[掲示板: 〈過去ログ〉SSS タドキストの広場 -- 最新メッセージID: 14976 // 時刻: 2024/11/2(09:21)]
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◆「木鶏」とは
・荘子の中にある話
昔、中国で紀悄子という人が、王様のために闘鶏を養っていました。
彼はあるとき、すごい闘鶏を手に入れます。
王 「どうだ、もう闘わせてもいいか?」
名人「いや、まだ空威張りして闘争心があるからいけません」
10日後
王 「どうだもういいか」
名人「まだです。ほかの闘鶏の声や姿を見ただけでいきり立つからダメです」
10日後
王 「もういいのではないか」
名人「いけません。まだ、目を吊り上げて威張っているから話になりません」
10日後
王 「もういいか」
名人「もうそろそろよいでしょう。他の鶏の声を聞いても、顔色一つ変えません。
ちょっと見ると、まるで木で作った鶏としか見えません。徳が充実したのです。
これでどんな鶏がやってきても、天下無敵です」
褒められても、けなされても、態度が変わらない。泰然自若。
◆「我、未だ木鶏たり得ず」とは
昔、前人未到の69連勝の記録を作った双葉山という名力士がいた。
あるとき、双葉山は宴席で、安岡という人物から、
「君もまだまだだな」というようなことを言われた。
双葉山は、「どこが不足しているのでしょうか」と聞き返した。
安岡氏は木鶏の話をし、
「戦いというものはこうでなければいけない。徳が充実してくれば、戦わずして勝つ、
つまり相手を呑んでしまうことが起こる」と諭した。
安岡は相撲は単なる勝ち負けではなく、心を鍛練し、天にいたる「道」だと考えたのである。
双葉山は大変に感じ入り、安岡氏から貰った書を部屋に掛けて朝晩静座し、
木鶏になる訓練をしたという。
安岡氏はこの話をしたことを忘れていたが、
昭和14年1月のある日、無電を受け取った。
「ワレイマダモッケイタリエズ フタバヤマ」
安岡氏は一目電文を見て、双葉山の連勝が阻まれて土がついたことを知ったという。
[url:http://sumo.goo.ne.jp/kiroku_daicho/mei_yokozuna/futabayama.html]
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