[掲示板: 〈過去ログ〉英語のことなんでも -- 最新メッセージID: 2495 // 時刻: 2025/1/13(15:17)]
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Ryotasanさん、みなさん、こんにちは。
一連のレスを読んで、習得しやすい言語とは、ということについて考えてみました。
言葉の難しさ、やさしさは色々な要素に左右されますので、どれがやさしい、難しいとは決めにくいと思います。
その要素として、文法、発音、文字、そして母語との関連といったことがあるでしょう。
英語は他のヨーロッパ語に比べて文法は簡略化されて易しいように見えます。しかし発音は難しいです。なんであんなにつなげて発音するのか…。
おそらくドイツ人にとっては英語は習得しやすいと思います。ゲルマン系で共通の語彙が多く、さらにドイツ語よりも文法が単純化されています。ですからドイツ語を勉強した人がその後英語を勉強したら「易しい」と思うのは無理はないと思います。
しかし日本人にとってどうかと言うと、虎彦さんの [url:kb:1649] 発言の習得しやすいランクのように、必ずしも英語が上位なわけではありません(このランク付け、おもしろいです)。
ならヨーロッパの言葉で日本人に習得しやすいものは、と言うと、まず発音で言えばスペイン語、イタリア語です。母音が日本語と同じ五つで、子音も巻き舌Rさえできればあとは難しくありません。英語よりずーっと簡単です。
文法を比べますと、たしかにスペイン語は人称によって動詞が活用しますが基本的に規則があります。また男性名詞・女性名詞の区別もありますが、語尾で区別できることが多いです。
となると、英語がスペイン語より習得しやすいかどうか、という答えはかなりビミョーになってきます。
ヨーロッパ語以外なら、韓国語は日本語と文法、語順がほぼ同じで習得しやすいと言われます。これは母語との関連で習得しやすいということで、韓国語そのものが「易しい」ということにはなりませんが。また、韓国語は発音の点では難しいと言う話を聞いた事がありますが、どうでしょうか(韓国語はわからないので…)。
ついでに、ハンガリー語は発音はとてもやさしいです。日本語にない音もいくつかありますが、カタカナ発音みたいな発音でもかなり通じるみたいです。強弱アクセントが強くないのも日本人には発音しやすいです。中でも特徴的なのは長母音の存在です。「ア」と「アー」の区別が発音上もつづりでも存在します。これはアメリカ人よりも日本人の方がずっと正確に発音できるでしょう。
しかし文法はかなり難しいです。
中国語は構造的には日本語とは異なりますが、言葉の感覚、ニュアンスがヨーロッパ語よりはなじみやすく、また漢字を使うので(簡体字を覚えるのは最初は大変ですが、西洋人が漢字を覚えることを思えば…)、日本人にはわかりやすい言葉です。しかし…発音が難しい!です。
また、タイ語やアラビア語のように、文字そのもになじみがなくて文字から覚えると言うのはかなり労力が必要です。
文法が勉強しやすいけど発音が難しいとか、発音はやさしいけど文法が難しいとか、言葉によって「易しい部分」「難しい部分」がありますので、単純に「易しい」かどうか、は決められないと思います。
日本語の発音は音の少なさで言えば易しそうですが、アメリカ人にとっては難しいと思います。日本人の名前ってすごい言いにくいみたいです。強弱アクセントで一音節、二音節の単語に慣れていて、母音が三つも四つも平均に並んでる言葉はアメリカ人にとっては発音しにくいようです。指揮者の「大植英次」を正しく発音できるアメリカ人は、なかなかいないと思います。「クニヒデ」だって相当言いにくいんじゃないでしょうか。文法は、逆もまた真で、おそらく韓国人にとっては習得しやすいでしょうが、ヨーロッパ系言語の人にとってはどうでしょう。
発音も文法もやさしい言葉といって思いつくのはインドネシア語です。文字もローマ字で特殊な記号もありません。でもインドネシア語を覚えても使える場所が限られますからねえ。
それから、まりあさんの[url:kb:1655] 発言ですが…
>学校で、人並みの日本語力を身につけさせる訓練をしていない、
でもみんな支障なく日本語が使えるようになっている、といって
いるんです。
母語ならどこの国でも使えるようになります。多読をしたら勉強をしなくても本が読めるようになったり、ニュースや映画が聞いてわかるようになったりします。
日本は義務教育の普及率が高く文盲率の低い国です。しかし開発途上国や貧富の差の大きい国など、教育に格差のある国も多いです。そういう国で教育をきちんと受けてない人でも、言葉を使って日常生活を営んでいます。もちろん、教育の程度によって言葉の使いこなし方に差は生じますが。
そして、言葉を習得する重要な要素として、「好きな言葉は覚えやすい」ということがあります。19世紀のオーストリアの皇后エリザベートは、母語はドイツ語です。そして子どもの時から当時の貴族の必須言語、フランス語を勉強させられ、皇后になってからはオーストリア領であるチェコ語やイタリア語も習わされましたが、どれも全く覚えられなかったそうです。公式行事の際のあいさつの丸暗記もダメだったとか。回りも本人も語学の才能がないと思っていました。
なのに、ハンガリーが気に入って、ハンガリー語を習おうとしたのです。そしてハンガリー人の教師を呼んで習い始めたら、どんどん上達していったのです。そしてハンガリー人の女官を置いてハンガリー語だけで話すことにしたり、読まれたくないことをハンガリー語で書いたりするようになりました。ついに、ハンガリーに居ついてウィーンに帰ってこなくなりました。
ヨーロッパ語同士の各地の言葉は全然覚えられなかったのに、系統の違うハンガリー語だけが上達すると言うのは、相当ハンガリーが気に入ってハンガリー語が使えるようになりたかったようです。
好き放題に語ってしまいましたが、このへんで…。
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