[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 9999 // 時刻: 2025/1/10(12:06)]
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お名前: 杏樹
投稿日: 2003/12/6(00:55)
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はまこさん、みなさん、こんにちは。
〉「から騒ぎ」を観ていて他に気になったのが、「娘を受け取ってください。
〉私の財産も」という感じの台詞が出てくるでしょ。その当時の風習なのかな、
〉と思いました。遺産相続だったら、親が亡くなった後に子供とその夫(妻)が
〉受け取るけど、当時は結婚と同時に親の財産も夫が自由に使える立場に
〉なるのかな、とか、婿入り婚なのかな、とか。一人娘の場合は跡取に
〉入るのか、またまた男は戦に出るから場合によって入り婿になるのか、
〉などなど。
昔のヨーロッパではお嫁に行く時に持参金を持っていきます。身分が高いほど持参金の額が問題になります。持参金を用意できないと結婚できないということもありました。「から騒ぎ」の場合、娘が二人なのでゆくゆくはこの二人が財産をもらうことになるわけで、お嫁に行く時の持参金としてある程度分けてしまうということがあるのでしょう。それで結婚すれば夫は娘と財産の両方をもらったということになるわけです。
「リア王」は結婚の持参金ではありませんが、娘が3人いて、どうやって財産を分けるか、が問題になるお話です。リアは財産を娘たちに分けて自分は隠居暮らしをすることにします。生きているうちに財産分与をして自分は隠居、ということもあったという事です。それで娘たちのうち誰が誠実で自分を愛してくれるか、一人ずつ父親に対する思いを聞こうとします。それで口先ばかりの娘にだまされてひどい目に合うのですが…。
で、はまこさんは日本語はいや〜、ということなので、イギリスへ行って本場のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでも目指すといいですねー。
「言葉」にこだわると確かにそうかもしれませんし、なにしろこれだけ英語やってるから原語で楽しみたいですよね。
ただ、英語での生舞台を見る機会はなかなかないし、それでもやはり日本語のほうがよくわかります。それにやはりシェイクスピアは映画より舞台向きです。舞台を見ると人物の造形がよりくっきり浮かび上がります。うまい役者が演じればセリフも生きてくるし、戯曲をふくらませた人物像を作りだしてくれるのは、日本人でも同じです。「NINAGAWAマクベス」でマクベス夫人がただの悪女ではない、ということが伝わったように。
市村正親の「リチャード3世」も、陰謀をめぐらし邪魔者を陥れて王位を狙うのですが、いざ玉座に座った姿を見ると、確かに陰謀で王位を手に入れただけあって玉座ににふさわしくない卑しい人物に見えたのが興味深かったです。
ずいぶん前ですが「女たちの十二夜」は死にそうなぐらい笑いころげました。オール女性キャストだったのですが、白石加代子のマルヴォーリオの笑撃はおそろしいほどでした。主役のヴァイオラはかすんでましたね。今思い出しても「おもしろかった」と言うより「笑いすぎてくたびれはてた」という印象が残っています。
これもずいぶん前ですが、グローブ座カンパニーの「真夏の夜の夢」も大笑いしました。上杉祥三のパックが全身緑色、顔まで緑色に塗って大暴れしてました。
それではこのへんでやめておきます。
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