[掲示板: 〈過去ログ〉オフ会参加募集・報告 -- 最新メッセージID: 14793 // 時刻: 2024/11/8(07:26)]
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3月9日、第12回絵本の会を行いました。
今回は特別に、絵本の会では取り上げられていないお薦め本の紹介もあります
ので、お見逃しなく。(報告者:モモ)。
出席者 7名
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☆ 絵本の紹介 ☆(すべて書評あり)
■Spotty / Margret Rey ; Pictures by H. A. Rey
"Curious George"のレイ夫妻の作品。
白うさぎの家族に、たった一羽だけ茶色い斑点のあるSpottyが
生まれました。
お母さんうさぎは、Spottyを受け入れることができず、
おじいさんの誕生日パーティの日、Spottyを家に置き去りにします。
家族の中での差別という重いテーマを扱っています。
大人に是非読んでもらいたい絵本です。(ポロン)
■OX-CART MAN / DONALD HALL Pictures by BARBARA COONEY
(邦題:「にぐるまひいて」)
収穫の時、Ox-Cartに収穫した作物、羊毛、手編みのミトン、
ろうそく...。
いろんなものを積んで、お父さんは山を越え、谷をぬけ、小川を渡り、
市場に出かけます。
そしてまた、牛を育て、機を織り、3月にはメープルシロップを採り、
春には作物の種を蒔く。
そんなふうに繰り返される営みに幸せを感じます。
1980年 Caldecott賞受賞。(Kaako)
■The Adventures of Snail at School / John Stadler
「Hooray for Snail!」(第10回活動報告でご紹介しました)
の主人公Snail君にまた会えます。今回の本は読み聞かせより自分で
読むのに向いています。
小学生Snail君は先生のお手伝いをしようと張り切るのですが、
またもやとんでもないことになってしまいます。(こりんご)
■The Gardener / Sarah Stewart
不況のためおじさんの家に預けられたガーデニング好きの少女リディア。
全く笑顔をみせないおじさんのもとで、リディアはお手伝いや花を咲か
せることに喜びをもって生きていきます。リディアが書く手紙と美しい
絵でお話が綴られていきます。そして、最後におじさんは…。
本の紹介中、思わず涙するメンバーも。大人にも子どもにも出会ってほしい
絵本です。(こりんご)
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☆ マザーグース関連の本 ☆(すべて書評あり)
絵本の会でのマザーグース・ブームは、現在も続いています(笑)。
今回は、マザーグース絵本2冊を見比べました。
■The Real Mother Goose / Blanche Fisher Wright
約280編のマザーグースと挿絵が収められています。初版はなんと1916年、
以来英米では何代にも渡って読み継がれているようです。クラシックな
挿絵に淡い彩色、まさに「昔ながらの絵本」といった趣です。(こりんご)
■Mother Goose's Nursery Rhymes / Allen Atkinson
95編のマザーグースと挿絵が収められています。Atkinson独自の物語性の
強い絵は、好みが分かれるかもしれません。彩色はとても美しいです。
(こりんご)
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☆ 有志による読み聞かせ ☆(すべて書評あり)
■The Tiger Who Came to Tea / Judith Kerr
「おちゃをごいっしょさせていただけませんか?」と突然やってきたとらが、
家中のものをたいらげてしまいます。
子どものときにこんなこと、やってみたかったなぁ。
食べ物をたいらげていく様子が、"all"の繰り返しで表現されるところが愉快
です。
年齢を問わず楽しめる絵本です。
■Mr Gumpy's outing / John Burningham
(邦題:ガンピーさんのふなあそび)
「ガンピーさん、お舟に乗せて」といろんな動物たちがやってきます。
お舟は動物でいっぱいです。
リズムがよくて、読んでいて楽しい本です。
以上が第12回絵本の会の活動報告です。
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絵本の会では今まで例会で紹介されたもの以外にも、たくさんの
お薦め絵本が紹介されています。
今回は、特別にその素晴らしい絵本たちをまとめて紹介させていただきます。
★Uri Shulevitzさんの絵本
■Dawn(よあけ)(書評あり)
お薦め度:★★★★★
刻一刻と変わりゆく自然のさまに、背筋がぞくぞくしました。
絵本ってすごいんだ!と思わせられた作品です。(ポロン)
■Rain Rain Rivers(あめのひ)(書評あり)
お薦め度:★★★★
子どもにとって、雨の日ってこんなに楽しいんですね。
雨のもたらしてくれるめぐみを感じられるのって素敵です。
韻を踏んだリズムのいい文章は、音読したくなります。(ポロン)
★Robert McCloskeyさんの本
■Make Way for Ducklings(かもさんおとおり)(書評あり)
お薦め度:★★★★
かもの夫婦が、子育てに最適の場所を探してボストンにたどりつきます。
都会での暮らしはうまくいくでしょうか?
