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お名前: 湘南のおねえさん
投稿日: 2004/7/13(18:40)
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FEVER 1793 という本を紹介します。
著者は Laurie Halse Anderson
feverというのは、黄熱病のことで、1793年にアメリカフィラデルフィアで大流行したときの話です。でもノンフィクションではありません。15歳の女の子の日記の形で語られています。主人公のマティーはお母さんと父方の祖父との3人暮らし。おかあさんはコーヒーショップを経営しています。家のことから店のことまで完璧にこなすおかあさんは、なにかというと 私があんたぐらいの時には、、、とお説教です。ちょっとうんざりしているマティーですが、今年の夏の暑さにはそれ以上にうんざりしていました。港に近い通りで黄熱病が発生したらしい、といううわさが流れたと思ったら、店の手伝いにきていた女の子が熱病であっという間に死んでしまいます。このときから、マティーの生活はがらりと変わってしまいます。
熱病は、下層階級の人間しか感染しないと信じちゃっている上流階級のおばさんとか、あやしい信じられない治療をする医者とか出てきますが、彼らのこと決して笑えないんですよね。そんな中で日々たくましくなっていく主人公は圧巻です。
英語は易しいです。構文が単純なので前戻りする気を起こさせずするするとよめました。でも、ときどき、なんじゃこれ?と思う単語が出てきました。
暑さの中、つぎつぎに人が熱病にかかって、その症状はひどいもので、棺おけは足りなくなり、埋葬する場所もなくなっていき、人々はひたすら初霜の降りる日をまっている、、、というシーンをこの猛暑の中読んでいたら、何だか現実と本の中がごっちゃになった気がしました。今年の記録的猛暑とともに、忘れられない1冊になりそうです。悪趣味と言われても、ぜひ暑さの中で読まれることをおすすめします。
児童文学のかたちですが、こういう力強い作品が児童文学として生まれてくる層の厚さがちょっとうらやましいです。
日本の力のある作家はみんな漫画家になっちゃうのかな。
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