世界史クラブ:Stuarts

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1268. 世界史クラブ:Stuarts

お名前: 柊
投稿日: 2008/11/1(07:07)

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 世界史クラブ、連続投稿の柊です。

 私の得意なテューダー朝の次の時代なので、多少の知識はあります。というか、本の蓄えがあります。
 スコットランド王家としては1371年から、イングランド王家としては1603年に始まる家系です。ステュワート、ステュアートなどと書き、元はStewardだった家系。
 テューダー朝のエリザベス1世に子どもがなく、兄弟も子孫がないままに死んでいたので、近い血縁を探したらスコットランドのジェームズ6世だったんですね。イングランド国王としてはジェームズ1世。その後、子どものチャールズ1世、その子どものチャールズ2世、弟のジェームズ2世、その子どものメアリ2世と従兄弟のウィリアム3世の夫婦共同統治、メアリ2世の妹のアン女王ときて、終わりです。
 アン女王は1714年没。アン女王の時代に、イングランドとスコットランドは(たまたま?)国王が同じという形から、グレート・ブリテンという一つの国になりました。(カンニング・ペーパーは森護「英国王室史話(下)」)

 アレクサンドル・デュマ(父)の書いたメアリ・ステュアート(Gutenbergで見つけましたが、邦訳が出ました)の始まりに「どの王家にも縁起の悪い名前(ファースト・ネーム)があるが、スコットランドの場合はステュアート(姓)だ」とありまして、スコットランド時代には0歳や1歳で即位した(親がすぐに死んだ)王がごろごろ。イングランド王を兼ねるようになっても、処刑されたチャールズ1世や、生きているのに娘(たち)に王位を追われたジェームズ2世など、多難です。

 やはり本が多いのはメアリ・ステュアートでしょうね。生後数日で父が死んでスコットランド女王、5歳かそこらでフランスに渡ってフランス皇太子妃となるべく教育を受け、結婚して割とすぐにフランス王妃になり、王妃になって1年経たないうちに夫の死でスコットランドに帰国。ところがフランスで育ったもので、スコットランド女王なのに外国人状態。再婚した後、夫殺しの疑惑で国を追われるという、波瀾万丈すぎる人生です。
 私は最近まで、好きじゃなかったですね。どうも人生万事人に流されている感じが。ところがMargaret IrwinのGaillardを読んだらそうでもなくて、私の好きな顔を上げて前を向いて、自分の意志で生きているところが好きになりました。
 では、YL順で紹介していきます。

Mary, Queen of Scots [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000000318 ]
OBWですね。結構ちゃんとポイントを押さえています。
Mary, Queen of Scots and her Hopeless Husbands [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000011790 ]
 Horribly Famousです。三回結婚しているんですが、全員だめですかという題名が、いいですねえ(いいのか?)。

Mary, Queen without a country by Kathryn Lasky [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000010596 ]
 子どもの頃、メアリの肖像画を見て一目惚れして、これぞ理想のお姫様と思ったという、Laskyの書くRoyal Diariesです。これの巻末の解説だけでも、勉強は充分ですね。

The Gaillard by Margaret Irwin [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014449 ]
 例によって上がったり下がったりぐるぐる回ったりと忙しい本です。まだ最後までついていませんが、何しろ長いので、もうしばらくかかりますね。

Royal Road to Fotheringhay by Jean Plaidy [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000010771 ]
 幽閉前です。

Captive Queen of Scots by Jean Plaidy [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014611 ]
 幽閉後です。
 他にPlaidyではStuart Sagaというシリーズもあって、半ダースぐらいの作品があります。復刊して欲しいです。Plaidyさんの話は面白いですが、Plaidyさんの書くメアリは好きじゃない。Plaidyさんも好きじゃなかったのかもしれないですね。

 伝記だと、メアリ大好きなAntonia Fraser [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000010705 ] のものだとか、読んでいませんがなにやら評判のAlison Weirのものがあります。

 メアリの息子がジェームズ6世です。しかし、メアリは夫殺しをしたとされているので、ジェームズにとっては母は父の敵ですが、夫が子どもを殺そうとしているのでメアリが殺意を持ったという説があるので、父は自分の敵なんですね。しかも、ジェームズ自身はGunpowder Plotの狂言犯だという話もあります。暗殺計画が出ると、自分の人気が上がるだろうと思ったという。
 この件に関しては、一般的な見解だと思われるのがAntonia Fraserが一冊かけて書いた本です。翻訳もあります。ジェームズの狂言だろうというのは、イングランド王を兼ねるようになってからのステュアート家を書いたHorrible HistoriesのThe Slimy Stuarts [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000012835 ] です。
 ステュアート朝に関しては、それこそPlaidyしか読んだ本も持っている本もありませんが、チャールズ1世の王妃のLoyal in Love [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014614 ] 、チャールズ2世のLoves of Charles II [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014613 ] 、チャールズ2世の王妃のThe Merry Monarch’s Wife [url:http://www.seg.co.jp/sss_review/jsp/frm_a_120.jsp?cd_syuppan=0000014612 ] 、メアリ2世のThe Queen’s Devotionがあります。
 チャールズ2世は女性関係がとにかく賑やかだったので、その辺を書いた本は沢山あるようです。

 ステュアート朝についてまとめると、テューダー朝よりは国王一人で決められることが少なく、議会が多少強くなっている気がします。それからメアリ1世への恐怖から、カトリックの国王というものに対してものすごいアレルギー反応があって、何かが起きるというパターンですね。


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