作者のRobert McCloskey は、ボストンに住んでいた時、
実際にかもの親子の行列を見て、この本を描くことにしたそうです。
作者の温かさが伝わってくる絵本です。
1942年度 コールデコット賞受賞作。(ポロン)
■Blueberries for Sal (サリーのこけももつみ)(書評あり)
お薦め度:★★★★★
ある日、Sal はお母さんと、山へブルーベリーを摘みに行きます。
ところが、くまの親子もブルーベリー目当てに山に来ていて・・・。
うん、うん、小さい子って、こうなっちゃうことってあるよね、
と思わずくすりとさせられます。
上質の温かいユーモアが感じられる可愛い絵本です。
とにかく、Robert McCloskey は絵がとてもいいのです。
1949年 コールデコット賞オナーブック。(ポロン)
■One Morning in Maine (海べのあさ)(書評あり)
お薦め度:★★★★★
アメリカ・メイン州の小さな島に暮らす、作者一家のある日の出来事。
Sal は、朝目を覚ましたとき、一本の歯がぐらぐらしていることに気づきます。
子どもにとって、歯が抜けるのって一大事なのですね!
海辺の豊かな自然と温かい人情に包まれて成長する女の子と、
それを見守る両親の様子に、気持ちがおおらかになります。
ラストページの4語がとてもいいのよ♪
1953年度 コールデコット賞オナーブック。(ポロン)
■Time of Wonder (すばらしいとき)(書評あり)
お薦め度:★★★★★
メイン州の海べに浮かぶ小さな島で暮らす家族の、
春から夏を描いています。美しい海辺の細やかな自然描写が、
とにかく素晴らしい!水彩で描かれたのびやかな絵もとてもいいです。
海好きな人は絶対読んで!! そうじゃない人も、是非読んでね。(笑)
でも、ペーパーバックじゃなくて、ハードカバーで読まなきゃダメよ。
Robert McCloskey の中でも、私がいちばん好きな作品です。
1958年度 コールデコット賞受賞作。(ポロン)
■Burt Dow : Deep-Water Man (沖釣り漁師のバート・ダウじいさん)
(書評あり)
お薦め度:★★★★★
海の男、Burt Dow とくじらたちのふれあいを描いた物語絵本です。
色彩豊かでダイナミックな絵が、海の荒々しさ、Burt Dow の海と船への愛情、
くじらの躍動感をよく表しています。
お話はとてもユーモラスでおもしろいよ♪(ポロン)
★素敵な仕掛け絵本
■The 12 Days of Christmas / ROBERT SABUDA (クリスマスの12日)
(書評なし)
お薦め度:★★★★★
MOTHER GOOSEの中の、積み重ね唄を仕掛け絵本にしたものです。
扉絵を開くと、ヤマウズラが飛び出してきます。
左側に1節目の唄が書かれてあり、右側に2節目の唄が書かれています。
右側の唄は折り返しの上に書かれているので、
そこをめくると2節目の唄の仕掛け絵を見ることができます。
以降12節まで続いていきますが、
1節1節に、ため息が出るほど美しい作品が添えられています。
ゆっくりページをめくるたびに自分が本当に贈りものをもらっているような
気がして、大切に大切に読み進めたくなる絵本です。
読み終わった後、絵本を抱きしめて何度も頬ずりしてしまいました。
難しい単語もありますが、全て絵で説明されているので理解できます。
作者のロバート・サブダ氏は、
ポップアート界の「ペーパーエンジニア」と称されているそうです。
ぜひ手にとって見て欲しい仕掛け絵本です。(はまこ)
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