろいろな言葉や種類があります。
一般にfairyは「妖精」、elfは「小妖精」と訳す習慣があるようですが、「指輪物語」のelfは人間サイズですし。また妖精や小人もいい性格のものや悪い性格のものがあるんではないでしょうか。呼び方も他にもいろいろありまして、厳密に定められないのかもしれません。「妖精事典」なんて本もあるぐらいで、さまざまな性格や見た目の妖精がたっくさんいるんです。羽が生えた小さい妖精や、人間サイズのやら、とんがり帽子の「小人」タイプやら。アイルランドでは今でも妖精が信じられているとか。
私のイメージは「イタズラ好き」です。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」には妖精がたくさん出てきますが、中でもパックなどはまさしくそういうイメージです。また、夜に窓辺に妖精のためのミルクを用意しておかないと、妖精が子供を取り替えるという「取替え子」の伝説もあります。妖精が集団で踊って通り過ぎるとき、目が会うとその集団に取り込まれて踊り続けないといけないとか。
〉「It's Not Fair」(349語)
〉Biff がマジックキーで、イギリス史の英雄アーサー王と円卓の騎士たちのど真ん中に行ってしまうという、
〉わくわくするようなお話。女の子の Biff は、一体、騎士たちと何の話をするのかしら。
〉そして円卓の騎士たちの円卓は、なぜ四角いテーブルではなく、「円」卓になったのか、
〉ORT 風の歴史解釈が登場! アーサー王物語とリンクして読めば面白さ倍増です。
〉アタシのランスロット様はどんな顔で描かれているのかしら〜〜〜
〉(円卓の騎士は、皆、素敵なの!ここハートマーク欲しい!)
「アタシの」…って、akoさん…。
そういう私はトリスタン様に思い入れが…。
余談ですが、「キャメロット」というブロードウェイ・ミュージカルがあるんですが、その中にランスロットとグウィナヴィアのきれいなあま〜いラブソングがあります。
fidlleさん
その映画は「トゥルーナイト」ではないでしょうか。
名前や基本設定は同じようなのに、もとのアーサー王の話とはすっかり違う展開になっていく話でした。
〉「A Monster Mistake」(334語)
〉スコットランドに皆がキャンプに来ます。背景に描かれた風景画が、見事。
〉日本の森林とは違う、英国の自然環境の様子が正確に描かれています。
〉急峻な山はなく、深い森もなく、見通しのいい丘とヒースの… 嵐が丘やピーターラビットの舞台ですね。
〉空気までが違うように感じました。
〉英国には深い森がないのはどうしてか知っていますか。これは18世紀に起きた産業革命で、
〉石炭燃料に使うため、大量に森林を伐採したためです。
〉ナショナルトラストが活発なのも、歴史に理由があるんですね。
へぇ〜、へぇ〜、な情報ですね。歴史を知ると理由がわかる。
〉◆More Stories Pack B シリーズから◆
〉「Noah's Ark Adventure」(365語)
〉インディー・ジョーンズ失われたアーク…ではありません。
〉今度は子どもたち、何と旧約聖書の時代まで行ってしまいます。
〉しかも地面が水没するほどの長い長い大雨が降り続くところへ。
〉あとは聖書と同じ物語が展開します。アークってこれかぁ。
〉教会で、学校で、生活の色々な場面で、英語圏の子どもたちは聖書と親しむんですね。
ノアの「箱舟」と「聖櫃」が同じ言葉だなんて、まぎらわしいです。今KID'S BIBLE読んでますが、そのあたりで混乱しました。「え?同じ言葉?」って。「聖櫃」はモーセが神から授けられた十戒を刻んだ石(紙のない時代なので)を収めた箱です。これをかついでユダヤ人はあちこちうろうろするんですね。
〉◆Fireflies シリーズから◆
〉「Houses Then and Now」(300語)
〉写真と、短い説明で、イギリスの住宅の今昔を紹介します。洗濯場や台所、居間には、特に時代を感じました。素敵です!
〉そして19世紀の居間のことを、そういう風に言うなんて〜〜 びっくり。
〉現代日本にもある、とある遊興施設に使われる英語が、
〉実はこーんなのどかな家庭用語だったとは!
〉なるほど、リラックスして、趣味のことなどして過ごす場所という意味では同じことか、と感心した次第。
うわー、これこそ読みたいです!遊興施設と同じ…もしや6ペンスの歌に出てくる…
〉「E-mails Home」(350語)
〉少年がメールで世界中を旅した話、その写真。世界旅行気分です。万里の長城やカラハリ砂漠も出てきました。
〉モンゴル共和国ではなく、中国の中にある「内モンゴル自治区」のことを、
〉英語でこういう風に言うのか〜〜って初めて知りました。
世界旅行…うっとり。「内モンゴル」だなんて芸が細かい!
(akoさん、突っ込んですみません。「モンゴル共和国」ではなく「モンゴル国」です。モンゴル語では「モンゴル・ウルス」といいます。「ウルス」は国、領地、国土などの意味です。ここに「共和国」の意味はありません。昔は「モンゴル人民共和国」でしたが。…ずいぶん細かいツッコミですが、世界史部員のakoさんだと思うからでして…。)
〉「Public Art」(450語)
〉どうして世界史クラブでアートの本かというと、この本にイースター島のモアイが出てくるからだけじゃないんです!
〉街の公共の場所には、その国で歴史上尊敬されている人物の彫刻や銅像があります。
〉それらが、他のさまざまなアート作品と並べて紹介されているこの本のおかげで、
〉歴史とアートの接点を教えてもらえたように思ったからです。
〉編集者の視点によって、通常なされているジャンル分類の線引きは、
〉いくらでも相対化することができるものなのだと、たいへん勉強になりました。
そういう視点もあるんですね。そういえば外国に行くとよく歴史上の人物や偉人の銅像、石像などがありますね。モアイもすてき。
〉「Wonders of the World」(600語)
〉タイトルの通り、世界の素晴らしい場所へといざなってくれるパノラマ写真と解説。
〉それは、マリアナ海溝から大氷河まで、地球上の大自然を満喫しつつ、
〉子どもたちは、世界で一番○○なところを学習することが出来るようになっています。
〉子ども向きの世界地理の教科書として最良と思います。
うわぁ〜、これまた世界旅行気分。すできです。
〉以上、ORT編(上)でした。
これを読むと、ORTの楽しみ方が変わってきますね。
力作レポートありがとうございました。
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